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「負けてもいい」の精神で立ち続けることを一度止められた話

本日の音楽: BRAHMAN - AFTER-SENSATION

 BRAHMANは18年ずっと好きなパンクバンドである。「強くありたい」というメッセージは歌詞だけでなく、彼らのステージや様々な活動、そして生き様を通じて発信され続けている。とおれは思っている。

20年以上の活動で象徴的なシーンは本当に沢山ある。

 特に心の支えになってるのが2013年6月、幕張メッセでのライブ。なんと1時間以上ほぼノンストップ(!)でボロボロになりながら演奏。ボーカルのトシロウの姿は、人間から汗ってこんなに出るのかというほど尋常ではなく、仰向けにステージに倒れ込む様はノックアウトされたボクサーと完全に一致。ああさすがにもうラストか…と感慨に耽ろうとする約6000人の汗まみれたち。
 しかしここで「どう見てもライフゲージゼロ」のトシロウがやっと片膝をついてマイクを取り、眼の奥に黒い炎を燃え上がらせながら

「今日は勝ったか負けたのか分かんねえ。
 けど、100回負けても101回立ち上がるのが俺たち。
 ブラフマン始めます!」

 なんと正真正銘のラスト1曲を演奏し始めたのだ。そこからの3分は、会場中の魂が呼応し一体になっているとしか形容しようのない特別な時間だった。

・・そうか。

負けてもいいんだ。
そのあと、立ち上がれるかが大切なんだ。
立ち上がれなくなってしまわないように、
自分と向き合うことを忘れないでいよう。


 BRAHMANからの「負けてもいい」というメッセージは素直に響き、心の糧にして過ごしてきた。しかし訪れた「メンタルの限界、の限界」。向き合うことも、少しずつ騙し騙しになってしまっていたようだ。

でも、まだ間に合った。
立てないところで立つ必要はないと気づけた。
立つのを止めることは勇気が必要っていうのも知ることができた。
再び立ち上がれると思える自分もちゃんといることが分かった。

 いまは自分自身に「数日前のあのときの自分、どうだった?」と耳を傾ける時間が持てている。そんな風にして、101回目に立ち上がるための時間を過ごしている。

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