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Xデザイン学校校外研修旅行(京都)事前研修 振り返り

11月3日に受講したXデザイン学校校外研修旅行(京都)フィールドワークとKA法の事前研修の内容を振り返ります。

講師は松薗 美帆さん。(株)メルペイでUXリサーチャーをしておられます。
今回はリサーチ方法の1つであるKA法をフィールドワークを交えて学ぶ講座で、事前研修としてオンラインで講義いただきました。

いろいろな学びがありましたが、印象に残ったことを書き残したいと思います

1 グループワークで取り組むことの意義

KA法は一人でもできなくもないとのこと。

ただし、グループで実施することにより、各個人のバイアスに気づく機会を得られるというメリットを強調されていました。

誰しも、先入観や固定観念が拭いきれないもの。できる限りフラットな目でリサーチしても気付かぬうちに色眼鏡で見てしまいがちです。

そんなとき、グループで同一対象をリサーチすることにより、自分の色眼鏡に気づくことができるとともに、他者の視点も知ることができます。

2 UXリサーチは小さく失敗する場

UXリサーチの効用として、早い段階で小さく失敗できることがあるとのことです。

リサーチ方法の一つとして「コンセプトテスト」をご紹介いただきました。

サービスの画面イメージやぺーパープロトタイプ、時にはテキスト情報だけを手に、ユーザーと見込まれる対象に問いかけて調査する方法です。

筋の善し悪しを早めに確認できることで、必要に応じて軽傷のうちにピボットできるのは確かにメリットが大きそうです。

調査方法として、5段階評価のうち「5」をつけた人がいたとして、高評価で片付けるのではなく、その理由を深掘りするとのこと。数字にはあまり意味はなく、その後の話題提供に過ぎないことに興味深く感じました。

3 非言語を取りこぼさないこと

インタビューへの回答のような意識的な行為は、人間の思考の5%に過ぎない。

だからこそ、目で見たもの肌で感じたことを取りこぼさないことが大切です。

前回の福岡研修ではインタビューに一生懸命になってしまった感があり、今回こそは意識して非言語情報にアンテナを立てていきたいものです。
(物の配置や空間のマップなどを適宜手元にメモしたり写真を撮影する)

4 比較しリフレーミングすること

文化人類学のさわりをご紹介いただきました。

興味深かったのは、ヤップ島の石貨と仮想通貨の共通性に触れられた点です。

一見、通貨であること以外に共通点は見出しにくいですが、第3者による信用システムが成り立っているとリフレーミングすることにより、共通点が炙り出されるとの紹介でした。

リサーチにおいて、固定観念に縛られず、さまざまな角度からとらえなすことの大切さを学びました。

5 抽象度の高いワードの注意点

抽象度の高いワードは、分類において難が多いようです。

KA法を進めカード化した際、分類が難しくなるためです。また、話者の意図を正確に拾い上げられていない懸念もあります。

インタビューをする際、抽象的な言葉を多く使う対象は適宜、定義を確認しながら、ときには言い換えを促しながら拾い上げていく必要がありそうです。

6 ワードセンスを鍛えること

調査結果の共有のためには、メンバーに正しく伝わる言葉選びが必要です。

「心の声」を導き出す際にも、適切な言葉選びをしなければ、納得のいく理由づけにはならないでしょう。

センスは鍛えられるもの。トレーニング方法として俳句をご紹介いただきました。

いずれも、字数などの制約がある中、他者に思い描いた情景を他者に伝えようと試みるもの。適切な抽象化能力が必要となります。

チューターの奥山さんはバンドマン時代の作詞によってトレーニングされたとのことでした。

7 さいごに

次回は、実際に京都に赴いての実地研修。

残念ながら、次回は松薗さんが現地にお越しになられなくなりましたが、チームメンバーは楽しげな面々で、当日が楽しみです。