マザードラッグを考える

先日はライブの方、お疲れ様でした。
さて、新曲が発表されましたね。マザードラッグとヒメヒナの二人による二曲。
その中でもめちゃくちゃドラッグしてるこちらの曲に、自分なりの考察を考えてみたいと思います。
ちなみに曲調的に、一回聞いた時からもう大好きです。めちゃくちゃトリップする。ひたすらリピートしてる。
本当はMVを見てからこの記事を投稿しようと思ったんですが、まぁ初速のパッションも大事やろのスタンスで、フライング投稿です。なんでこれMV見る前に書いてるので、MV見て絶妙に矛盾があったらサイレント修正版を投稿してるかもしれません。
※パッション大事やろ派なので、この記事を書き換えたり消すことはありません。
あ、毎度のことながら考察はガチ勢ではなく、妄想考察な感じなのでその辺は悪しからず。
また今回は、歌詞の一語一語全ての細かい解釈をしていません。
あくまでマザードラッグの歌詞を元に、ヒメヒナ世界やその時代背景、一部の歌詞を引用ししてふわっと考察になります。
それでも良きかたは、続きをどうぞ。



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☆人間の定義

今回のマザードラッグを摂取するために、人間について定義しておきます。
全開のnoteでもちょっと触れていますが、改めて紹介。
この世界には「人間」が何種類も存在すると思っています。大きく分けると

※ヒトガタは「神の複製品」と言ってる辺り、多分一般の人間区分とは別の特別な物。存在としては、ロボットと琥珀の身体の間ぐらいの存在? ただ今回は、ヒトガタは一旦保留してます。

こうなってると、私は考えています。
その中で、今回のマザードラッグは「生殖活動による生みの喜びを得られなくなった者達」へ向けて開発されているので、もう生身ベースの人間の話ではないかなと思います。
更にマザードラッグは「あらゆる創造」に目をつけている辺り、電子ベース人間に対してか、あるいはその直前ぐらいに蔓延している物だろうと思いました。
生殖活動による「生命の誕生」ではなく、ある程度の時期から「人工的に作成された命」が人間とされており、それらを作り出す人間が神の領域に近づいた、と考えられていると思います。そこから「作り出すこと」そのものに価値が置かれ、幸せもそこを拠点とするようになると、確かにまぁマザードラッグみたいな薬は作られるかもしれません。

☆マザードラッグについて

これはそのまんま
「生みの苦しみがもたらす歓喜を呼び起こす母なる薬/精神性幸福薬」なのでしょう。
そしてこの薬を求める人間が集まって、宗教組織MOTHERSができちゃったみたいな。
どうしてそんな薬作っちゃったか?
それは人間が「人間を作れるようになった」からかなと解釈しています。
勿論、「人間を作る」と言っても、ヒメヒナ世界では「生身の人間を錬金術した」というわけではなく、ロボットや有機ベースを経て「新しい人間を作った」という意味だと思います。

要するにバチャライ銃と一緒で、創造が強い価値を持っている時にばっちしな薬が開発されちゃった&「創造において」はLSDみたいに見事なハマり具合になった&流行ったという流れなのかな。
ところで、バチャライ銃もそうだったけど
「『本来、時間や痛みを経て手にするもの』が、道具によって安易に手に入るようになる」というのは、ヒメヒナ世界の歴史で大事なところかもしれません。
「生みの苦しみ」を経て生まれる「命」。
でもそれは「マザードラッグ」で快楽は得られ、命は作られる。
「様々な経験」を経て生まれる「成長」。
でもそれは「バチャライ銃」を買うことで、新しい自分を作ることができる。
結構、この価値観と歴史は、ヒメヒナ世界で大事かもしれないと感じています。

