旅の記憶 1994・夏 フンザ ウルタル氷河はどこだ
30年前の夏
僕はパキスタンの山間の街
フンザにいた
ウルタル氷河を目指して歩く
情報もあまりなく
日本みたいに、何号目
みたいな標識がもない
あとどれくらいで着くのかがわからないのは
けっこう不安だ
目の前に広がる果てしない山々
その気になればどこまででも行ける
体力と技術があれば
あと装備も
みんなハイキング程度と思ってるから
めちゃくちゃ軽装
一緒に登っていたご夫婦は
リュックですらない
ちなみにこの時のメンバーは7人
国境を越えた時に一緒だった登山家の1人と
イサクとケンイチロウとガモウくん
それからトルファンからのバスで一緒だった
ヨシダ夫妻が一緒だった
ご夫婦は1時間半ほど登ったところで
限界を感じて引き返した
大人の正しい判断だったと思う
一方の僕といえば
自分の体調も体力も顧みず
やめ時を見失っていた
若かった
それでも見える景色は素晴らしく
きついのは間違いないが
それでもやめられなかったのだろう
それでもようやく終わりは近づいていた
続く
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