ばさつ

某日用品メーカー社員&おもちゃコンサルタント。 (Twitter) @basa…

ばさつ

某日用品メーカー社員&おもちゃコンサルタント。 (Twitter) @basatsu_toy71 #MouMa 妄想商品アワード2021「面白いで賞」準優勝&ベスト4 。 色々な妄想をしてはSNSで発散しています。 お気軽に絡んで頂ければ嬉しいです。

マガジン

  • どんなお題でも語る

    ばさつ『どんなお題でも語る』のアーカイブです。 常にお題を募集していますので、語ってほしいテーマがあればコメント下さい! NG無しで小噺にします!

  • ばさつの毎週ショートショートnote課題まとめ

    #毎週ショートショートnote のお題をもとに書いた小噺を貯めていきます。 良かったら見てって下さい。

最近の記事

  • 固定された記事

どんなお題でも語る #0「母とリポビタン」

こんにちは、ばさつと申します。 このnoteでは「どんなお題でも語る」をモットーに、皆様から貰ったお題について専門外だろうがなんだろうが小噺にして語っていきます。 #0「母とリポビタン」中学生の頃の話。 部活を終え帰宅すると、1階のリビングから母と知らない子供の声がする。 私はすぐ2階に上がりテレビをつける。 母は自宅を使ってピアノの先生をしていた。 午前中に大体の家事をこなし、午後はピアノレッスン、さらに隙を見て夕飯の支度。 私が小学校に上がってから、そんな生活を毎

    • チョコストーリーはギリギリに

      僕は仏教徒だ。 正直なところ自分のことを仏教徒だと意識する瞬間なんてないが、あえて言おう。 僕は仏教徒だ。 お盆には家族でお墓をピカピカにするし、 大晦日の紅白歌合戦は欠かしたことはない。 僕は仏教徒なのだ。 2月半ばになると毎年周囲が騒がしくなる。 分かるよ。 まだ節分の余韻が残ってるんだよね。 でもここは学校だから、浮つく気持ちをグッと抑えて勉学に励もうね。 皆の雰囲気に飲まれまいと、朝から 「僕は仏教徒だ」 「僕は仏教徒だ」 と仏仏繰り返してなんとか放課後

      • 会長と僕シリーズ③『タイムスリップできるならいつにいく?』

        ある放課後、僕と会長は目安箱に寄せられた生徒の投書に目を通していた。 毎回大したものはない。 流し読みしながら、僕達はいつもたわいもない話をする。 「会長、”スパ王”さん、今月は”食堂のメニューにボンゴレビアンコを出して下さい”ですって。」 「いいね、美味しそう。採用!!」 「でもこの人、先月はジェノベーゼ、2ヶ月前はアーリオ・オーリオ・・・。」 「アーリオ・オーリオ出なかったよね、採用したのに」 「いやいや、出ましたよ。やだなー忘れちゃったんですか?記憶力いいの

        • 上昇志向高めの桃太郎

          爺様・婆様には勿論感謝しているが、桃から生まれただけで「桃太郎」と名付けられたのは頂けない。 しかも、鬼退治に行くのに吉備団子だけとは。 道中の物乞い達もワンワンキーキーケンケンと煩いこと。 1つあげたら味を占めてついてくる。 そんな時間があるなら自己投資に充てたらどうか。 その点私は鬼退治後は起業することに決めている。 絶対に一山当てるのだ! 目標がある人間は強い。 鬼ヶ島に着くやいなや、鬼達を即座に倒し、あっという間に降参に追い込んだ。 這って許しを乞う鬼達。島に

        • 固定された記事

        どんなお題でも語る #0「母とリポビタン」

        マガジン

        • どんなお題でも語る
          14本
        • ばさつの毎週ショートショートnote課題まとめ
          4本

        記事

          不当な共益費

          「お電話有難うございます」 『すみません、共益費の支払いなんですが・・・』 相手に聞こえないようため息をつく。 不動産会社のコールセンターは朝から電話が鳴りっぱなしだが、激務かといえばそうでもない。 家賃や固定費の相談ばかりで、マニュアル通り対応すれば解決してしまうのだ。 正直、この仕事には飽き飽きしていた。 しかし転職する勇気もなく、何か事件でも起きないかなぁ・・・と、妄想するだけの毎日を送っていた。 今日も同じことを伝える。 「共益費は集合住宅のサービスを維持

