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バスケなめんなよ 6話

本格始動?キャプテンは?

3年生最後の大会も終わり、とうとう涼たちがメインの時代が来ました。
まず決めなくてはいけないのは「キャプテン」を決める事です。

涼に聞いてみました

私「そう言えばキャプテンどうするの?」

涼「そんなの俺しかいないじゃん!」

私「いや、お前以外にも部員はいるじゃんw」

涼「俺がやるんだよ!それ以外選択肢は無い!」

私「…どうやって決めるの?」

涼「投票!なぜか引退した3年生も含めた部員で投票するんだよ」

私「くだらねぇwやりたい奴がやれよw」

涼「俺も顧問にそう言ったんだけど…毎年投票してるからって……」

私「じゃあ涼がなれるか分かんないじゃんwどうすんのそうなったら?」

涼「説得する!」

私「wwwwがんばれよ」

涼はどうしてもキャプテンをやりたいようです。
おそらく、私が同じ中学校でキャプテンでガードやっていたからだと思われますw

そして、涼の学校には私たちが県大会に行った時の写真や賞状が飾ってあるので、それに刺激を受けたはずです。

ミニバスのキャプテンもやっていた事を周りも知っているので、おそらく涼で決まるのだとは思いますが、キャプテンのしんどさに堪えられるのか少し不安に感じました。

たかが中学バスケのキャプテン、と思う人もいるかもしれませんが、思春期の男子をまとめるのは相当難しい事です。私も相当苦労した記憶があります。なんでキャプテンなんかになってしまったのだろう…と、何度も悩んだことがありました。

でも、その経験のおかげで今生きていられると自負しています。
大袈裟に聞こえるかも知れませんが、私の人生のターニングポイントでした。涼もそうなってくれたら良いのですが、親としては心配です…

それから数日経ったので涼にどうなったか聞いてみました。

私「キャプテンになったのか?」

涼「まだ決めてない……」

私「どういう事?代替わりしたんだから、すぐにキャプテン決めて始動しなければ他のチームに先を越されるぞ!どうなってんだ?顧問は何してんだよ!」

涼「顧問が忙しくて決めれてないんだよ…でも俺が中心になって練習をやってる」

私「そうか…次の試合はいつなの?」

涼「8月下旬に市内の学校でハーフの総当たり戦を行う大会がある!その結果が市内でやる10月の新人戦のシードが決まるらしい……」

私「ならさっさとキャプテン決めてちゃんと練習しなきゃ!」

涼「明日顧問に聞いてみる!昨日みんなでミーティングしたんだけど、俺たちの目標は県大会1回戦突破に決めたから!」

私「なんだその微妙な目標w県大会出場でイイじゃんw」

涼「いや、お父さん達が県大会1回戦負けだから、俺らはその上の1回戦突破にした」

私「はぁ……まぁがんばれ。どんな練習するのか知らんが、お前たちのスピードとDF力じゃ良いとこ市内大会1回戦突破って所だと思うぞ」

涼「いやそれはない!おそらく優勝候補のはず」

私「…………」

一体誰に似たのだろうか?
絶対俺じゃないから妻だろうな…

優勝候補って……このままじゃ最後の大会も市内大会を1回戦勝てるかどうかになりそうです。
私は涼が1回戦で負けるのも勿論嫌な事なのですが、それより練習を全力以上でやり続けて、色んなチームと練習試合をして、時にはチームメイトとぶつかり合いながらやらない事が一番嫌と言うか…もったいないと思っています。

自分が経験してきた事を息子に押し付けたいのではなく、一生で一度しかない「中学の部活」=「青春」を適当に流してやって欲しくないのです。

必ず後悔するし、必ず後の自分の人生に響いて来るはずです。

これは私の周りだけかも知れませんが、決まった空間と言うか、決められた空間でやらなくてはいけなかった部活を一生懸命やってきた奴らは、やはり今でも発想や感覚や結果に優れているように感じます。
いつでも逃げる事も流す事も出来る部活、そして諦めれば控えや2軍といった立場になっても居続けられるのが部活です。

