フォローしませんか?
シェア
林伸次
2016年8月26日 08:39
#小説 #超短編小説 あ、彼女がまた自分の写真をインスタグラムにアップした。ああ、なんて可愛いんだろう。あ、もう12時過ぎかあ。彼女、今、寝る前に自分の部屋でスマホをさわってるんだろうなあ。そして、可愛く撮れたからアップしたんだろうなあ。彼女に気軽に【今インスタグラムにあげた写真、可愛いね】ってLINEを送りたいなあ。もちろんそんなこと無理だけど。僕はただの仕事上の知り合いで、もちろんた
2016年8月19日 08:47
#小説 #超短編小説 彼女が初めて僕の部屋に泊まった夜、季節は秋で、窓を開けるとちょうど涼しい風が入ってきた。僕は夜中の2時に目を覚ましてしまって、ずっと可愛い彼女の寝顔を見つめていることにした。彼女は赤ちゃんのようにぐっすりと眠っていたので、キスしたいなと思ったけど、起こしてしまうから僕はぐっと我慢をした。夜空の雲が途切れて、月があらわれた。満月だ。月の明かりが彼女を照らし、彼女が
2016年8月12日 08:36
#小説 #超短編小説 毎月第4週目の日曜日の朝は私の部屋のベッドの中で必ず彼がいた。朝の7時頃までは彼にくっついて彼の匂いを嗅いでいるのだが、8時を過ぎると彼はベッドから抜け出し、私のキッチンで朝食を作り始めた。彼はイタリアン・レストランのシェフだから、料理は上手だった。冷蔵庫を開けてあまっているアスパラガスやトマトやアボカドを使って美味しいサラダを作った。ベーコンをカリカリに焼いてスク
2016年8月5日 08:41
#小説 #超短編小説 藤田の部屋にアポなしで20代社員3人組が突然入ってきてこう言った。「社長、直々にお願いがあります。僕たち若手社員たちに藤田あられの新商品開発や新ブランドイメージ作りの企画をさせてください。他社の老舗菓子会社も今は新しいパッケージや新商品、新しいカフェなんかを作って、イメージを変えています。僕たちにもそういう機会を与えてください」藤田はついにこういう若者たちが自分の会