          不当な共益費

          どんなお題でも語る#9『株式会社 小市民』

          暑さと共に不快指数を爆上げしていた蝉達の大半が土に還った頃、 私は焦っていた。 どこに行ったんだ、超売り手市場。 何社目の不採用か分からなくなった頃、一度何がダメか聞いてみた。 担当者は「普通すぎて決め手がない」と教えてくれた。 自覚はあった。 勉強も運動もファッションも、いくら努力しても人並みから出ることはなかった。 キラキラしたものが、私にはない。 そうか、「普通」じゃダメなんだ。 ー ーー ーーー 今日もまた、更新されなくなって久しい就活サイトを眺めて

          どんなお題でも語る#9『株式会社 小市民』

          どんなお題でも語る#8「ジョーズ 幻の歌詞」

          『ドゥードゥン…ドゥードゥン…』 生徒会室の奥で、会長が変な呪文を唱えている。 「・・・今度はなんですか?」 『ジョーズって映画あるじゃない?スピルなんとかバーグの。』 「世界の巨匠をびっくりドンキーみたいに言わないで下さい」 『サメが近づいてきて、だんだん曲も早くなってドゥデドゥデドゥデ・・・って』 「はい」 『あれって、ドゥデドゥデの後どういう曲になるか知ってる?』 あれ?言われてみれば記憶にない。 「…それで終わりなんじゃないですか?」 『いや、盛り

          どんなお題でも語る#8「ジョーズ 幻の歌詞」

          ふりかえるとよみがえる

          『ぐはーっ!!』 遂に魔王を倒した。 剣を仕舞い踵を返す。 手強かった。 その割に、最後の一撃はあっけなかった。 弱った俺にトドメを刺そうと突っ込んできた魔王。 覇気に圧されて縮こまったときに咄嗟に出した剣が魔王の急所を直撃した。 あんなに強かったのに、考えれば考える程あっけない。 本当に魔王を倒したのか不安になってきた。 白目剥いて倒れたから大丈夫だよな? 気になって魔王の方を振り返った、そのとき! 『ま、まだだぁぁあっ!!!』 うわ、生きてた!

          ふりかえるとよみがえる

          『サラダバス』

          『いい?人を野菜だと思うの』 小学校に入学する前、極度の人見知りだった私にトマトが教えてくれた緊張のほぐし方。 私はこの方法で全てのライフイベントを乗り切ってきた。 どんなに注目されても、野菜だと思えば怖くなかった。 おかげで学校では人並みに友達もできた。 特に深谷ネギとは小学校からの親友で、今でも毎日欠かさず連絡を取り合っている。 野菜に彩られる毎日を過ごす私が地方の農業法人に就職するのは必然だった。 入社式が終わり、自然薯が言う。 『皆さんには、これから配属先

          『サラダバス』

          『カミングアウトコンビニ』

          『トイレ行きたい。あそこのコンビニ寄って!』 「どこ?」 『すぐ、そこ』 彼女の職場の飲み会後、タクシー代節約の為だけに呼ばれた腐れ縁の僕は、コンビニに車を停めた。 『サンクス』 「いいよ、休憩したかったし」 『いくぞー!にょーいドン!』 いい気分 の彼女は、妙な掛け声と共に早足でトイレへ向かった。 僕も店内に入る。 ん? コレ話題になってるヤツだ。 あ、アレも。 ここ凄いな、あるといいながある。 会計を済ませ、外で缶コーヒーを飲みながら待つ。 ただの幼馴

