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大麦の分析(Gerstenanalysen)について その2 - 機械での調査(Mechanische Untersuchungen) -

昨日のGerstenanalysenの続きです。

前回は手での分析についてだったので今日は機械での分析についてです。
※また長いです

2.機械での調査(Mechanische Untersuchungen)

そのまんまですが、機械での調査は、物理的な度量単位 (重さ - グラム / 長さ - メートル など……)に基づく。ビール大麦の判定は大麦の粒の重さ、大きさ、そして固さによって定められる。追加で粒の性質に基づいて色も調査さあれる。

内容としてはざっと以下の感じ。

種類分け(Sortierung) / 重量測定(hl- Gewicht) / Tausendkorngewicht / もろさ(Mübrigkeit)

種類分け(Sortierung)
種類分けは機械での調査の中で最も重要なものである。
種類分けの結果で、大麦の割合分布は、Vollgerste(第1品種)、飼料用大麦(Futtergerste / 第2品種)、微粒大麦 (Ausputz これ謎)の割合分布を示している。

↑こういう機械を使います。
麦芽大麦の主成分である抽出物の含有量は、醸造家にとって麦芽大麦のもっとも重要な性質であるため、醸造家は、できるだけ大粒でポッテリとした粒を求めている。
この考察に基づいて、上のようなふるい分け装置を使用して、穀物のサイズ比、ひいては期待される抽出物のサイズ比の概要を迅速に得ることができる。分類器は、幅2.8mm、2.5mm、2.2mm、底板を上に重ねて配置して構成されている。

Vollgerstenanteil(これなんて訳すんやろ……。)の標準値
平均的な状態で最低85%
細かい(fein)大麦で最低90%
Ausstichgerste(これもなんて訳すのか……。)で最低95%

Ausputz(これもわからん)の標準値は……
掃除の行き届いていない大麦で4%以上
平均的な大麦で3 - 4%
細かい(fein)大麦で2 - 3%
Ausstichgersteで2%以下

使い方は:
・100gの大麦を0,01gまで計って上部のプレートに入れる
・1分振る
・割れた粒、異質な粒、焦げた粒をそれぞれのふるいから選別し、下のトレイに加える
・底板と同様に各ふるいの大麦重量を決定
・パーセンテージ分布の決定

例)

画像1

※層1=2,8mm 層2=2,5mm 層3=2,2mmです

重量測定(hl- Gewicht)
ヘクトリットルの重さは、100リットルの大麦の重さが何キログラムかを示す。大麦の粒の主成分である内乳(デンプン)が最も高い比重量を持つため、HL重量が高いことが良質な麦芽大麦の基準となる。しかし、HL重量は、粒の形状(長い粒や細い粒)、含水率(10%~20%)、脱穀や洗浄の仕方(傷や穀物と茎の分離不足、石や不純物)などに影響され、麦芽大麦としてのクオリティーについて誤った方向に導くことがある。このため、大麦はヘクトリットルの重さだけで判断してはいけない。しかし、大麦のHL重量と麦芽のHL重量の差は、麦芽の評価に利用することができる。

(空気)乾燥大麦(Lufttrockene Gerste) の標準値
正常値: 68 - 75kg
限界値: 65 - 78kg

↑こういう機会を使う

試験方法
・計量器具は1/4リットルのインペリアル・グレイン・スケーラー(?/ Reichsgetreidwaageとあるけど、そういう名前の秤という認識でいいのか)
・計量容器、充填パイプ(Füllrohr)、ナイフを基準に則って設置。
・大麦のサンプルから、充填パイプが端までいっぱいになるように満たす。
・ナイフを中から外へ引っ張り出す。大麦が計量容器に落ちる。落下錘を使って大麦サンプルを圧縮し、できるだけ正確な分析ができるようにする。
・ナイフを再びスリットに戻す。充填パイプを取り外し大麦を大麦のマスターに戻す。
・天秤梁の片側に計量容器を、もう片側に計量皿を吊るす。

Tausendkorngewicht
(これなんて訳せばいいんやろ、1000粒の重量?遊戯王感が拭えんな……。)
Tausendkorngewichtは前出のHL重量測定よりも分析として説得力がある。正確性が高いのは、Tausendkorngewichが増加すると、麦芽大麦に含まれる第一品種の割合が増加し、その結果、抽出物の含有量が増加するからである。
抽出物以外にも、タンパク質が胚乳中にも存在することから、タンパク質含有量11.5%までは大麦の抽出物含有量も増加すると考えられる。しかし、含水率が高くなると重量が増加するため、不正確な結果になる。この不正確さをなくすためには、Tausendkorngewichtを乾燥物体に換算する必要があります。

↑こういうの

試験方法
・大麦のサンプルから40gを二回量って取る。
・上記の両サンプルの粒数を計数盤(Zählbrett / なんか麦の粒が収まるおろし金みたいなやつ)を用いて決定する。
注:計数盤には完全な大麦の粒だけ配置する。別種の穀物、割れた粒などの汚染物は取り除く。取り除かれたものの重量は元の重量から引く。重量は乾燥された無水の粒でもって算出する。計算結果は小数点第1までの数字で算出する。


もろさ(Mübrigkeit)
もろさは精麦場での大麦の加工に関する性質と、期待される麦芽の指針になる。品種に加えて、植生条件(天候)は、穀物のもろさ/硬さに決定的な影響を与える。

↑こういうの(Kornschneider)をつかう

試験方法:
・一致する数(だいたい25か50粒)の大麦を機器にセットする。
・余剰の粒は、機器を空にすることなくサンプルに戻す。
・ナイフ(機器によると思うけど中間層のもの)で試験を実行する。
・濁った(グレーの)粒と半分くらい濁った粒を正確に数え、結果をメモする。
・2つの半濁りの粒は1つの完全な濁った粒としてカウントする。
・検査数が100粒になるまで繰り返す。
・計算する(% = 100 - 完全に濁った粒 + 半分濁った粒 / 2 (最低でも80%になるように) )


次は生理学的な調査(Physiologische Untersuchungen)についてまとめたいけど水曜日にテストがあるからバランスとりつつ頑張ろうと思う……。

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