新学年「君の名は。」
私が教員やっていたのは昔なので、
事務処理は、帳票を書く、集める、書き写す、計算する、で、
何でシステム化せんの?
と、思っていた。現在はシステム化されているらしい。
もう一つ、疑問に思っていたことは、
なぜ、縦の物を横にもしない?
それは、データがあって、活用すれば格段に便利になるのに、
使われていないのはなんでだろう、と、言うことだった。
具体的に言う。
入試の時点で、入学願書には「ふりがな」があり、「出身中学」があり、
それは、データとして入試システムに入力されている。
その中の合格者がクラス分けされて、
各種帳票に印刷されて、当時は氏名判子にもなっていたんだが、
それはさておいて。
「一学年の担任だけは、絶対やりたくない」
と、いう希望の教員が、
校長命令です、と、一学年の担任に任命された。
「私は!新一年と同じ学年の娘がいるんです!
娘は他校に進学しましたが!
娘の同級生の担任をするのは、不都合だと思いませんか?」
公にはそれしか言わなかったけれど、それだけでも充分だと思うけれど、
本当の事情は校長も聞いていたはずなんだけれど、
本校に進学する予定の生徒は、中学校で、
その教員の娘に嫌がらせをしていたグループである、と。
普通、一学年の担任からは外すわ。
えーと。
入試システムのデータは、表計算ソフトに簡単にコピペできて、
それは禁止事項でもなんでもないんだが。
と、思ったので、クラス分け資料に「出身中学」を入れた。
入試、って、ダレがドコを志望しているかなんて中学で公表しているわけじゃないから、
「いじめの加害者と被害者が本校に入学するから、クラスは別にしてください」
なんてことが発生することもある。合格した後、中学から申し送りされる。
その配慮は、今までアナログだったので、漏れもあり得る。
同じ中学出身者が固まったり、逆に孤立したり、
資料に出身中学があれば、一目瞭然で、
件の教員のクラスに、該当の生徒を入れない、なんてのも簡単なので。
クラスと担任が決まった。
学校は、今でも「出席簿」って使ってるんじゃないかな、
あれって、「クラス票」を印刷会社に頼んで、
担任が台紙に糊で貼る、とてもアナログなものなんだが。
ところで、私は、教員としてとても都合が悪いことに、
人の顔と名前を記憶するのが苦手だ。
そして、自分自身が、読み間違いやすい名前である。
春は、名前の読み方の訂正で始まる。毎年毎年だ。
えーと。
入試システムには「ふりがな」がデータとしてあるのに、
なぜ、使われていないのかな?
表計算ソフトに、クラス別に氏名をコピペ、
ふりがなもコピペ、
出席簿の罫線に合わせて印刷し、
全クラスに配る。
それを貼れば、誰にでも氏名の読み方は一目瞭然。
自分のクラスは、最初の席順なんて氏名順なんだから、
座席表にふりがなをつけておいた。
これだって単純作業だ。
こちとら努力して顔と名前を覚えなきゃいけないのに、
読み方がわからないなんて不便でしょうがない。
結果として。
難読氏名の生徒が、
「君の名は。」
と、全く聞かれない春、となった。アレ、地味に嫌。
今は、どうなんだろうな?
多分、出席簿や席順表作りはシステム化されていないだろうけど、
ふりがなデータは活用されているんだろうか。
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