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#好き022 平家物語

これまでの人生で、最も好きなアニメ。
私にとっては、あらゆる要素が奇跡的にマッチした作品である。

800年以上ものあいだ、途切れることなく改良を重ね語り継がれてきたその物語は、古典とは言え、現代人の心をも揺さぶる。アニメによるオリジナルの脚色もあるが、物語の大まかなストーリーはすでに知っているにもよらず、回を重ねるごとに、その物語の行く末に心を奪われた。そして、全話を見終わった時には、これまでに感じたことがないほどのアニメロスに陥った。

構成、色彩、音楽、声優、作画、などどれをとっても素晴らしい。また、まるでレンズのあるカメラで撮影したかのようなアニメーションの演出もよかった。繁栄と盛衰、生と死、無常さなど、平家物語のもつテーマを、季節の移ろいと供に美しく表現している。そして、悲しいだけの物語ではなく「いつか」「またこんど」という言葉には、未来への希望を感じることができる。それらを総合的に一つの作品へとまとめた山田尚子監督が凄いのであろう。なお、同監督の新作映画の「きみの色」のPVでは「聲の形」では見られなかったような、平家物語のアニメーションの影響を感じた。監督と脚本と音楽だけでなく、作成スタジオまでも平家物語の時と同じなので、その影響かもしれない。いずれにしても山田尚子監督には今後の活躍をとても期待をしている。

アニメ平家物語の魅力は沢山あるが、その一つに羊文学の主題歌がある。この曲が、確実にこの作品の魅力を引き上げている。

しかし、私にとっての平家物語の一番の魅力は、これまでに上げたいずれでもなく、高野文子によるキャラクターの原案にある。もともと全くのノーマークであったアニメ平家物語だったが、たまたま見かけた京都の原案展示のサイトに目を奪われ、それをきっかけに視聴したのである。

高野文子は「美しき町」の記事でも紹介した漫画家である。アニメにおけるキャラクター原案のみという関わり方では、その魅力が損なわれはしないかと心配をしたが、期待を裏切ることない素晴らしい作品で、とてもうれしかった。


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他にも、これまでの人生で私が特に好きだと感じたものを記事にしています。一覧だけでもぜひ見てください。

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