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学童野球でなにを経験したか?

 学童野球からようやく離れることができた。
非常に濃い経験をしたと感じる一方で「よくあること」だとも思う。そして同じような経験をした人としかこの憤りは共有できないことが良くわかった。さらに、時間が経つとその傷は(有り難いことに)ほとんどの場合癒えていくから当事者意識も当然薄れていく。「世間では良くあることだ」と片付けて記憶の奥底に閉じ込め、二度と取り出して眺めたくないと思ってしまう。
 何ヶ月も前から「去り際に何を言ってやろうか」とずっと考えていたけれど、ちょうど良いタイミングがなかったことと、最後に爪痕を残すことで「自分自身が不愉快なままになる」ことに気づき最後は本当にどうでもよくなった。
 そう、この「どうでもよくなる」が、結局彼らを放置し、同じことを繰り返させる原因なのだが、もうこれ以上戦うのもうんざりである。本当にうんざりだった。
 その証拠に最近よく眠れる(笑)。四六時中このことについて考えていたわけでないが、やはり大きなストレスだったのだろう。

 新年度の態勢が会議で決まり、その議事録がメールで送られてきた。メーリングリストから私のアドレスが削除される直前だった。
 「それだけはやめた方が良い」と、心ある人たちが何人も「陰で」言っていたこと、やんわりと訴えていたことをまたやっていた。本当に彼らは同じことを繰り返す。ただ「勝つため」に。心底あきれて笑った。

 今、小説を書いている。どのような形になるかは分からないが、この憤りが薄れてしまう前に大枠を書いてしまいたいと必死だ。私には文才などないが描き切りたい。学童野球に己のプライドをかけてしまう、哀しい大人たちの滑稽で切ない姿を。

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