私の回想

私がバスケ部の時は同級生が20人入部しましたが、1年の時に4人退部しました。(色々な理由)残った16人でスタメンを争う形となりますが、既に16人中10人は諦めモードに入っており、結局最後まで頑張ってレギュラーを取るとか、何とか試合に出れるように努力する!
と言う奴らは出てきませんでした。

結果、16人も同級生が居たチームでしたが、1年生の時からずっと6人で試合に出て、6人で結果を残してきました。

もちろん、練習の時は全員で練習していましたが、2年生の夏休みには既に埋まる事のない実力の差が出来過ぎました。
3年生と練習ができていたので、当時はそんなに深く考えたりしませんでしたが、3年生が抜けるときに正直不安に襲われました。

当時の私「俺らこれから5×5とかどうするの?」
6人「………マジでヤバい…下手になっちゃうかも…」

かなり不安になりましたが、私達のように基礎練習を一生懸命やってきた後輩4人がメキメキと力を付けてたおかげで、その不安も無くなりました。

3年生が引退し、私たちがメインになってからは「2年6人+1年4人」を中心に練習が行われるようになりました。

こうなってくると、さらに2年生の10人はやる気が無くなってきます。

しかし、自分達が諦めた結果そうなった訳だから、言葉に出す事はそんなにありませんでしたが、10人の事は自業自得だと思っていました。

前にもお伝えしましたが、10人の内の1人の親に自分の子供が試合に出れないのはおかしい…的な事を言ってきたのです。リンク

しかし、まだ10人には時間もあったし、1年生に比べれば恵まれた体格もありました。
でも、彼らが必死に練習をする事はありませんでした。

妻へ相談

話がそれましたが、このまま行くと涼たちは全員こうなってしまう可能性が大だと思いました。私は何とか出来ないものかと、妻に相談してみました。

私「涼の部活なんだけどさ…このままだと手遅れになると思うんだよ…」

妻「そうだよね…でも自分達で何とかしろ!って涼に言ってたよねw」

私「そうなんだけど…このままだとただ部活でバスケやってました!市内大会ギリで1勝できるかどうかでした!練習も結構一生懸命やってました!で、部活引退後に俺はBリーガーになる!とか言うじゃん絶対…」

妻「本気でやった事無い人が言いそうなセリフだねwまぁ夢を持つことは全然良い事だけど…」

私「そう夢を持つ事は良い事なんだけど……きっと練習の時とかも全力で走った事無いと思うんだよ。自分達が思ってる全力は出してると思うけどね。でもそれは全力ではなくて、その時の雰囲気とかの全力なんだよ!そういう事やってると、試合の時とかいざと言う時に本当の全力が出ないんだよ…俺頑張ってます!とか、今のボールは取れないとか、もう無理とか……なっちゃうんだよ」

妻「……どうすればいいの?顧問と1回話してみる?それとも保護者と話をしてみる?って言うか、あなたがコーチすれば?そう言えば、同級生の保護者はあなたにコーチに入ってもらって強くしてほしい!って言ってたなぁ…」

私「……コーチは嫌だなwそういうキャラじゃないし、何より面倒くさいでしょw」

妻「そう?向いてるとおもうけどぁ」

私「とにかく、どうにかしないと手遅れになっちゃうんだよ!」

妻「………とりあず涼が帰ってきたらきちんと話をして、どうするのか聞いてみたら?」

私「……はぁ(いつも話をしてるんだよ…)」

ようやくキャプテンが決定!!

この日から毎日涼に「キャプテン決まったか?」と、問いかけました。
結局キャプテンが決まったのは7月の上旬でした……

一体何を考えているのだろう?
3年生が引退して25日位経ってからキャプテンが決まるなんてありえない!私は憤りを隠せずにいました。

結局、キャプテンに立候補したのは涼だけでしたが、意味不明な投票が行われたようです…

特に問題もなく

キャプテン 涼
副キャプテン 金剛

に決まったそうです。

少し意外だったのが、ミニバスからずっと一緒にやってきた大翔が副キャプテンでは無かった事です。
涼曰く、大翔は責任感がほぼ無いらしい上に人の面倒を見れるようなタイプでは無いとの理由で、金剛を副キャプテンに指名したそうです…

