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リニアトラッキングプレーヤーPX-2の使い勝手

ヤマハPX-2を使ってみて感じたことをお伝えします。

あくまでPX-2についてであり、全てのリニアトラッキングプレーヤーに
ついて当てはまるわけではありませんのでご注意ください。


操作について

PX-2は基本的にフルオートプレーヤーです。
再生するには

  1. 電源を入れる

  2. 回転数を選ぶ

  3. レコードサイズを選ぶ

電源と回転数ボタン
左:アーム上下/左右
中:リピート/ストップ
右:盤サイズ

この3動作だけで自動再生し、終了後は
トーンアームがホームポジションまで
自動で戻りターンテーブルが止まります。

これは簡単で使いやすいと思いました。
他機と比べた場合例えば、
パイオニアの同じくリニアトラッキングプレーヤー
PL-L1はフルオートではないため、ジョグダイヤルを
指先でくるくる回しながらレコード盤のリードインまで
針を移動させ、更にアームダウンボタンを押す必要があります。

盤サイズを選べばそのサイズのリードインまで自動で
移動してくれるので完璧に盤上に針が下ります。
一般的なレコードプレーヤーもそうですが手動でリードインに
合わせる時、ずれた位置でアームを下げてしまい針が盤から
落ちてしまうことがたまにあります。

これを防ぐことが出来るのはフルオートプレーヤーの優位性だと思います。

フルオートでもアームの左右移動ボタンで盤リードインまで
針を移動することは可能なので
「レコード盤に針を落とす」
というノスタルジーを感じることは可能です。

優れた点

一般的な(リニアトラッキングでない)レコードプレーヤーもそうですが
中級機以上ですとトーンアームの高さ調整が出来るプレーヤーが
存在します。
PX-2にも高さ調整機能が付いていました。

右のつまみでロック解除
左のつまみで上下移動


PX-2の調整方法はパイオニアPL-50Lのそれとは違い簡単に調整できます。
PL-50Lは六角レンチを使いロックねじを緩めてアームベースを
持ち上げて上に引き上げるのに対し、PX-2はつまみを回すだけで
簡単に上下に動かすことが出来ます。
PX-2は価格がPL-50Lの倍ですから当然と言えば当然かもしれません。

リニアトラッキング機構の為アンチスケーティング設定の
必要がありません。
シンプルでいいです。

使いづらい点

・トーンアームの水平合わせがやりにくい

PX-2は特殊な設計に感じます。
トーンアームの上下は楽にできるのですが、
水平合わせは難しいです。

一般的には再生時にトーンアームが盤面と平行になっている状態が
望ましいとされています。
プレーヤーの右サイドから見ればすぐにわかります。

この状態にトーンアームの高さ調整をするには、
盤に針を落とした(再生状態)時にトーンアームが水平になる様に
ターンテーブルの回転を止めてアームベース側で高さを調整します。
しかしPX-2は針を落とすとターンテーブルが回り再生状態になるのです。
ターンテーブルを止めるにはトーンアームを上げてホームポジションに
移動しないと止まりません。
矛盾しています。

ターンテーブル回転を単体でオンオフが出来ません。
盤上空間に針先が入ると自動で回ります。
再生状態で電源ボタンをオフにしても、コンセントを抜いても、
電源が切れるとトーンアームが上がる仕組みなのでターンテーブルを
止めた状態で盤に針を落とすことはできません。

こうなると実際に再生しながら高さを合わせることになり、
レコード盤に傷をつけてしまう可能性があります。

これはおかしいです。

入手した説明書にはトーンアームの高さ調整については書かれていません。

結局捨て盤で高さ調整をしました。

・トーンアームがストレートでアームベースも含めシンメトリカル構造
 なのでシェルは指かけレバーのない左右対称タイプが理想。

指かけレバーのないタイプはあまり見かけません。
汎用性が低いので探すのに苦労します。

・トーンアームのリフトアップにタイムラグがある。

アームUPボタンを押しても瞬時に反応しません。
盤上で何か起きた時に回避するのにアームUPが
一瞬ですがもたつきます。
この間に盤に傷をつけてしまう可能性があります。

音質

リニアトラッキングプレーヤーはトラッキングエラーや
アンチスケーティングについて一般的なS字トーンアームの
プレーヤーよりも優位性が謳われていますが、
聞き慣れたレコードでも
僕の駄耳ではこの違いを感じ取るのは難しいと思いました。

同じカートリッジを違うプレーヤーに付け換えて再生比較するのが
僕の環境下では難しいのでやっていません。

PL-50Lの倍価格だから、明らかに違いが分かるか?
というと
そんなことはないな。
というのが正直な感想です。



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