☆「M」とかアダムとかマダムについて

実は以前、ツイッターの方で私、こんなこと言ってたんですよ。

どんぴしゃで「M」が来ましたね。マザードラッグのGohgo note見た瞬間に、鳥肌立ちました。俺の考察が当たっとるやんと。やったね。
まぁ、「M」及びマザードラッグの意味については、Gohgo noteが全てだと思います。そこから発展して私の考察と繋げると、「アダムがM(マザードラッグ)を手に入れて、マダムになった」と考えられると思います。
じゃぁ、アダムってなんなのか。
これは原罪を背負っている原初の人間を指していると思います。
旧約聖書でのアダムで言えば、最初の人類です。イブ(エヴァ)はアダムの肋骨から作られた存在(二人目の存在)なので、アダムはまさに「神をかたどって作られた、最初の人間」と言えるでしょう。
ここからヒメヒナ世界における人間の進化(生身の人間→ロボット→琥珀の身体→電子ベース)と照らし合わせると、アダムが生身の人間の比喩なのかな? と感じました。
勿論、アダムが固有の人物を指している可能性もありますが、現時点での考察的に「特定の集団を指している」と思うんですよね……。
また同時に、アダムは原罪を背負う存在でもあります。
ではヒメヒナ世界におけるアダム(生身の人間)が持つ「原罪」とは何か?
これは「神になろうとした」なのかな、と思っています。
聖書の世界でも原罪の全てに共通しているのは、「神になろうとした」という点です。
ヒメヒナ世界における「神」の定義が「創造主」という意味を持つのであれば、「電脳世界を作る」「生みの苦しみを知る」というのは、文字通り「神になる」と言えるのではないかと思います。
これまで人間という肉体を作るには、生物学上の仕組みが必要であり、それら生物を作ったのは文字通りの本物の「神」だったことでしょう。しかし新たな「人間」を人間が作った時、文字通り科学者は「神様気取り」となったと思います。
ただ神の領域に近づきすぎた人間がどうなるか。それは大体の神話にもあるように、人間は本物の神から天罰を受けるか、勝手に滅びるかです。
だからこそのヒバリの歌詞
「神様気取りのマダムたちが、世界をAIして壊しました」
→「人間を作る」という神の領域に手を出した、Mを摂取したアダム(生身の人間)が、世界の電子化を推し進めた結果が、世界滅亡に至った。
ということなのかな、と感じました。

☆余談::琥珀の身体に出る「アダム」

アダムが生身の人間を指しているなら、やっぱり電子化とか複製(琥珀の身体の研究)に反対派もいたんだろうなーと思っています。
生身の人間であることに拘った人がいたんじゃないかな? その人らの哲学として、永遠を尊ばない、複製の無意味さ考える、とかあったんじゃないかな?
琥珀の身体 in藍の華 豊洲PITでの文言はこの辺かかってきそうな気がします。

☆マザードラッグが乱用される世界の情勢、価値観

wwwなどの電子ベースの人間に至るまでの世界背景、及び電子ベースの特性として、誰しもが「主役になりたい」「自分の思う通りに生きたい」が強かったのかなと感じます。
wwwの曲の中でも、あの世界に転生することにより、好きな自分になれる(出生も本籍もない=自分の過去に縛られない)という意味合いを感じます。またバチャライ銃も「増殖する夢の形」という言葉がGhogo notesに出て来てるし、そもそもバチャライ銃の効能自体が「なりたい自分になれる」みたいな感じですしね。
それらの思想が蔓延するに至った理由というのは、やっぱり疫病や戦争にあるのかなと思います。個人がコントロールすることが難しい事柄により、人々の「自己」が制限された。その結果の反動として、「自分が、自分の思う通りになりたい」となったのかなと。
これはマザードラッグの歌詞にも感じます。
「子供の頃行った夢の国は  大人達が馬鹿みたいな着包身を被って 気狂衣してたよな」
「ボクもそうなると誓った」
これはある種の逃避願望なのかな、と。
「夢の国」という理想郷で、自分の本性を隠し、傍から見れば正気とは思えない振る舞いをしている。でもそれは理想郷の中では何も問題がなく、なんならその中ではそれが「普通」なわけです。
疫病や戦争という、個人ではどうしようもない現実。
「絡繰り御伽草子 まるで意図の無い操り童子」という言葉も、「世界の流れに振り回される個人」の意味かな、と感じます。
ただしその中でも、きっと多くの人がいるのでしょう。
電子ベースを求めて、幻人に転生する人。
理想の自分を求めてバチャライ銃に手を出す人。
そして、「神になる(創造主になる)」思想を持ち、マザードラッグに手を出す人。
時代が求めた薬なんだろうな……。マザードラッグ。

☆まとめ

大分長く書いてきたので、ここらで書いた内容を要約します。
・ヒメヒナ世界には「人間」が何種類かある。
・人間は「人間」を作れるようになった。
・人間を作るという「神の領域」に人間が干渉できるようになったことで、「作ること」に対する、社会的な価値が上がった。
・ヒメヒナ世界では「神」は「創造する者(=キリスト教的考え)」とされている。
・「人間」の中でも、生身の人間(原人)は「アダム」と称される。
・ADAMがマザードラッグ(M)を摂取し、MADAMになった。
・マザードラッグを摂取している人間は、MOTHERSという宗教組織作っている。
・そもそもマザードラッグ流行っているのは、戦争とか疫病みたいな、個人がどうしようもないことが原因で社会情勢が暗くなっているから。

みたいな感じでしょうか。
マザードラッグは曲調も凄く好みだし、内容も凄く気になる感じなので、またそのうち書いているかもしれません。
あとヒトガタもめっちゃ放置してるし、今回ちょこっと触れたアダムとかマダムを掘り下げるなら「アダムとマダム」や「ヒバリ」も掘り下げねば……。
まぁ、今回はこの辺で。

また次の考察でお会いしましょう。

若竹和輝

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