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べこもち

なぜだか好きなので・・・

 「べこもち」があると、心がウキウキすると言ったら言い過ぎなのですが、好きです「べこもち」。
 保護者との何気ない会話の中で「何がお好きですか?」と問われて、「べこもちが好きなんですよね。」と答えてしまった学校に勤務していた時には、家庭訪問にお邪魔すると決まって「べこもち」が用意されていたのを思い出します。
 家庭訪問では、お出しいただいた飲み物を含めて基本的には口にしないようになったのは、「べこもち」の一件があってからです。せっかく用意していただいた物は、「◯◯さんと食べてください。」等と応えていました。

 僕の大好きな「べこもち」は、上新粉、砂糖、黒砂糖 等を材料に、白色と、黒色それぞれの生地をまだらに混ぜ、木の葉型に整える和菓子です。 
 北海道から東北地方の一部限定のお菓子だのようです。5月の端午の節句に食べる祝い菓子だとする説もありますが、1年中販売されています。
 「べこもち」と呼ばれるには、下記のような様々な説があります。
 
・白黒まだらの牛(べこ)のように見えるため。
・牛が伏せた姿に見えるため。
・鼈甲(べっこう)のようにまだら模様に見えるため。
・「米粉餅」(べこもち)のこと。
・「舌餅」(べろもち)が転訛したもの。
 
また、違う呼び方をすることもあるようです。
・「かたこもち」
・「かたもち」
・「くじらもち」
 
 形や色も様々な「べこもち」が販売されています。北海道文教大学の調べでは、木の葉型(71.8%)、木の葉以外の形(28.2%)、木の葉型の木型での整形(63.5%)、手での整形(36.5%)、黒一色(31.0%)、黒と白のまだら(64.3%)、その他の色使い(4.7%)だということです。
 また、色々な模様を中に作って、それを切り分けるという製法の物もありますし、餡(あん)を包んだ「べこもち」もあります。

模様を作ったべこもち
餡をつつんだべこもち

べこもちの材料と作り方
 
[材料](木型約16個分)

 白い生地
 上しん粉 ……100g、砂糖……60g、水……70cc
黒い生地
 上しん粉 ……100g、黒砂糖……70g、水……60cc
 白玉粉……80g  水……80cc かたくり粉 ササの葉

  1. 白と黒の生地を別々につくる。鍋に水と砂糖を入れて火にかけ、溶けたら上しん粉と合わせ、よく混ぜる。

  2. 湯気のあがった蒸し器に、生地を小さくちぎって入れ、10分ほど強火で蒸す。

  3. 蒸した生地を布巾に包んで水にさらし、固さをみながら水気をしぼる。(しぼりすぎると固くて成形しにくく、あまりしぼらないと水っぽくて扱いにくいので丁度よく。

  4. 白玉粉に水を加え、耳たぶくらいの固さに調節しながらよく混ぜる。

  5. ボールに白黒それぞれの生地を入れ、(4)の白玉粉を半分ずつ加えてよく練る。

  6. それぞれの生地を、直径3センチくらいの棒状にのばし、2本合わせて手綱状による。

  7. 16等分に切り分け、かたくり粉をふった木型に入れ、成形する。

  8. ひとつずつササの葉にのせ、湯気の上がった蒸し器に入れ、10分ほど蒸して完成。

               writer Hiraide Hisashi

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