見出し画像

小説 最高の休日 2

「なに、今の…」
しびれが残る腕を振る。スマフォを開けると 9時15分。ヤフーの画面を出す。「突然、腕がしびれる 原因」で検索してみよう。
「あれ?」
おかしいな。この画面、そしてこのラインナップ、昨日のこの時間に見た気がする。上から4番目に「NEW」で芸人のわいせつ問題がでていて、新しく証言した女の画像を検索している内に1時間使ってしまったんだ。
「明日 金曜日の天気 晴」とも出ている。ん?明日?明日は土曜日だよね。

立ち上がりテレビのリモコンを手にとる。電源をつけるとNHKらしき画面。チャンネルをかえていくと、渋い顔をしかめた反町隆史がでてきた。あれ?このドラマのこの話、昼間見たよね?そうだよ、見逃し配信みたじゃん、2倍速で。わたし、この続き知ってるんだけど…。

何かがおかしい。そうだ、理人と奏人は?真帆はこども部屋のドアをあけ、2段ベッドにかけよる。2人とも緑色のパジャマを着ている。これ、昨日着てたパジャマだ、さっきまでボーダー柄だった。2組あるパジャマを毎日交互に着せてるからすぐにわかる。
おかしい。床に投げたスマフォを拾った瞬間、ラインが鳴った。開けると例のグループラインだった。
「土曜日、18時から○○で予約とってるので、よろしくおねがいします」
直後に、ミッキーマウスの了解スタンプが現れた。続いてプーさんと9:20。
この流れ、知ってる。昨日ここでネットサーフィンしている途中に気づいたが、特に反応せず放置したんだった。

時間が戻ってる。24時間前の9時15分に戻ってると真帆は確信した。ついにタイムリープできるようになったんだ。願えば叶うという言葉はほんとだった。今日をやり直せる。いや、新しい明日を作るといった方が正しいのかもしれない。こんどこそ、有意義な最高の休日を過ごそう。
真帆はスマフォを充電器にさし、洗面台で歯を磨いた。スウェットに着替えベッドに潜る。最高の休日を過ごすためには、最高の睡眠からだ。寝るの大事。戻ったからには明日は二度寝せず朝から出かけてスタバにもいって…としばらく頭をフル回転させていたが、次第に眠りが訪れた。


ありがとうございます。励みになります。