見出し画像

ネパールの豚と「フランドン農学校」の豚

野生のイノシシを家畜化して豚にしたのは
5000年前の古代中国で
家という字は屋根の下にブタがいることを表し
豚という字は太ったブタをあらわすという
つまりブタは人と同じ屋根の下にいて
排泄物や残飯を喰っていて豚になったということだろう😮
で思い出したのは
40年前にネパールにホームステイした時
ある日、カトマンズを遠く離れた山奥の貧しい集落に案内された
家は、草の屋根に竹を編んで作った壁だけの掘っ立て小屋
その藁敷きの土間には
半裸の女性がまるで赤ん坊に添い寝する母親のように子豚と寝ていた
そしてその家のすぐ外では
男が山刀で親豚(ほぼイノシシ)を殺し、解体しているところだった😮

不思議な光景だった
何故子豚は逃げようとしないのか
親が目の前で殺され、食べられようとしているのに😮
家族同様に食べ物を分け合い、同じ土間で寝起きし
育てた豚を生きるために殺さなければならない人
いつか殺され食べられるのが解っていながら
その人間と一緒に寝ている子豚😮
残酷でありながら厳粛な生の営み
原初多くの獣が神となったのは
このような切実な生命の交流の中からでは無かったか😮

生と死、神と人と動物が渾然とし
あまりにも裸であらわでありのままの世界
皆が自分に割り当てられた運命を受け入れ
平然と生きている
その不思議な明るさは
誰もがその生を、宇宙の輪廻の一瞬だと知っているからだろう

宮沢賢治の「フランドン農学校の豚」は
殺されると知って最後まで苦悩するが
ネパールの豚は、その循環する生命の流れの中で
平然と眠っていた😥

今日は11月29日で「いい肉の日」

上はアメリカのシェービングマグで、持ち主の仕事がブッチャーであることをを表しています

この記事が参加している募集

私のコレクション

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?