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『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』──1938年「ミュンヘン会談」イギリス/ドイツ

●どこで観られる
Netflix

●できごと
ミュンヘン会談 1938年9月29日

●note
『暗号機エニグマへの挑戦』 『ゴーストライター』などのポリティカル・フィクションで知られるロバート・ハリスのベストセラー小説(日本未翻訳)を映画化。1938年9月に、ドイツ・ミュンヘンで行われたミュンヘン会議の裏側で、繰り広げられるスパイ・サスペンス。

第二次世界大戦前年に開催されたミュンヘン会談は、ヒトラーのチェコスロバギア侵攻を阻止しようと、イギリスの首相ネヴィル・チェンバレンが、イタリアのムッソリーニを抱き込み、独英仏伊四カ国首脳による話し合い解決を目指し、開催された。ヒトラーはズデーデン地方割譲容認を条件に、侵攻を見送った。チェンバレンは結果をたずさえ、意気揚々と帰国したが、結局、チェコもドイツに併合された。

ドイツ外交部の外交官とチェンバレンの側近が、オックスフォードの同級生だったという設定。当時はまだドイツの中枢部にも反ヒトラーの考えを持つグループもいて、彼もそのひとり。会談での協定締結を阻止すべく、ヒトラーの危険さを示す証拠種類を手にチェンバレンに直訴しようとし、旧友に接近するが…。

チェンバレンの秘書ヒュー役は『1917 命をかけた伝令』のジョージ・マッケイ、ドイツ外交官ポールはヤニス・ニーブナーが演じている。チェンバレン首相役はジェレミー・アイアンズ、ヒトラー役はウルリッヒ・マテス(『ヒトラー 〜最期の12日間〜』ではゲッベルス役)。他にポールと同じ反ナチ活動家の役人役でサンドラ・フラー(『ありがとう、トニ・エルドマン』『希望の灯り』)も出演している。

ミュンヘン会談の再現も大がかり、ガスマスクの話題にもちきりのロンドン、SS親衛隊の制服がめだつベルリン、大戦を予感させる町の描写が興味深い。チェンバレンは、ヒトラーにだまされたお人好しという風にからかい半分に評価されることが多いが、この映画では戦争を回避しようと努力する真摯な政治家として、好意的に描かれている。

●データ
2022.1.31 Netflixで配信
原題 Munich: The Edge of War
製作年 2021年
製作国 イギリス
上映時間 131分

監督:クリスティアン・シュボホー
製作総指揮:ロバート・ハリス/ダニエル・ヘッツァー
原作:ロバート・ハリス
脚本:ベン・パワー
キャスト:
ジョージ・マッケイ
ヤニス・ニーブナー
ジェレミー・アイアンズ


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