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3.16 地震

※地震の記事です。苦手な方は読むのをお控えください。

16日深夜、目が覚めた。
いつも四時半にアラームをセットして、その前に目が覚めるので、(もう朝かな…)と思ったその瞬間ぐらぐらと揺れ始めた。

いつもより揺れが大きいので、とりあえず横に寝ている王子の頭に布団をかぶせた。
揺れはどんどん激しくなり、「地震です」というアラートが鳴る。

揺れは長く、(これは大きいな)と思った。しばらく揺れたあと一瞬、揺れがおさまったように感じた。その直後に再び揺れ始めた。激しい揺れと繰り返されるアラート。さすがの王子も目を覚まし「地震?」と言って一度布団から頭だけ出し、周りの様子を伺うが再び布団に隠れる。

大地震といえば「立っていられない程の揺れ」と、揺れが強調されがちだが轟音(+騒音)も凄い。この音が恐怖を増幅させる。ゴゴォーッという地鳴りと家の軋む音、家具が倒れ、棚から物が落下し、食器が割れる。ガタガタガタガタ、バリバリ、ガチャンガシャン、ギシギシ、ミシミシ…。その音は人の叫び声などかき消してしまうほどの凄まじい。

そして揺れが収まってくると、微かにカチャカチャと物同士がぶつかり合う音に変わる。

揺れがおさまったようので、被害の状況を確認するために家の中を見回る。この時スリッパを履くのを忘れてはならない(ケガしちゃうからね)。

まずは家族の無事を確認するために、各部屋を回る。棚から落ちた物が散乱していたがみんな無事だった。旦那の仕事スペースは、落ちた書類やファイルなどで埋め尽くされ、歩く隙間もないほどだ。

子供部屋に行ってみると、寝ている電王(長男)の布団の横にアナログゲーム用の大きなブラウン管テレビが落ちている。

電王の机の上のパソコンの上には教科書や本棚の本が散乱している。

ここで気付いたことが一つある。東日本大震災のときに電王の机は東の方向に1メートルほど動いていた。しかし、同じ震度にも関わらず今回は全然動いていない。

一方、王子の机は結合部分が外れ、大きく傾き、南の方向に若干動いている。もし前回のことを踏まえて、電王が自分の机ではなく王子の机に頭を隠していたら大変なことになっていただろう。身を守るつもりが大怪我をしていたかもしれない。いつも震度や規模が同じでも、同じ揺れ方とは限らないのだ。

斜めになった王子の机。棚と一体になるタイプの学習机は棚との結合部分が外れ、大きく傾いている。

ここで、初めて震度を知る。
ミソ画伯「震度6強らしいよ」(←うちは震度6弱)

私「震災の時みたいだったよね」

ミソ画伯の机にはカービィが!

おもちゃと学用品が散乱している…。元々散らかってはいたが、更に散らかった。

旦那は一人、「何の試練なんだ…」と言いながら黙々と書類を片付けている。確かに今年に入ってから、彼は試練続きだ。この間はぎっくり腰で一週間ほど寝込んでいた。

ミソ画伯(次男)と電王はスマホで写真を撮ったりして、友達と連絡を取り合っているようだった。

王子はというと、一回起きて机が崩壊しているところを確認すると、すぐに「オレ寝る」と言い寝室に戻り一人で寝ている。怖くはないのだろうか…。

リビングの入り口付近に棚から落ちたグラスの破片が散乱していた。強化ガラス製のグラスが粉々に割れている。実はこれも危ない。バラバラに細かく割れているから、尖っているガラスの破片より安全に見えるが、素手で触れようものなら切れる。というか、切れた😭🩸
いくつか他のグラスも倒れていたが、割れたのは二つだった。

キッチンに行くと、私がすのこを使って作製した棚が壊れ、収納していたラップやキッチンペーパーが床に散乱していた。吊り戸棚からは、やかんが飛び出し、床に落ちて転がっている。劣化していたということもあり、取っ手が粉々に割れていた。二十数年前に引っ越し祝いでいただいたものだったのでショックを受けた(Mちゃん、ごめんね)。

その間にも津波や避難に関する警報音が何度も繰り返し鳴り、外からはサイレンも聞こえていた。

小一時間ほどガラスや床を片付けたあと、冷蔵庫を開けると、何かが飛び出してきた。パックに入っていた豚ひき肉だった。柔らかいものだから良かったものの、もしガラス製の保存容器に入ったカレーだったりしたらどうだろう。頭や足の上に落ちたら大怪我をするし、落ちた「ガラスの破片入りカレー」を片付けなければならなくなる。ここで仕事が増えるといつもの10倍くらい疲れる。

中身の見えない戸棚や冷蔵庫は、見えるところを片付けてから開けることが多く、つい油断しがちなので注意が必要なのだ。大きな揺れのあとは扉を開けたら物が落ちてくると思っていた方がいい。

それにしても、何から手を付けたら良いのかわからない。寒いし。

「どうせ明日は学校休みだし、電気も勿体ないから寝よう」
という私の意見に子供たちも賛同し、寝ることになった。

外から聞こえるサイレンと余震で、なかなか寝付けない私の横ですやすやと眠る王子。肝が据わっているというのはこういうことを言うのだろうか。

東日本大震災のとき、私のお腹にいた王子は震災の一ヶ月後に生まれた。4月7日の大きな余震(震度6弱)が引き金となり、その一週間後に産声を上げた。

考えてみたら王子が生まれてから、11年の間に震度5以上の地震は何度もあった。王子にとって地震は日常的に、ごく当たり前に起こることの一つになっているのだと思う。ちなみに王子と私の寝ている寝室は被害も少なく(物も少なく)我が家で一番安全な場所であり、玄関にも近いのでいざとなればすぐに逃げられる。無意識のレベルで安全を確保できていると言える。

今年に入ってnoteでパパ防災士牛尾崇彦さんの記事を拝読し、心肺蘇生法を学ばせていただいた。

今まで、何度か講習会に参加したことはあったが、ここまで詳しく学んだのは初めてだ。こちらの記事では、心肺蘇生法について我々が疑問に思っていることに対し、牛尾さんが初心者にもわかりやすく丁寧に解説してくださっている。他にもやり方を説明しているパンフレットや動画などたくさん出回っている。しかし牛尾さんの記事は、一般人にありがちな戸惑いや躊躇してしまう気持ちをババッと払いのけ、「勇気を出して行け!」と背中を押してくれるのだ。

それぞれの記事にPDFが貼られているので、私は全部プリントアウトして専用のファイルに入れ、たまに読み返すようにしている。

(牛尾さんは、子どもにまつわる防災&応急手当に関する記事をメインに書いておられます)

牛尾さんの活動のコンセプトは「防災 → 大災害・事故・病気に備える」だと記事の中で仰っているのだが、私もその通りだと思う。
私のように「普通の主婦です」と毎日平凡に暮らしていても、生きていたら何が起こるかわからない。地震などの災害、事故や病気など命に関わることが突然降りかかってくる。
「心肺蘇生法」は家族や、周りの人たちの命を守るためにも頭にいれておきたい。

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被災された皆様へ
午前中から雨や雪が降っているところが多く、土砂崩れなどの二次災害も心配です。余震も続いております。どうぞお気をつけて、そしてできるだけ暖かくしてお過ごしください。
これ以上被害が拡大しないことをお祈りしております。
私自身も気をつけて過ごしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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