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#好き006 スタンド・バイ・ミー

若いころから映画はたくさん見てきたのに、特別に好きだと思える映画が思い浮かばない。若いころに好きだった映画で、今でも変わらず好きだと言える映画が全然思い浮かばないのは正直意外だった。小説や漫画ならたくさん思いつくのに。

そんな中、思い出したのがこの映画。これまで何回見ただろうか。
ジブリだとかAKIRAなんかのアニメ映画は何度も繰り返し見たし、金曜ロードーショーで繰り返し放送される「天使にラブソング」とか「ホームアローン」なんかも何回か見たけど、地上波では放送されない実写映画に関しては、年を重ねて何度も繰り返し見続けている映画は意外と少ないことに気がつく。でもこの映画は数年おきに見てきたし、これからもきっと見続けると思う。

最初に見たのは小学生のころだと思う。グーニーズドラえもん映画のような、友情と冒険の物語だと思って見始めたが、見終わったときの印象はもっと暗くて重くて怖い映画だった。当時これがおもろいと感じたかどうかは忘れたけど、何らかの強い印象は残った。

高校生で見たときには、スティーブン・キングを意識していたし、すでに自分も12歳の少年ではなかったので、グーニーズとは明らかに違うものとして、映画の雰囲気を楽しんでいたんじゃないかと思う。

大人になってから見た感想は、怖いという感情とは異なる残酷さと哀愁を感じる。不遇な環境だとか、突出した才能でもないと抜け出すことができない厳しい現実だとか。それに抗おうとしている、子供たちの何気ないセリフと視線が痛く胸に刺さる。また、私自身が子供だったときに行った無鉄砲な小さな冒険の数々に想いを重ねる。大人になることで得たものもあるけど、失ったものも多いという事を考えさせられる。

映画の終盤、主人公が大人になり作家として子供時代を回想する場面がある。これがグーニーズとの決定的な違いでもある。大人になってから見返すまでは、この回想シーンの印象はそれほ強くはなかった。でも、今となっては、この回想のシーンこそが全てとさえ思えてくる。文才のあった主人公を除くと、他の仲間達はろくな人生を歩んでいない。そして、そこにスティーブン・キングを感じる。


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他にも、これまでの人生で私が特に好きだと感じたものを記事にしています。一覧だけでもぜひ見てください。


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