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私の「思考日記」【完結】

30
大学の課題として取り組みました。30日間、名言を取り上げ、考察を書いています。
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記事一覧

思考日記30日目(最終回)

今日はソクラテスの言葉を使って考察する。 「深く考えない人生など、生きるに値しない」今回はこの言葉を使う。 さまざまな言葉に触れてきて、最後にこれを選んだ。 これまであらゆる言葉にあらゆる考察をし、自己に内在するマインドを深く追求し、答えを出そうと努力してきた。 ここには、その行為こそが答えであるということが示されると同時に、深く考え抜いたからこそできる、ある種の共感を覚える。 考え、答えを出し、そして誰かに伝える。これがあるからこそ人生に価値が付くとソクラテスは言

思考日記29日目

この課題のまとめの提出日は、30日目の翌日となっており、スケジューリングの丁度良さも私のせなかを押している。 今日は、マルティン・ルターの発言を使って考察していく。 ルターは16世紀の宗教改革の中心を担った人物で、神聖ローマ帝国の神学者、司祭、牧師として聖書のドイツ語訳などを手がける。 これが功を奏し近代ドイツ語が成立したとされている説もある。 今回はルターの 「人々の行動は、すべて根底に希望があります」という言葉を使って考察する。 まず、「人々の行動」が何を指し

思考日記28日目

今日はアントワーヌ・オーギュスタン・クールノーの発言を使って語ることにする。 フランスの数学者、哲学者、経済学者で、数理経済学の祖とされている。関数と確率を経済学に持ち込んだことで知られ、「需要と供給」の条件概念を世に送り出したのも彼である。 今回、クールノーの 「大衆が求めるのは比類なきまでの凡庸さだ」という言葉を使って考察する。 民衆が普遍を好み、平凡を愛することはこれまでもいくつかの言葉を拾っていく中で扱われてきた内容だ。 今回も例に漏れず、大衆が求めるその凡

思考日記27日目

今日の思考日記も初期から予定していた人物の発言を使う。 今回はアルフレッド・ノーベルの発言を元に考察をしていく。 スウェーデン出身の発明家で、ダイナマイトの開発が有名。ノーベル賞の創設者である。 「心配は胃の最悪の毒である」思考日記を書いていく上で一つのテーマにもなっていた「私の中の四つのマインド」に置き換えると、「ネガティブ」に該当する考え方は、人の心に害を与えるという考え方になる。 経験則からすれば、何か心配している時はネガティブな思考になるし、胃がキリキリと痛むよ

思考日記26日目

今日はヘミングウェイの言葉を使う。どうしても使いたかったが、最後の方に残そうと思っていた人物の一人である。 アメリカ出身の作家、小説家でハードボイルド文学のパイオニアとして認知されている。 特に、「老人と海」はかなり高い評価を得ており、現在も世界に浸透する正真正銘の名作である。 今回はヘミングウェイの名言、 「誰かを信頼できるか試すのに一番良い方法は、彼らを信頼してみることだ」という言葉を使って考察する。 「教育」というカテゴリを例に考えてみる。 学生は教師に信頼

思考日記25日目

今日で思考日記は残り6日となる。 今回はラ・ブリュイエールの発言を使う。 ラ・ブリュイエールはフランスの哲学者で、著書に「カラクテールー当世風俗誌」など。 今回は彼の 「ただ、動機だけが人々の行為の真価を決める」という言葉を使って考察する。 「人の行為の真価」について語られたこの発言は、行為の結果ではなく、行為の動機が人の真価を決定付けると述べられている。 私のこの言葉の初見での感想は、「わからない」だった。 私は今まで行為とは「結果ありき」であるという風に考えて

思考日記24日目

今回はアランの発言を使って話す。 アランとは、本名エミール=オーギュスト・シャルティエ。フランス出身の哲学者、著述家である。 今回はアランの 「幸福な人は、幸福だから笑っているわけではない。笑っているから、幸福になるのだ。」という言葉を用いて考察していく。 幸福と笑うこととの関係について。これまで私もさまざまな言葉を使って考察しながら幸福に対する回答を考えてきた。 その中でもよく「ポジティブ」のマインドが幸福度を上げるという話をよくしてきた。 では、そのポジティブ

