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GORE-TEX COVERS MY SOUL

最近速い系、所謂technoにハマって聴き漁っている。

昔から聞いてはいたが、歌詞のある曲を調べて、考察して想い馳せては涙することが好きな自分が(これ引かれるよな…)歌詞のないものに再燃するとは思いもしなかった。

ゲームやサブカルが好きであったため、特にBGM系や当時のアニメに影響されたものばかり聴いている。最近は海外の方が日本の著作権を無視してサンプリングしまくっているので、ワクワクするような作品が多い。

そんな時あるアルバムに出会った。

BLksmith『DIGITAL TWIN®︎』

USA NY出身のBLksmithによる作品。
アルバム自体は最高に好み。
ブラックコメディからサンプリングしたり、JAZZYな曲から攻撃的な物まで、かなりノリ易いという感想。


BLksmithの曲はとても静寂を大切にしている印象を感じる。

このアルバムのサブタイトルに記されている、
『ゴアテックスは私の魂を覆っている』
訳のわからない日本語の羅列に目を奪われた。

まず、意味がわからない。
なんとなく好きな文体なのか、たまーに見るダサいTシャツの延長線なんだろうと思った。

日本の観光地でもこういうパロディTシャツが
よく売っていた。Qooとかなっちゃんとか。
とんでもなくテロッテロで最悪の着心地。
デザインの廃退だけど、こういうダサいを無くさない文化個人的には良いと思う。


最初はよくわからんから無視してたけど、何度も聴くうちに違和感のある文章は些か気になった。

そこで歌詞を調べては想いを馳せるという行動が自然と働いたのか、調べてみると意外な邂逅を得た。

以下、自分調べのデータと解釈。

ゴアテックスは蛍石が原料でその石は透明、緑、紫〜黒色をしている。砕くと正八面体に割れ、加熱するとその名の通り発光するが、直後に砕け散ってしまうらしい。薬品などで溶かして加工するとフッ素系樹脂になり、PTFEというものになるらしく、1979年に創業者の息子、ボブ・ゴアが発明したという。その3年後、PTFEを薄く引き伸ばしてゴアテックスを発明、e(エクステンパッド)を付けて、ePTFEと名付けた。なんと人工血管やギター弦(エリクサー)、今や当たり前のテフロン加工フライパンの素、高機能ウェアだけじゃなくて意外と身近な物にまであるのには驚いた。

特徴は防水透湿。一切水分を通さないビニールよりも機能性があるもの、しかも洗濯した方が長持ちする(汚れが繊維に詰まる方が機能低下する)。
不必要な水分は受け付けず、必要のあるもののみ透す。水を遮断するものと思っていたが、意外にもフィルターのような役割も持つ。

GORE-TEXの原料となる蛍石

また、石には石言葉というものがあり、蛍石には『創造性』『可能性を与える』などといった意味があるらしい。輝いた後に砕けてしまうのが何とも儚い。

これらの意味を知って、BLksmithは何を伝えたかったのか思い馳せてみた。
↓↓↓↓↓

生きてゆく上で人との繋がりは、必要不可欠で不完全な私は留まろうとし、他者も迎合を試る。
だが、個を保とうとすると強い迷いを生み、容易に傷付ける。容赦無く土足で上がり込む、汚い靴でズカズカと。時に熱を帯びたような感情を向け、傷付ける。

『汚いんでここから出て行ってください。』その言葉を発することさえ個は揺らぐ。『喉が渇いたら勝手に求めに行きます、だから放っておいてください。』また砕けた音がする。

何個も輝きを失った石が足元に落ちている。
もう見逃さずにいたいものだ。
輝くなら、此処からなくなるのであれば最期まで見届けたい気持ちが生まれるのは自然か。
熱くなり破裂した時、輝きに可能性を残すことがわかったから。

砕けて輝いた蛍石は、
ゴアテックスは、きっと私の魂を覆っている。

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勝手だけどここまで考察して
"no meaning!"
なんて言われたら辛いので、
BLksmithのことを調べてみた。
けど英語過ぎてなんのこっちゃわからなかったし、インタビュー記事が出なかった。
言語の壁により心を知ることが出来ず、情け無くも知りたいと思う気持ちと諦め、ここまで考えた自分が勝手に砕いた石があった。

ただ音楽は、言葉は、海を越えて、意味を宿していたと信じている。
余りにも変な日本語で、歌詞というツールに頼らず何かを伝えようとしたのかも知れない、そういう輝きを放っていたと思い込む。



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