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個人事業主でも使える補助金、教えます

突然ですが、皆さんは補助金をご存知でしょうか?
クリエイターをはじめとした個人事業主の皆さんからすると、馴染みの薄いものかもしれません。

「お金がもらえる」ということは知っているけれど…、という方もいらっしゃるでしょう。
補助金は確かにお金はもらえますが、いいことだけとは限らない制度です。この記事では、補助金とは何か、という解説と個人事業主でも使える補助金についてご紹介します。

(本記事内の内容は2023年11月時点の情報です)

【10秒で分かる記事のまとめ】

  • 補助金制度とは簡単に言えば「事業を補助してくれるお金」を出してくれる制度

  • ルールが変わることもあるため、常に最新情報を手に入れておくことが大切

  • 補助金が給付される前に自費で全ての経費を支払う必要があるため、あくまでも資金に余裕があるときに使える制度


補助金とは何か

補助金とは簡単に言えば「事業を補助してくれるお金」です。補助金制度はそのお金を出してくれる制度と考えていいでしょう。

ここではその補助金の概要についてご紹介します。

補助金制度の概要

補助金の最大のメリットは事業の費用を一部補助してくれることです。例えば60万円の経費のうち、40万円分が補助金で返ってくるようなイメージです。

また、補助金は基本的に経済産業省が管轄しています。補助金と似たようなものに「助成金」というものがありますが、こちらは厚生労働省が管轄しており、性質も異なります。
助成金は雇用や就業の促進に関して費用を助成してくれます。

申請の方法

補助金をもらうためには、「申請」という手続きが必要になります。このためには事業計画書を作成しなければなりません。
事業計画書にはどのような物やサービスを買って、事業をどのように拡大していくか、などを記載します。イメージとしてはビジネスコンテストに近いです。

この事業計画書が採択されれば、補助金をもらう権利を得ます。

ただし、補助をしてもらうものを買うときには、契約書や請求書、振込の控えなどをすべて揃える必要があり、かなり手間がかかります。
書類の不備があれば再提出も必要となり、最終的に補助金が受け取れるのは申請してから1年後、というケースもあるため、注意が必要です。

補助金の支給対象と注意点

補助金は基本的に、採択(厳密には交付決定)された後に購入または支払ったものでなければ、経費として認められません。つまり、過去に買ったものに補助金は使えないため、注意が必要です。

早く物品を購入したい、という気持ちもよく分かりますが、補助金を使用したい場合は採択結果が出るまできちんと待ちましょう。

また、補助金が支給されるまでには時間があるため、一度自分で全額支払う必要があります。60万円のものを買って40万円補助されるときも、一度自分で60万円は負担しておかなければいけません。
つまり補助金は、あくまでも資金に余裕があるときに使える制度です。

補助金のルールは変わることがある

補助金にはたくさんの種類があります。それぞれ申請できる条件や認められる経費が異なります。
同じ制度でもルールが毎年変わることがある点も注意が必要です。

そのため、申請の前にはしっかりとした下調べが必要です。

個人事業主が使える補助金

クリエイターをはじめとした個人事業主にお勧めの補助金は以下の3つが挙げられます。

  1. 小規模事業者持続化補助金

  2.  IT導入補助金

  3. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

それぞれについて、詳細に見ていきましょう。

1. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は一言で言うと事業者が販路開拓等を行うときに使える補助金で、幅広く経費が認められていることが特徴です。

補助金詳細

持続化補助金の対象者は小規模事業者である個人事業主、または法人が対象です。小規模事業者とはざっくりいうと正社員として雇用している従業員が5名以下の事業者です。ただし非正規雇用の従業員も「常時使用する従業員」に含まれることがあるため、申請前の確認が必要です。

補助対象経費は先ほど記載したように幅広く認められており、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費など全部で11種類が認められています。ウェブサイト関連費はホームページ制作費用も認められているため、人気のある補助金です。

通常枠に加えて、いくつか特別枠がありますが基本的には補助率が2/3で補助金額は50万円までとなっています。ただし特別枠では200万円まで補助されます。

通常、1年に年3~4回の募集があります。

支給の具体例

以下は持続化補助金を使ったある例です。

この例では経費の合計は60万円で、補助率が2/3だったため、40万円が補助されました。
注意点としては、持続化補助金ではウェブサイト関連費は補助金額全体の1/4の金額が上限となります。また、ウェブサイト関連費単体での申請はできません。

2. IT導入補助金

IT導入補助金は事業者の生産性を向上させるようなITツールを導入するための費用が補助される補助金です。例えばシステム導入やサブスクリプションサービスの費用が補助の対象となります。

補助金詳細

IT導入補助金は中小企業や小規模事業者、個人事業主が対象です。

補助対象経費ですが、IT導入補助金は他の一般的な補助金と大きな違いがあり、あらかじめ補助金制度に登録されている「ITツール」である必要があります。公式ホームページからITツールの検索が可能です。
また、この補助金のもう1つの特徴が、ハードウェア費用としてパソコンやタブレット、スキャナなどの費用も認められています。ただし、パソコンだけを購入することはできず、あくまでもITツールを使うために必要な場合にのみ補助されます。

IT導入補助金の補助率は1/2~3/4まで、最大の補助額は450万円と定められています。ただし、ハードウェアに関しては上限が定められているので、注意しましょう。

募集頻度が高く、毎年制度が更新されていることもこの補助金の特徴です。例年4月から12月頃まで、月1回のペースで募集されています。

支給の具体例

以下はIT導入補助金を使ったある例です。

この例では、自分のグッズを販売するたものECサイトを構築したとして、見ていきましょう。
ECサイトの構築費が200万円、導入のためのコンサル費用が50万円とします。ECサイトの場合、デジタル基盤導入枠というものになっていて、補助金額の掲載が少し複雑になりますが、この例では最終的には約170万円の補助が出ることになります。

3. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)は新しいサービスや商品・試作品の開発を行うための設備投資のための補助金です。名前の通り、ものづくりを行っている工場が生産機械を新しくするために使われることが多い補助金ですが、システム開発などにも使えます。

ただ、これまでに紹介した持続化補助金やIT導入補助金と比較すると金額が大きい補助金のため、個人事業主の方はそこまで使う機会はないかもしれません。

補助金詳細

ものづくり補助金は中小企業や小規模事業者、個人事業主が対象です。

補助対象経費は持続化補助金と類似しており機械装置等費など、幅広く認められています。ただし、広告宣伝費については海外展開に関係するものしか使えないことに注意が必要です。

ものづくり補助金の補助率は1/2または1/3、補助金額は従業員規模に応じて750~1,250万円となっています。

こちらも通常、1年に年3~4回の募集があります。

支給の具体例

以下はものづくり補助金を使ったある例です。

この例では、キャラクターグッズを制作している会社が3Dプリンターと試作品を購入するケースを考えてみます。この場合は合計費用が240万円となり、半分の120万円が補助されます。

注意事項に気を付け、補助金は積極的に活用しましょう

この記事や補助金の概要や、個人事業主でも使える補助金についてのご紹介をしました。

補助金って本当に複雑な制度で、かつルールも結構変わることが多いため、必ず公式ホームページから最新の情報をチェックしてください。
補助金をまとめた情報サイトや補助金申請支援サービスを行っている事務所などに問い合わせるのも便利です。

補助金をうまく活用し、ご自身の事業を拡大してください。


YouTube「駆け込み寺VTuberまっちゃんのBansouチャンネル!!」でも個人事業主でも活用できる補助金についてゆる~く、分かりやすく解説しています。
ぜひ、ご視聴ください。

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