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【見てきた】女子ゴルフトーナメント観戦記-もっと楽しいイベントにして欲しい【やり方はある】


こんにちは。
1ヶ月ほど前になりますが、4月10日の日曜日、埼玉県鳩山町にある石坂ゴルフ倶楽部で開催された、富士フイルム・スタジオアリス女子オープンの最終日を観戦してきました。
試合の結果は上田桃子選手が自身17度目のツアー優勝を飾り、ベテランの意地を見せた形です。
このツアー観戦についてはブログの方でレポートを書こうと思っていたのですが、観戦後の率直な感想として一言では表せないほど様々な思いが浮かんできてしまい、しばらくはブログを書くこと自体がスランプになる程でした。
その思いとはつまりは「ゴルフツアーの観戦が思ったより楽しくない」ということです。
いやいや、短すぎる言葉で済ませてしまうと誤解も生じてしまいますが、なんというか…「もっとギャラリーを楽しませる努力をすれば、もっとたくさんの人を呼べるだろうしゴルフツアーそのものの魅力をもっと豊かに表現できるだろうになあ、惜しいなあ」そんな思いです。
そこで今日は、ゴルフのトーナメントをより楽しむためのコツや、実際に観戦して得られた感想を書いてみたいと思います。

まずは基本的な情報から


アクセス


今大会のチケットは4000円。公式サイトからチケット販売サイトへ移動してネットで購入。電子チケットで発行されました。友人は小学生の長男を連れて行きましたが小中学生は無料とのこと。

そして、まずは会場へのアクセスです。会場へは公共交通機関の利用が呼びかけられていますが、もちろん駐車場も用意されています。私は電車で会場へ向かい、最寄駅から専用バスで移動しました。付近で渋滞などが発生している様子はなく、クルマで行ってもよかったかも…と感じました。
このバスですが、早いスタート時間に合わせて会場に到着したギャラリーは感染対策のための体温の計測に手間取ってかなり並んだようです。私は割とゆっくりの時間だったのでそれほど待たされることはありませんでした。

スケジュール


最終日のスタート時間は思ったよりも早く、一番早い組のスタートは7:00。最終組のスタートは8:50 分でした。前週はもうちょっと遅かったと思ったので、当日になって慌てることになってしまいました。

持ち物


自分なりに必要なものを考えていたんですが、うっかりもあったし、実際に観戦してみてあればよかったと気がついたものもありました。

例えば距離計。選手に付いて移動するとき、セカンド地点からグリーンまでの距離が分かると便利です。GPS タイプが良さそうですが、レーザー距離計を双眼鏡替わりに使うというのもありですね。マップ上の任意の点からグリーンまでの距離が分かるものがベストだと思います。

パラソル まだ4月だと思って油断していましたがこの日は夏日。ギャラリーには十分な日陰がないので結構しんどいです。ただし、周りの人に注意しないと他のギャラリーの観戦の邪魔になってしまうことがあるので要注意。
椅子 プラスチック製の折りたたみの腰掛けを持参しましたが、できれば少し大きめの方が足腰は楽だと思います。

帽子 私はうっかり持って行くのを忘れてしまいましたが、万が一の事故もありうるのでキャップを被るのがベターです。ちなみに、ギャラリーへのサービスとして(あるいは安全対策とも言えますが)入場ゲートで大会ロゴのついたキャップを配布していました。普段被ろうとは思いません。

双眼鏡 オペラグラスのようなものの貸し出しもあるようでしたが、やはりあった方がいいですね。グリーン周りで観戦しつつ、遠くにいる選手の表情やセカンドショットも十分に見るためには必須です。

食事とおやつ ギャラリー用の食事はギャラリープラザにキッチンカーが出店しています。ですが今回ギャラリー用に準備されたキッチンカーは正直イマイチでした。
最近イベントなどにはつきもので見た目としては賑やかなんですけどエサ感は否めません。自分の好きなお弁当を用意するのが良いでしょう。また、小腹が空いたら口に運べるちょっとした軽食やドリンクも用意しておくと良いと思います。

注意事項


コロナ感染という大問題を抱えてのトーナメント開催です。ギャラリーも観戦マナーなどには十分に気をつけましょう。

移動はティーグラウンド→グリーン方向へ。 基本的にどのホールも選手の動きに沿ってギャラリーが移動します。通路を逆行すると接触の機会も増えるので注意しましょう。

選手への呼びかけは控え目に ナイスプレーにはスマートな声援を心がけましょう。ホール間の移動のタイミングやスタート前の練習場など、選手との距離感が近い時はつい前のめりになりがちですが、コロナへの配慮もあり選手への接触、サイン、プレゼントの受け渡しなどは控えましょう。

