格ゲー中の二人
「ひとりひとりのキャラに『必殺技』があって、特定のコマンドを入力すればそれに対応した『必殺技』が発動します」
「そうなの?『必殺技』は律儀だねぇ」
「コマンドの入力を機械が認めれば結果として『必殺技』は発動しますから…律儀というのもどうかと」
「君も律儀なやつだな。気分屋さんの機械とか、いてもいいように思うんだけど」
「それじゃ機械じゃないですよ。そんな機械がATMとかだったら、困るじゃないですか」
「君が得をするかもしれないよ。でもって、君の後ろに並んでいた誰かが損をする」
「うわあぁ、後ろの人に申し訳ない…」
「人を贔屓する機械とか…差別する機械とか…こうなんか、罵ってくる機械とか…『このブタ野郎!』ってね」
「それ、別の意味で喜ぶ人いますよ。見た目を美女とかにしたら売れるんじゃないですか?」
「ああ、買うかもねぇ…僕が」
「そういう趣味あるんですか?」
「気分屋の機械だったらぜひ欲しいね。美女じゃなくても」
「そこですか。美女でも美女じゃなくても、私は買いませんけど」
「君みたいな機械は、機械としては好かれるだろうね。銀行あたりがATMとして使ってくれるかもしれないよ」
「あの、『人権』って知ってます?」
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