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初日にして非情通告

夏の大会が終わり、1学期末試験休みを終えた後、2年生が最上級生となる新チームが誕生した。2年生は全部で14人。監督の方針なのか最上級生は全員ベンチに入ることが規定路線で、当時のベンチ入り18枠に対して残り4枠を1年生が争う。しかしその初日いきなり監督が発表した。「マナブ、カズキ、ショウヘイ、ヨウジの4人は今日から練習に入れ。ノックはマナブがファースト、ヨウジがセカンド、カズキがサード、ショウヘイがショートに入れ。」と。言わずもがな全員が“経験者”であった。
いきなりの衝撃である。私たちは新チームを迎えた初日にいきなりあと1年間は練習に参加できないことを通告されたようなものだった。もう少し篩にかけてくれる余地があってもいいのに、と心の中では悔しさもあったが、自分は学童野球を投げ出した身だから仕方ないという諦めの気持ちもどこかにあった。
夏休みも球拾いに明け暮れた毎日だった。場外に出たファウルボールを取りに行ってそのままサボることもしばしばあるような不貞腐れ気味な部員だった。
しかし、ひょんなことから1年生だけで練習するという日が設けられた。今思えばどういうタイミングだったのか記憶が定かではないが、確か父兄やOBの方々も見にくるようなイベントだった。
その日に私の野球人生が大きく変わるのである。

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