履き物に注意 ギャラリーの移動経路は傾斜やラフなど整地されていない場所も多いので、ハイヒールなどは避けましょう。

写真 スマホなど、気軽に撮影できる現代ですが、コース内での写真撮影は禁止です。

その他ソーシャルディスタンスを保つことなど基本的な感染対策が呼びかけられています。

1日の流れその1、コース図を検討する


会場に到着すると入り口で当日の組み合わせと、コース図などが書かれたレジュメが配られます。そのコース図から、観て面白そうで、移動がしやすそうで、そして自分の目当ての選手のプレーが見られそうなタイミングのホールを検討します。
私が到着した時間ではどうやら16番ホールあたりにインコーストップスタートの吉田優利選手の組が来ていそうです。16番は池越えのショート、そこから17番は打ち下ろし⇨打ち上げのロング、18番下りのミドルへと続き、移動も便利なようです。

クラブハウスから右手の坂を少し下りると16番のグリーンが見えてきました。ピンは右奥の傾斜がきついところに切られているようです。グリーン上に選手が3人。黒いウェアが吉田選手でした。

今回実際に選手のプレーを見て感じたのは、どの選手もプレー中の所作や姿勢がカッコいいということです。
スポーツ選手なのでもっと大きくてガッチリした体格なのかと想像していましたが、みんな街で見かける普通の女性とそれほど変わりないように思えます。
違うのは目線の動きや自分がその時にどこに立つべきか、など、状況をどんどん先読みして自分から状況の変化を掴みに行こうとしている、空気を自分が仕切るという意志の現れ方です。

ホールアウトしてからの17番への移動を見ていて、この時が一番選手との距離が近くなることに気がつきました。

17番ホール。まずはセカンド地点へ先回りして、手元の距離計でグリーンまでの距離を読んでみたりしつつ、さらに進んで18番への移動経路を予測してグリーン左奥まで回り込みます。

ここでは、吉田優利選手がバーディー、そして次の組の森田遥選手がバンカーからイーグル。セカンド地点から登っているのでピンの手前のグリーン面は見えていないはずですが、奥に向かって下り。ピンは左奥のギリギリに切られています。

私の友人は次の組の堀琴音選手を追いかけていました。彼らをスルーさせて私はさらに次の組の柏原明日架選手に付いて18番へ進みます。

18番のティーは真後ろからも選手の正面からも間近でスイングを見ることができました。
プロのドライバーはインパクトの厚さ、押し込む感じが凄い。

18番は全体が下りのホールでグリーン手前の池の辺りがいくらか小高くなっているのでその辺りに腰掛けてセカンドショットからホールアウトまで見ることができました。ここで安田祐香選手、エイミーコガ選手を見て時刻は11時。
混雑する前に昼食を取ることにしました。

その2、もうちょっとなんとかならんかの昼食


上にも書きましたが、ギャラリープラザにはたくさんのキッチンカーが並び、イベント感を醸してはいますが大人の食事としてはどれもイマイチ。
カレーを買って用意されたテントに入りますが、結構混雑しているし、足元は良くないし、ちょっと残念。

その3、気温が上がる後半


ふたたび16番横まで戻り、後半。西村優菜選手の組につきました。西村選手も、同組の青木瀬玲奈選手も小柄でびっくり。にもかかわらずフェアウェイを歩くスピードは小走りみたいに結構な速さで、息が切れてきました。
前半と同じく17番の出口から18番のティーグラウンド、フェアウェイを横切ってグリーン横の池手前のラフに腰掛けを置いて観戦することにしました。
どうやら上位は前半で上田桃子選手がスコアを伸ばし、昨年賞金女王の稲見萌寧選手も上がってきているようです。
上位には西郷真央選手、勝みなみ選手など有名どころも揃っているので見応えもあります。ギャラリーも徐々に集まり始め、この日来ていた私のゴルフ友達2人と、その長男坊、奥さんも集まって観戦です。
お昼頃にはだんだん気温が上がってきました。ギャラリーは基本的にコース脇のカート道路を移動しますが、結構なアップダウンを歩き回った1日なので、ちょっとぐったりです。