私「金剛は責任感があって、人の面倒を見れるのか?」

涼「まぁ……無理かなぁ~」

私「はぁ?どういう事なの」

涼「消去法だから仕方ない!」

私「そんな感じなのか?お前の同級生って……」

涼「そんな感じだね」

私「そうか…」

キャプテンが決まりました。
更に翌週末に市内の学校と練習試合が決まったそうです。

宣言通り涼がキャプテンになりましたが、練習メニューや練習時の気持ちの持ちようとかは今まで通り顧問が指導するわけです。

何度も言いますが、私は顧問の事が嫌いな訳ではありません。
バレーボールで全中出場、しかもレギュラーだそうです。

技術などはともかく、ボールへの執着心や全力で走る事や諦めない気持ち等は私なんかより余程分かっているはずだし、経験値も違うと思います。

しかし、引退した3年生を見ていると、諦めないで全力で取り組む姿勢などを感じる事はありませんでした……

とにかく涼にフットワークを教えて練習で毎日やるように話をしました。

私「涼!明日から毎日フットワークを全力でやれ!」

涼「は?何で?って言うか、やってるよ…?」

私「……いいから明日からこれやって!」

涼「………」

私「まずサイドキック、次に後ろ向きサイドキック、次にサイドステップ、二人一組になって左右に指を指してもらって、3ステップしたら逆に動くサイドステップ……とりあえずこれを毎日やったほうがいい。」

涼「分かんないから教えて」

私「……よし!やってみよう!」

涼「OK!………………きっつ!無理だってwこれ毎日やるの?」

私「……おいおい、こんなのフットワークの基本中の基本だぞ……俺はこれ以外も合わせて1年生の時に毎日1時間以上やってたぞ……いいか毎日コート1/4を2往復ずつやれよ!」

涼「無理だって…走れなくなっちゃうじゃん!」

私「お、お前…ミニバスで何やってきたんだ?フットワークしてなかったのか…」

涼「おぼえてねぇよ…」

私「とにかく毎日やるんだぞ!」

涼「……分かったよ」

本当に最低限のフットワークです…
どうやら涼たちは1年生の時にフットワークをやっていなかったそうです……このままでは取り返しが付かなくなるかもしれません。

翌週には練習試合、そして来月には総当たり戦の市内大会が行われます…

そう言えば、去年もそうだったけど、お盆休みガッツリ取ってたけど大丈夫なのだろうか?
今年もお盆休みを10日も取って、その2日後に大会なんだけど……
いや、まずは来週の練習試合だな……
そんな不安な日々を過ごしているうちに、練習試合の日がやってきました。

涼たちの学校を入れて5チーム来ていました。
全て市内の学校です。

来月の市内大会はこの結果がほぼ反映されると思います。

まだ始まったばかりの新チーム、どこの学校も「教員の働き方改革」とか言うしょうもない改革で部活どころではありませんw

12月位にならないと圧倒的な実力差は出ないはずです。
だから現時点でボロ負けしているチームはかなりしんどい1年を送る事になります。
涼のチームはそうじゃない事を願いながら試合を観る事にしましたw

練習試合当日の朝…

寝起き一発目に涼にどうやって責めれば良いかと、唐突に聞かれましたw
1回も涼たちの新チームのプレーを観てないのに……
とは言え、困っていたので1個だけ攻め方を教えました。

  • 1.まず涼がボールを運ぶ

  • 2.ウィングの大翔にパスを出して大翔とポジションチェンジをする

  • 3.大翔から涼にパスを出す

  • 4.金剛が涼の面でポスト

  • 5.涼がポストの金剛にパス

  • 6.金剛勝負or涼、大翔カッティングで金剛からパスをもらい勝負

私「これでイイからやってみろ!どうせオフェンスの動きなんか練習してないんだろw」

涼「してない…ありがとうやってみる!」

しかし、試合前に忘れたらしく会場で3回も涼から聞かれる始末…w

これをやったからと言ってどうとかでは無いのですが、涼なりにオフェンス時にオフボールの人の動きが悪いと感じていたのでしょう。

次回は
涼たち初の練習試合!!
鳥川中学校は現在どのくらいの位置にいるのか?
そして、涼たちのプレーは!!!



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