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知らなきゃ損!減価償却について完全解説

みなさんは「減価償却」について、どれくらいご存知でしょうか?「言葉は知っているけれど…」という方も多いかもしれませんね。
この記事では、減価償却とは何かということや処理の方法について、分かりやすくまとめています。
また、個人事業主や中小企業が使える特例についてもご紹介していますので、必ずチェックしておいてください。

【10秒で分かる記事のまとめ】

  • 減価償却とは、数年かけて固定資産の取得にかかった金額を計上していく処理のこと

  • 個人事業主が使える「少額減価償却資産の特例」があり、減価償却が必要な資産でも一括で経費として計上することもできる

  • 少額減価償却資産の特例は節税にもつながる


減価償却に関する基礎知識

減価償却とは、簡単に言うと「固定資産の取得にかかった金額を、複数年に分けて経費に計上していく処理」のことです。

ここでいう固定資産は、流通や販売を目的としないもので、個人事業主や企業が長期間使用・保持する資産のことを指します。
少しややこしく感じるかもしれませんが、パソコンや車、高額なギターなどの身近なものも固定資産に該当します。

減価償却の対象となるもの

長期間使用・保持する固定資産が全て減価償却の対象になるわけではありません。
耐用年数が「1年以上」で取得価額が「10万円以上」のものが、減価償却の対象になる償却資産 となります。

その資産の税法上の分類によって決められている年数に応じて、固定資産を取得した金額を毎年一定の割合で費用として計上していきます。
先ほどの例でいうと、一般的なパソコンの耐用年数は4年、車の耐用年数は6年、楽器の耐用年数は5年と決まっています。

減価償却の方法

減価償却の方法を2つのケースで見ていきましょう。
どちらも「定額法」という方法で減価償却していきます。
「定額法」とは毎年同じ金額、耐用年数の期間に減価償却する方法です。

それぞれのケースの説明の前に、少し言葉とその意味についてご説明します。

「取得価額」は、固定資産を取得するためにかかった金額のことです。単純にその資産の金額だけではなく、大きな機械設備などを購入した場合には、機械の配送料や設置料も取得価額に含めることができます。

そして、先ほどから何度か出てきた「耐用年数」は、固定資産を通常の使用方法で使用した場合に、期待する役割を果たすとみなされる期間のことを指します。
これは、国税庁が定めていて自分で好きな数字にすることはできないため、資産ごとに調べる必要があります。

この耐用年数を過ぎると会計上ではその資産の価値は0円や1円になります。もちろん実際には購入した車を6年以上使用しても問題はありません。

ケース1:車

600万円の車を取得した場合は耐用年数が6年なので、600万円÷6=100万円で、毎年100万円ずつ経費計上します。
そして6年間かけて減価償却していきます。

ケース2:高価なギター

50万円のギターを取得した場合は耐用年数が5年なので、50万円÷5=10万円で、毎年10万円ずつ経費計上します。
そして5年間かけて減価償却していきます。

【参考】「定率法」による減価償却について

上でご紹介した「定額法」による減価償却では、毎年一定の金額で減価償却をしていきます。
もう1つの方法として「定率法」という方法があります。これは個人事業主の確定申告ではほとんど使うことがありません。

計算や仕組みがややこしいため、ご興味のある方は以下のページを参考にしてみてください。

個人事業主が使える「少額減価償却資産の特例」

冒頭でも触れたように個人事業主や中小企業が使える「少額減価償却資産の特例」という制度があります。この制度は10万円以上30万円未満で取得した資産を減価償却せずに、全額を一括で経費として計上できます。

ただし、税抜29万円つまり税込31万9千円の資産を購入した場合は、税込処理を行っているか税抜処理を行っているかで制度を使えるかどうかが変わってくるため、注意してください。

この特例を使うにはいくつかの条件があります。
以下は一例です。

  • 資産の総額は年間で300万円まで

  • 確定申告の際に「少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に関する明細書」を作成する

  • 青色申告をする

少し手間はかかるのですが、利益が多くなって所得税が高くなりそうな年にこの制度を使うことで、利益の金額を減らすことができるので、知っておいて損はない制度です。

少額減価償却資産の特例制度は節税になる

先ほどもお伝えしたように、この少額減価償却資産の特例制度を使うと節税ができます。

今回は、アーティストが25万円のギターを購入したとして、通常の減価償却をした場合と少額減価償却資産の特例を利用した場合とを比べていきます。
売上が500万円、ギター代以外の経費が200万円だった場合について考えてみましょう。

特例制度を使わずに減価償却をする場合、25万円を5年に分けて減価償却を行うため5万円、課税所得が295万円になります。得税率が20%とすると税金の金額は59万円となります。

特例制度を使う場合では、減価償却はギター購入の25万円を一気に計上するため、課税所得が275万円になります。所得税率が20%とすると税金の金額は55万円となります。

比較すると、特例制度を使った場合の方が4万円節税になりました

この特例は年間で300万円まで使うことができるので、ギターを5本くらい買った場合はさらに節税効果が大きくなります。

仕組みを知れば、減価償却も簡単

減価償却について、ご理解いただけたでしょうか?

本記事でもご紹介した特例を使わない場合は10万円以上、使う場合は30万円以上の物を購入するときには減価償却の処理が必要になる可能性があります。
そして、減価償却が必要になった場合には固定資産台帳の作成や、固定資産税、償却資産税といった税金が発生する可能性もあるので、その点もしっかり確認するようにしてください。

過去に高額な備品などを買ったけど減価償却をしていなかった という場合は損をしている場合もあるので最寄りの税務署などに相談してみてもいいかもしれませんね。


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