残り3組ほどまで来ると試合の行方はほぼ決したように見え、混雑を警戒して友人たちは先に帰りました。私は上田桃子選手の優勝インタビューまで見届けて帰途につきました。

その4、帰るのが一苦労


多少人の流れが落ち着いてから帰ろうかと思ったのですが、しばらく見ていても人の流れはいつまでも途切れる気配がありません。コロナの影響でギャラリーの数も制限されているはずですが、人が同時に移動し始めるとそういうものなのでしょう。
諦めてギャラリープラザを抜け、バス乗り場への列に就きました。そこからジリジリと進むことおよそ30分。最終組がホールアウトしたのは2時前、表彰式を途中まで見て会場を離れたのが2時半ごろ、そしてバスに乗ったのは3時過ぎでした。あー、しんど。

人を楽しませる工夫が欲しい


さて、この投稿の本題はここからです。
私が言いたいのは、トーナメントの主催者(この大会ではスタジオアリス。つまり各大会のスポンサー企業)に対して、「もっとギャラリーを楽しませる工夫をして欲しい、するべき」ということ。
ゴルフそのものの楽しさ、市場の大きさ、そして今の女子ゴルフ選手とツアーの人気を考えれば、こんな美味しいコンテンツは他にないと思うのです。
それなのに、今回のツアー会場で、そのコンテンツをもっと楽しいものとして表現する努力がされていたか?と振り返るとまったく物足りなかったと言わざるを得ません。
長時間会場にとどまるギャラリーを迎えるホスピタリティーもイマイチ。そして何よりプロスポーツの現場にいながら選手、そしてそのゲームの流れとの一体感みたいなものもあまり感じられませんでした。

こんなところが不満です


話を整理するために、上にもいくつか書きましたが私が感じた不満な点を具体的にあげてみたいと思います。
1. 試合の流れが分かりにくい。
2. そもそも観戦しにくい。
3. イベントとして楽しめない。
問題点としてはこの3つです。

試合の流れが分かりにくい。


まず1つ目、現場にいるギャラリーが試合の状況を知る手段が少なすぎます。クラブハウス前の9番、18番ホールにはギャラリースタンドが設置されていて、順位を表示する電光掲示板もありますが、その他のホールを移動しながら観戦しているとその時誰が上位なのかを知る手段はほぼありません。
広大なゴルフコースをギャラリーそれぞれが自分の好きな選手を追いかけて移動するというゴルフ観戦の特殊性もあるとはいえ、試合の経過も気になるのは当然です。
その時、どの選手が上位にいるのか、そして自分が追いかけている選手は何位にいるのか、そういう基本的なリアルタイムの情報を知らせるボードなりモニターなりを移動するギャラリーが見やすい位置に置くことはできると思います。

天候などに配慮して設備として会場に置くことが難しいのであれば、一つのアイデアとして提案するとしたらこんなことが考えられるかと思います。今回チケットはインターネットを通した電子チケットでした。アカウントにはメールアドレスを登録しているはずなので、例えば当日のギャラリーだけがスマホでアクセスできる特設サイトを開設して、運営側と同じ情報をいつでも確認できるようにするとか、各組に付いているスタッフにGPSを持たせればどの選手がコース上のどこにいるのかもより分かりやすく伝えることができると思うのです。

そもそも観戦しにくい。


そして2つ目、数千人のギャラリーが集まって観戦するための工夫がもっとあっても良いと思うのです。
今回、後半は18番ホール脇のラフから観戦したことを書きましたが、試合が進んで終盤に差し掛かるとだんだん私の周りも人が混雑し始めました。なだらかな斜面の高いところに座ったのですが、中にはマナーを心得ない人もいて、どんどん他のギャラリーの視界を遮る位置に出ていって、立って観戦する人やパラソルを広げるグループなどもあり、言い合いをしているギャラリーのおじさんなども見られました。

運営側の目線があればコースのどの辺りにギャラリーが集まりやすいかという予測はあらかじめできるだろうと思うのです。コースのすべては無理だとしても混雑が予想されるエリアには係員を立たせてマナーを呼びかけるとか、ロープなどで列の目安を描いておくなどすれば多少は見る側も整理されるだろうし、余分な配慮も必要ないと思うのです。

他にも移動経路上に日除けになる場所を作るとか、ドリンクやスナックなどを販売するブースを設けるとか、簡単にできる工夫はいろいろあるはずです。

イベントとして楽しめない。


問題としてはここがもっとも大切でもあります。
ゴルフ観戦は休日の1日を使ってわざわざ郊外まで出かけ、日常とは離れた気持ちの良い広いゴルフ場で行われるイベントとして楽しめるポテンシャルはとても高いものがあると感じました。ですがそれを形にする努力が不足しています。

