いざ自分が始めると「実はそんなには自分は才能なんてない」のが判明するけど

雑誌やネット上でたまに「とんでもなく文章の上手い人」っているんですね。で、名前を見ると全く有名じゃない人だったり、あるいは名前さえもクレジットされてなかったりします。

こういう人ってこういう文章じゃなくて、小説とかノンフィクションとか、もっと自分だけにしか書けないような文章を書いたら良いのに、なんていつも思うんですね。

そんなようなことを以前B&Bのイベントでcakesの加藤貞顕さんに言ったところ、「いや、あの人達はただすごく文章が上手い職人であって、表現したいなんてものはないんですよ」とのことでした。

その時は「そうかあ。そんなものなのかな」なんて思ったのですが、本当にそうなのかなあってやっぱり疑問に感じます。本当は書きたい、表現したいという気持ちはあるのだけど、日々の職人作業に埋もれてしまって、擦り切れてしまってるんじゃないのかなって感じがするんです。

そして、それに関連したことなのですが、僕の周りには、たまに「この人すごく面白い考え方するなあ。能力もすごく高いし」って人がいて、そんな人にはいつも「何かやらないんですか?」と言うと、みなさん「うーん、まあやりたいことはあるにはあっても、どうも…ごにょごにょ」という感じではっきりしません。

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ところで僕は「あ、そのアイディアだったら思いついてたのに」ってことがよくあります。「立ち飲みスタイルのスペインバル」も流行る前からずっと「日本でいける、流行るはず」と思ってました。

で、スペインバルが流行った後に「それずっと前から思いついてた」ってみんなに言ってたのですが、そんな「思いつくだけの人」はやっぱり「負け」なんですよね。

本当に腰を上げて、実際に「立ち飲みのスペインバル」を最初に始めた人だけが「勝ち」だと気がつきました。

それに気がついてからは、ごちゃごちゃ言ったり、「あれつまんないのに何で売れてんだろう」なんて言うことはやめようと思いました。自分は何にもやらないのに文句だけいう人間って最低ですから。

そしてそんなことをうだうだ言う前に、自分で自分の作品やアイディアを発表しようって決めました。

正直に言って、いざ自分が始めると「実はそんなには自分は才能なんてない」のが判明します。それでもやっぱり、やり始める方が楽しいです。

人生は一回きりです。やり始めたほうが後悔しないし、楽しいですよ。

#エッセイ

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