時代はPanther、有料アップグレードの有無を考えてた

20年前の連載を引っ張り出して37回。時代はようやくMac OS X 10.3 Pantherへとたどり着きます。

あとあと振り返ってみて、OS Xもここで一つの完成を見たかなと思わせてくれたバージョンです。10.0から10.1 Cheetahまではとりあえずの顔見せ的な。10.2でいろいろ未来はこうなるぞというところを見せてくれて、このPantherで安定性と未来を成し遂げてくれたバージョン、それがPanther。

…のはずなんですが、いま振り返ってみてあんまり記憶に残ってないんですよねー。前後のリリースであるJaguarとTigerの方がインパクトはあった。やはり文中でも触れている通り、マイナーバージョンアップの印象が強かったのでしょうか?でもSnow Leopardなんかマイナーバージョンアップっぽいフリをしながらその後も名前は重要視されるようになるものもありますから、一概にマイナーが悪いというわけではないのですが。ちなみにSnow LeopardはそのあとのLionでサポートされない機能が満載だったためにしつこくユーザーに使われたバージョン。つまりは、次が出てみないと本当の価値は測れないということでしょうか。

ということでこの話題。この時期Mac OSはまだ有料アップデートなのでした。

Mac OS Xのメジャーバージョンアップは、Snow Leopardまでは毎回$129かかってました。基本毎年出るものだったのでなかなかの出費です。セキュリティ向上のためにみんなアップデートしてねーというには、ちょっとデカい金額。OSですからね。で、そのあとグッと値段は下がって$29。さらにMountain Lionからは$19という価格設定になっていきます。ここまでくれば無料にしては?とも思うんですが、会社としてそうもいかなかったんでしょうかね。

というわけで無料になるのは Marvericksから、2013年ということです。この連載から10年かかってます。使っている側としては、支払いの額よりも支払いがゼロかどうか、ということが1番の障害になるでしょうから、この決断はとても大事だったことでしょう。ちなみにWindowsの方はWindows 10になってから同じく無料でアップグレードできるようになってます。ただWindows 10にするのにはいくらかかかってしまうそうだったのですが。すみません、あんまりわかってないです。僕がWindowsちゃんと使い始めたのはその後だったもので。ということで2015年にはWindowsも無料アップグレード、OSのアップグレードではお金を取らない時代に入りました。セキュリティの重要性が一般にちゃんと認知される時期と被っているようにも思えるので、時代の要請という感じもします。

話を戻して、この時期はまだ開発者の視点としては、新機能をどのようにサポートしていったらいいか?ということに注目してますね。あの時代はまだ、OSのバージョンでサポート対象を決めることがほとんどだったですが、いまはもう少し柔軟に、この機能があるかどうか?この機能のバージョンが十分か?という形でサポートする対象を決めるのが一般的になってます。iPhoneの登場あたりからだいぶ変わってきたのかな、という気がします。ちなみにWebの世界ではそれが普通になってますが、その流れも多少は影響あるんでしょうか。

という歴史をふまえて、今月リリースされるMac OS Venturaを楽しみましょう。

ちなみにVentura、僕が昨年末と今年の春に旅したOjai(オーハイ)がある場所ですので、こちらもご覧くださいw


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