例えば、
会場ではギャラリープラザが設けられ、物販やイベントのブースもありましたが、正直言ってどれも貧弱です。ゴルフメーカーのブースはどこかのセールの残り物みたいなウェアがワゴンに並び、LPGA の物販コーナーもおざなりです。イベントは申し訳程度のパターゲームぐらいで、思わず「昭和か!」とツッコミたくなるお寒い内容でしかありませんでした。

イベントの華になるようなプロフェッショナルの存在も感じません。
以下は素人の考えではありますが私なりの提案です。

例えば、
上にも書きましたが、食のコーナーの充実はとても大切です。スーパーの駐車場で見かけるようなキッチンカーが何台並んだところでエサの羅列であることに変わりはないのです。
おそらくクラブハウスのレストランにはコースの名物と言われる料理もいくつかはあるのだろうし、腕のいい料理人もいるかもしれません。なぜそういうリソースを活かさないのでしょう。
地元の特産物を打ち出すとか、有名店に協力を仰いで開催地の地元感を表現すれば賛同する人は多いでしょう。農協などに協力を頼めば、自治体だって前向きになってくれるでしょう。イベントとしての盛り上がりも一味違ってくるはずです。

例えば、
ギャラリーを試合に巻き込むことでもっとリアルタイムのワクワク感を与えることができるはずです。スタートホールのティーグラウンドや最終ホールのグリーンでは、選手を紹介する放送がマイクで行われていますが、各ホールのティーグラウンドでも少しボリュームを抑え気味にしてもいろいろな情報を発信しても良いと思います。
選手の集中を妨げるという意見も出そうですが、屋外では案外音は拡散してしまうので前ホールのグリーンとよほど近い場合を除けば試してみる価値はあるでしょう。

例えば、
トーナメント期間中、コース内にはテレビ中継用のケーブル類が張り巡らされています。つまり、試合の情報はすべてのホールに行き届いているわけです。これを使わない手はないでしょう。時代はデジタル。そして受け取る手段はほぼ全員が持ち歩いています。映像には権利的な制約やもちろん技術的な難しさもあるでしょうが主催者、コース、LPGA、そしてテレビ局が揃って前を向いて仕事をすればできるはずです。
この日のコースセッティングは諸見里しのぶプロが監修されたとのこと、確かに見ていてもかなり厳しい位置にカップが切られていました。ですがその情報を発信したのは優勝インタビューでの上田桃子選手だけでした。なぜこんな大事な話題を当日観戦しているギャラリーに伝えないのでしょう。

さらにアイデアを膨らませれば、3日目のホールアウト後、黄昏時のコース内でちょっとしたイベントもできそうです。マスターズのパー3コンテストのようにゲーム的にゴルフを楽しんだり、もう少しショーアップしたイベントもいいかもしれません。例えば日が暮れ始めたグリーン上にアンジュレーションを矢印でわかるようにプロジェクションマッピングで照らします。そこに初日、二日目、最終日のピンの位置を表し、なぜその位置にカップが切られるのかについて、コース攻略を含めて解説します。そして実際に最終日のカップをギャラリーの見ている前で切って貰います。カップ切りの動作にも一つ一つ意味があり、注意しなければならないプロの仕事の配慮もたくさんあるでしょう。職人的な仕事の様式美が大好きな日本人のおじさん層には受けること間違いなしです。ナイター設備のあるコースなら可能性は広がります。
ドラコンイベントの同時開催も盛り上がります。プロゴルファーの技と力の凄さをわかりやすく、楽しく伝えることはアイデア次第で可能でしょう。

主催者にはコロナの状況下でのトーナメント開催の苦労はいかばかりかと思います。今回のトーナメントにケチをつけたいわけではありません。とにかく私が言いたいのは、生で観戦するギャラリーがもっと楽しめるゴルフトーナメントであって欲しいし、そうすることで選手たちがより良い環境でプレーできるようなプロゴルフ界であってほしいということです。

まとめ


男子ツアーでは丸山茂樹プロがトーナメントをイベントとして楽しめるものにしようと努力をされています。女子ツアーとは違ったシステムなので簡単には進まないのかもしれませんが、一人のゴルフファンとしてプロゴルフツアーがもっともっと盛り上がってくれれば良いなという願いを込めて、この投稿を締めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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