思考日記23日目

今日はドイツ出身の音楽家で「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」などの名作を残した文豪、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの言葉を使って考察していく。 今回は彼の、 「人間の最大の敵は不機嫌である」という言葉を使う。 まず、ゲーテのこの言葉の率直な私の感想、とても共感といったところである。 人が不機嫌であると、自己、他社ともに悪い雰囲気になることは言うまでもないし、それによって気分を害されてきた経験は私にもあるし、人ならば誰にでもある当たり前のことである。 しか

思考日記22日目

今日の思考日記はシェイクスピアの発言を使うことにする。 ウィリアム・シェイクスピアはイングランド王国の俳優、劇作家で、「ハムレット」「お気に召すまま」「ヘンリー5世」の脚本や、その他多数の戯曲を執筆した。 今回はそのシェイクスピアの 「安心、それが人間の最も近くにいる敵である」という発言をつかって考察をしていく。 安心、という言葉は安定、安泰という意味で用いられる言葉で、決して自らに害をなすようなものとは一般には認識されていない。 では、何故シェイクスピアは安心を敵

思考日記21日目

今日はアンブローズ・ビアスの言葉を使う。 アンブローズ・ギンネット・ビアスはアメリカの小説家、コラムニスト、ジャーナリストで、痛烈な皮肉やブラックユーモアに満ちた「悪魔の辞典」という著書で有名。 人間の本質を冷徹に毒のある字面で綴る様を、人々は「辛辣なビアス(Bitter Bierce)」と呼んだ。 今回はビアスの著書、「悪魔の辞典」から 「議論。それは他人の思い違いをますます強固にする方法」という言葉を抜き出して考えていく。 この思考日記では初の出典の存在する言葉

思考日記20日目

今日はクリストファー・モーリーの発言を使う。 アメリカの小説、随筆などを手がけた作家で、代表作に「巡回文庫」「幽霊の出る古本屋」など。 今回は彼の 「成功とはただ一つしかない。自分の一生を自分流に生き抜くこと。それだけである。」歴史を問わず、世界中の功績者やインフルエンサーが語る、自己の価値のあげ方や成功する方法などに、 社会の常識から外れ、自己流に生きる という考え方が良くなされている。 ここでいう社会の常識とは誠に不明瞭で、解釈の分かれるものになっており、短文

思考日記19日目

今日はフランスの印象画家、ピエール=オーギュスト・ルノワールの発言を使っていくことにする。 「百の欠点を無くしている暇があるなら、一つの長所を伸ばした方がいい」この言葉で考察する。 まず、ルノワールの残した言葉は、あまりにも女性(主に裸婦)に関する記述が多く、思考日記に向いている発言が少なかったこともあり、調査がより入念なものになった、 ということがこの言葉を選出した背景にあることを知っていただけると面白くなると思う。 そして、言葉の解釈に移る。 長所を伸ばすことは

思考日記18日目

今日はオランダの哲学者スピノザの発言を使って考察をしていく。 バールーフ・デ・スピノザはデカルトやライプニッツに並ぶ合理主義哲学者と知られ、無神論や唯物論に強く影響を与え、ドイツ観念論やフランス現代思想にも影響を与えた思想のパイオニアと言える人物である。 今回はそんな彼の 「自分にはできないと思う、たいていの出来事は、できないのではなく、本当はやりたくないだけなのだ」という言葉を使って考察していく。 物事の可能不可能を判断する際、その鍵になるのはそれまでの経験である。

思考日記17日目

今日はヴォルテールの発言を使って考察していくことにする。 ヴォルテール、本名フランソワ=マリー・アルエは、フランスの哲学者であり、作家、文学者、歴史家である。 啓蒙主義の代表人物とされ、イギリスの哲学者ジョン・ロックと肩を並べる。 今回選んだ発言は、 「愚者は名高い作者なものならなんでも賞賛する」という言葉である。 まず、この言葉で注目したのが「名高い作者」という言葉である。 ヴォルテールの生きていた時代にも、作家として有名だった人物が出版するものや、作品が、民衆