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「管理(かんり)」の発音

みなさんは「管理」の発音はできるだろうか。
日本で育った皆さんには、この発音はたやすいことと思う。

我が家のエストニア人はこの単語がどうしてもうまく発音できないのだ。初めてその発音を聞いた時は、なぜできないのかわからなかった。

「かんり」の「ん」から「り」にかけて違和感が出ている。
「ん」はnかngかを我々は意識せずに使い分けている。「案外(あんがい)」と「案内(あんない)」という単語があるが「あんがい」の「ん」と「あんない」の「ん」は細かく分けると違うのだ。どう違うか、発音してみてほしい。

「あんがい」の「ん」は口が空いたまま喉の奥をコントロールして「ん」としている。「あんないの」「ん」は舌を上の歯につけながら発音している。
「あんない」の「ん」はnで「あんがい」の「ん」はngなのだ。外国人はこのnとngを明確に分けているからそれを発音しているが、日本の「ん」にはその分別がない。「ん」はひとつしかないから。

「かんり」の「ん」はnなのだ。だから舌を上の歯と歯茎の間あたりにつけて、「ん」と発音した後、次に「り」舌を弾いて「り」を発音している。
だがこの「ん」から「り」は彼にとって非常に難しく、結局「ん」の後に「り」を口の上に舌をつけた後は弾くことなく舌から一部空気を抜くことにより「り」の発音をしている。

だから違和感ありありの「かんり」になってしまう。これは10年ほど学習しても難しいようで、まだ会得できていない。管理の時だけ違う言葉を使って回避してもらいたいものだが、うまい言い換えの言葉はアドバイスできていない。

知り合いの母国語が日本語ではない方に「かんり」の発音を聞いてみてほしい。日本人は意識しない、難しい発音が日本語でもあるんだと改めて知ることがあるかもしれない。

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