          『カミングアウトコンビニ』

          どんなお題でも語る#7「扇風機専門店の最期」

          10月。 暫く続いた熱さも終わり、その反動か急激に冷え込む様になってきた。 まもなく、私の店は終わる。 祖父の代には熱心な収集家もいたけれど、3年前に父が継いだのを境に来なくなった。 父は廃業を進めていたけれど、この店を無くすなんて私には考えられなかった。 溝は埋まらないまま両親は去り、私が店を継いだ。 祖父は必死に扇風機専門店を護ってきた。 かの35次産業革命ではコンピュータウィルスを飛ばす扇風機を発表して話題にもなった。 しかし自分を顧みず仕事を続けた為、ガタが

          どんなお題でも語る#7「扇風機専門店の最期」

          『動かないボーナス』

          去年、山梨県が独立した。 東京一極集中に反発した県職員らによる大規模な独立運動が発生、日本政府は旧山梨の強みである精密・ロボット技術の使用制限を警戒して黙認、「ネオ甲州」は無血独立を果たしたのだ。 日本への「輸出」で企業とネオ甲州政府は大きく潤ったが、ネオ甲州の外れの町役場勤めの私には特段恩恵はなかった。 しかしある日、給与明細に気になる記載が。 「風林火山ポイント:山」 なんだコレ? 担当に聞いてみると、 「公務員へのやり甲斐増進策として、風林火山に従った行動

          『動かないボーナス』

          どんなお題でも語る#6「会長の家出」

          放課後、生徒会室に入ると珍しく会長の姿がない。 代わりに一枚の書き置きが。 『家出します』 ・・・そういうのは家でやってくれ。 とはいえ心配だ。 でもまあ会長のことだから大丈夫だとは思うけど、もしものことがあったら・・・ 警察?とりあえず先生に? うーん。 ドアが開いた。 『おはよー』 会長、普通に来た。 「いやいや、おはよーじゃないですよ」 『・・・こんにちは?』 「いや、そういうんじゃなくて・・・」 僕は書き置きの方に目をやる。 『あー、見つけちゃっ

          どんなお題でも語る#6「会長の家出」

          どんなお題でも語る #5「女人禁制のパンケーキ専門店」

          ばさつです。このnoteでは「どんなお題でも語る」をモットーに、皆様から貰ったお題について小噺にして語っていきます。 #5「女人禁制のパンケーキ専門店」誰だって、話題のものは飛びつきたくなる。 それが入手困難であれば尚更だ。 「とある店のパンケーキをスタッフの目を盗んでタッパーに詰めて持ち帰ること」 妻と娘から私にミッションが与えられた。 食べたければ2人で行けばいいじゃないかと思うかもしれないが、これには理由がある。 この店は男性専用なのだそうだ。 なんでも、「

          どんなお題でも語る #5「女人禁制のパンケーキ専門店」

          どんなお題でも語る #4「円周率の最後の数字」

          ばさつです。このnoteでは「どんなお題でも語る」をモットーに、皆様から貰ったお題について小噺にして語っていきます。 #4「円周率の最後の数字」「円周率ほど皮肉なものはないよ。君もそう思わない?」 また会長が書類に目を通しながら話し始めた。 「どういうことですか?」 興味はないけど聞かざるを得ない。 いま生徒会室には僕と会長しかいない。 聞こえていないふりをしたこともあるが、そのときは書類越しに期待の眼差しでこちらをチラチラ見て、反応がないと分かると、頬を赤らめてそ

          どんなお題でも語る #4「円周率の最後の数字」

          どんなお題でも語る #3「だっぺルゲンガー」

          ばさつです。このnoteでは「どんなお題でも語る」をモットーに、皆様から貰ったお題について小噺にして語っていきます。 #3「だっぺルゲンガー」ドッペルゲンガー。 世界のどこかに自分と同じ顔がいて、出会うと死んでしまうという都市伝説だ。 ・・・と、私も出会うまでそう思っていた。 結論を言えば、ドッペルゲンガーは実在するし、出会っても死なない。 あと、茨城弁を話す。 ____________ 6月、私は中学最後の大会を、反則以外の考え得る最速の手順で敗退し、期せずして

          どんなお題でも語る #3「だっぺルゲンガー」