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【夢から醒めて】#7「病院での日々が始まる」

ーパラレルワールドー
今、板橋はそこにいる。
並行世界だとか違う宇宙にある何もかもがそっくりな次元だとかなんたらかんたらとか。そんなふうに言われている世界。
家で寝て長い長い夢を見ている時というのが、どうやら宇宙人のいたずらで連れてこられている最中だったんだろう。
もしくは壮大な実験の為にこの場所を用意したに違いない‼︎
だから、外の世界はまだまだ作っているはずなのであるっ!!
しかし、どうやったら元の世界に戻れるのか?
前に見た夢の中では、駐輪場に止めてあったバイクで正門出たら次元越えられるのは体験済みだ。
そして、それは「意地の悪い宇宙人」の命令を聞いたであろう病院関係者の手によってベッドに固定するという、至極原始的な手段によって阻まれているのであった、まる。まぁ正直な話、右腕が動かせなんだらアクセル捻れないし。

と、そんな板橋は4人部屋にいるようだ。ベッドに寝転がり、天井についているカーテンレールを見ていたらそんな感じで区切られていたから。
あ、そうそう。
病室内の事をざっと説明すると、ベッドの横には衣類を入れロッカーがある。上着やGパンを入れるのに丁度良いサイズの。
その横には、1番下の段に冷蔵庫、その上には鍵のかかる引き出し。
引き出しの上には物を置くスペースがあり、1番上にテレビが乗せてある。
ベッドには、掛け布団、ベッドの柵に乗せられるテーブル、ナースコール、リクライニングベッドのリモコン、そして、拘束バンド。拘束バンド・・・
ホント、なんでこんなものをつけられなきゃいけないのか・・・

もしかして、板橋が逃げようとするのを読まれている?
宇宙人達が、以前おもちゃにした時はバイクで逃げられてしまったから、今度は事故で右手を動かせない状態にした上で・・・という事か。くそっ、確信犯だな。
まぁ、仕方ない。この状況を受け入れるしかないって事か。それに、このもやもやする頭の状態と視界が開けていない状態が重なっているんだから、しばらくは大人しく過ごさなきゃか・・・

な〜んて考えていたけど、よくよく考えたら確たる証拠はない。そんな現実。
まぁ、アイツらがそんなダサい証拠残すわけはないだろうしな〜
と、左手で顔の近くまで持ってきた右腕を持ってきて、改めて見てみた。あ〜、本当に動かないなぁ〜・・・暖かくはあるけど、べろんべろんで全く触られた感覚がない。死体の腕みたい(笑
・・・あれ? なんだコレ?
手首のあたりに・・・ある!傷が!

目に入ってきた傷、それは見覚えがあっだものである。しかし、だ。
ここにこのキズがあるというのはどう考えてもおかしいのだっ!!!

・・・あ〜、そうだよ。
この傷、バイト先でやっちまった傷跡だもん。鏡写しみたいにそっくり左手に写っているんだで。コレで確定じゃん‼︎
彼らは板橋を苦しませる為、意図的に生体組成を組み換えたに違いない‼︎
脳を全面的にいじくるのはきっと
へへへ、お前らの思うようになんてならんからな!!
モヤがかかった頭の中、宇宙人という未知の敵に対する思いが湧き上がっていた。
「〜〜〜・・・」
ん?
なんだ?
この蚊の鳴くような声・・・

ま、いいか。
考えてたら疲れて眠くなったし・・・

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