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「ベイトマンニュース」人間が本来持つ力を信じる。

放射線科で働き始めて改めて思うのは、「人間が本来持っている自然治癒力は(自分が思っているよりもずっと、ずっと、)素晴らしい」ということです。
骨折した患者さんが、ほんの数日後にレントゲンを撮りにくると、もうすでに骨がひっつき始めていて、その速さにはほんまにびっくりさせられます。

私は今までずっと病院で働いてきました。病院というのは基本西洋医学が中心で、悪い所を探し、その部分を切り取ったり薬などで治療をする、または症状に対する対症療法という、悪くなっている部分と現れている症状のみに焦点を当てた医療を行っているのが普通です。
なぜそこが悪くなったのか、なぜ病気になったのか、というところはほとんど考えない。(実は患者さん自身も考えないんですけどね。笑。)病気になるには(一部を除いて)それなりの原因がある場合が多く、特に慢性疾患の大半は生活習慣によるものです。だからたとえ悪い部分を切り取ったり、薬で抑え込んだりして一旦治ったとしても、また再び病気になることも度々あるわけです。

そんな医療(特にイギリスで行われている医療)に疑問を持つようになったのはいつ頃からやろか。
繰り返しになるけれど、医師は病気や悪い部分のみに目を向け、「患者さん」をみない。その患者さんがどんな生活をしているのか、どんな仕事をしているのか、どんな環境で暮らしているのか、そんなことは現代の医療にとっては重要ではない情報なんです。
確かに痛みが強い人の痛みを和らげたり、辛い症状を緩和することは大事な医療の一つです。でも身体が「症状」を発信しながら、人が本来持っている自己治癒力で身体を治す方向に導いている途中で、その大事な症状を薬で無理矢理抑え込んでしまうのは、身体にとってほんまにいいことなんやろうか。

コロナによって多くのイギリス人が命を落としたこと。そのほとんどが慢性疾患を抱えていたこと。
そして私自身もコロナ禍に更年期を過ごし、医師に診てもらうこともないまま身体の変化を体験したこと。そんなことが重なって、医療ってのは一体なんなんやろう、どうあるべきなんやろう。と考えるようになっていきました。

合気道の稽古をずっとやってきたことも大きいのかもしれません。人の身体は神秘に満ちていて、目には見えない気が通り、呼吸や姿勢によって身体が整ったり思わぬ力が出たりする。そういう東洋の考えや身体と心を一体にみることが、人として自然であたりまえで、強いことなのを合気道を通して経験しました。

昔は自然の流れの中で生きることが当たり前で、医療はそれぞれの暮らしに沿ってあったと思います。
というより、昔は医療が今ほど発達していなかったので、自然治癒力ではどうしようもなくなった部分を助けることがメインやったんやと思います。それが医学の発達に伴って、いつの頃からか患者さん全体をみることなくがなくなり、専門分野として部分部分に切り取るようになり、ただただ悪い部分を排除したり抑え込む、今の医療に変わっていき、そこに歪みが出てきていると思います。

人の身体はほんまにすごいと思うんですよ。
私たち自身も医者や薬に頼るだけでなく、まずは自分の身体の声を聞いてみる。もっと自分の身体を信じてみる。そして信じられる身体をつくることが大事やないやろか。
そして医療は「抑え込むもの」「悪いところを排除するもの」から、「整えるもの」「サポートするもの」に変わっていく時期にきているんやないやろか、とつくづく思いますね。
私たち自身が食べ方、身体の使い方、気持ちの持ち方など自分の生き方と向き合い、問題を起こしている原因を考える。まずはそこから、かな。

ウイルスはほんまに人類の敵なんやろか。将来どんな影響が出るかわからない注射で排除することがほんまに正しい選択なんやろか。
痛みや痒み、アレルギーや発熱など、身体が治そうとして起こしている症状を、ただ力づくで抑え込むだけでいいんやろか。
今までずっと医療の現場で働き、人にとって医療がどれだけ大切かわかっている自分やからこそ、今のままの医療の危なさを感じます。今の医療はほんまに治すことを最終目的にしてるのかな、と疑問に思います。
まずは人の身体の素晴らしい力を改めて知ること。そこから始まるように思います。

追伸;今回は慢性疾患に対する医療の考えをメインに書きました。病気の中には自分ではどうしようもなく発症し、現在の医療によって治癒に導くものも数多くあることは十分理解しています。もしこの文章を不快に感じられたらごめんなさい。


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