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小説 最高の休日5

ジェルボールペンの新色、 ぽってりしたフォルムがかわいいラインマーカー、やることリスト付箋…。

無印良品の文房具売り場だけでも、スマフォでみたことあるような文房具がたくさんあった。ラインマーカーを手にとり、試し紙に書いてみる。目に優しいパステルカラーがスルスル現れ心が弾む。これは買うしかない。迷ったが1本より5本セットの方が特なようなので、それをカゴに入れた。ついでに家でなくなりがちな赤ボールペンを数本入れる。子どもの宿題の丸付けにないと困る。昨夜もさがして時間を潰したのだ。

真帆は自分なりに厳選した文具をカゴにいれると、奥の食料品コーナーに向かった。お菓子にお茶にレトルトカレー。試しに買いたいものはたくさんある。食料品は健康のためと思えば、多少出費が多くても許されると真帆は思っている。消えてなくなるのも良い。

最近、肌が荒れがちだからと皮膚によさそうなハトムギ茶、カフェインを控えるためにルイボスティー、身体に良さそうで子どもにもあげたい黒豆茶…ティーパック式のお茶をカゴにいれる。

無印良品のお菓子といえばバームクーヘンらしいが、真帆は高校生の時以来食べてない。20年ぶりに食べてみようかと、棚を見る。バナナ、抹茶、チョコなど、聞いてはいたが数えきれない程の種類がある。とりあえず、抹茶とチョコ、季節限定のさくら味を2本づつ買うことにする。誰かにあげてもいいし。

あとレトルトカレー。の前に炊き込みごはんのモトが目に入る。これ便利そう。夕飯のおかずがないとき、この炊き込みごはんを主食兼おかずにすればいい。外食するよりよっぽどお金かかからないから良いと、カゴに足す。あとフリーズドライの味噌󠄀汁。たまに味噌󠄀汁がどうしょうもなく飲みたくなる。でも一から作るのはめんどくさい。そういうときは神のように助かるだろうと、目に入ったものをいくつか、なめこの赤だしは3個入れておく。

そういえばフキンが良いらしい。試しに買おう。あと今、ザルがない。パスタを茹でたあと湯切りするザルがなくてこまっていたのだ。無印のは使い勝手が良いそうなので、買おう。次にいつ来るかわからないし。

「11500円です」
7000円ぐらいのつもりでいたが、バーコードを通される度金額は上がり、白い綿シャツを着た店員から告げられたのは予想以上の額だった。「やっぱりこれとコレは買いません」と返す気にもなれず、真帆はさも当然のようにカバンから財布をだした。口座から下ろしたばかりの1万円2枚を抜き取る。電子マネーやクレジットカードは使わず、現金でやりくりするのが最大の節約だと真帆は信じている。

ちょっと買いすぎかもだけど、どれも必要なものだし、たまにだからいっか。
真帆は赤字で「無印良品」と書かれた大きな紙袋を手に店をあとにした。







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