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盆栽の管理向上をめざして 2:所有盆栽のリスト化

スタートレックの盆栽工場で黄色いロボットアームがベルトコンベアで流れている真柏の盆栽に品質管理用の札を取り付けている様子

タイトル画像:Canvaのマジック生成を使用

はじめに

年初に盆栽管理の向上を目指す目標を立てました。現在、そこへ向かってぼちぼちと進めています。

今回は、管理の手始めに所有盆栽のリスト化を行いました。
盆栽愛好家はみな何かしらの方法で所有盆栽を管理されています。

記憶していたり、紙に記録していたり、SNSに写真を投稿していたり。

私は盆栽を始めて数年経った時、おじよりたくさんの盆栽を譲り受けました。
そのとき、盆栽のリストを受け取っていました。樹種、入手先、入手日、用土、植替日など。とてもきちんとしたリストでした。

おじから譲り受けた資料

私も何かしなければと思いながら、今まで決まった方法で管理することはありませんでした。
きちんと管理する自信がなかったのと、そもそも管理する対象を決めかねていたところがあります。

Canvaのマジック生成を使用

何を管理するのか

盆栽は「盆」と「栽」が合わさって出来ています。つまり、鉢と樹が合わさった状態のものが盆栽です。ある人は鉢、樹をそれぞれ管理したいと思うでしょう。

盆栽には完成木もあれば、苗木もあり、成木、苗木、種、草など様々な状態があります。寄せ植えや、剪定後の挿し木、取り木などを考えると、個体としての単位は難しくなります。

また、鉢については、日ごろの管理は駄温鉢やスリット鉢で展示会前になると盆栽鉢へは鉢替えするなど、鉢基準とするのも大変そうです。

私が今目標としているのは、「盆栽の手入れの管理を向上したい。」という目標があります。このため、手入れをするものを対象としたいと考えています。

なので、日々の手入れをする対象である樹や草を中心に考えていきたいと思っています。とはいえ、植物の単位で管理するのは困難です。

今回管理する単位は鉢を基にします。

Canvaのマジック生成を使用

どうやって管理するのか

管理する対象と単位が決まりましたので、次に実際の調査に入ります。所有盆栽を鉢単位でリスト化していきます。

調査の内容について「何か」が必要です。写真、イラスト、文字情報、天候、気温、土壌水分量、ph、などなど。ひょっとしたら、3Dスキャナーでモデリングまでできるかもしれません。

水やり、消毒、肥培、植え替え、剪定など、盆栽に対して行った手入れの情報も管理していきたいと思います。

これらの管理したい項目を列挙していくと、膨大になることが容易に想像できます。また、今はまだ重要視していない管理項目を追加したいと思いこともあるでしょう。

このように考えると、単に項目を列挙してリスト化することは得策ではありません。

膨大な量のマトリックスを管理することになります。
そこで、管理する内容を精査しながらコンパクトに作るために、リレーショナル・データベースを作っていこうかと思います。

そのために必要なことは、所有している盆栽をまずリスト化する必要があります。

Canvaのマジック生成を使用

さてどうするか?

実は今までにも、所有盆栽をリスト化しようとチャレンジしたことはあります。その時の方法は、表を印刷しておいて、棚場の鉢を調べて、手で記入していく方法を取りました。

結果を先に書きますが、この方法でやり始めたのですが、途中で嫌になってやめました。

黒松1樹高20cm、黒松2苗、真柏1、...と付けていく感じです。この方法で表を作ってしまうと、後で照合できなくなってしまいます。

表は完成します。何鉢あるかもわかります。でもそこまで。後で使えない記録だけが残ってしまいました。完成木など、特徴のある樹はよいですが、急に成長してきた苗木については、記録をさかのぼることがほとんどできません。
ここが一番知りたい情報です。

半年前、数年前に、どんな状態だったか?何をしたらどうなるのか?

これがわかるようにしたいのです。

今思うと、列挙のしかたに問題があったのだと思います。

そこで、今回は最後までやり遂げられて、今後もやり続けられる方法を考えました。
ポイントを書いてみます。

・簡単な方法であること。
・やり続けられること。
・後からでもやれること。
・間違っていても容易に修正できること。
・照合しやすいこと。

これぐらいでしょうか。
そんな事を意識しながらルールを決めました。

1.「識別票」を作る。
2.「識別票」を管理したい盆栽鉢に置く。
3.写真に撮る。
4.スプレッドシートに記入する。

以上です。

実際にやってみる

1.「識別票」を作る。

まず、プラスチックの板を用意します。

園芸店やホームセンターで売っている一番小さな札です。でも、うちの鉢を考えると、それでも大きくて入らないものもあります。

小さな苗を安心価格で販売されている盆栽大野さんの札はとても小さく、今回はこれを真似て、小さな札をさらに小さく切り刻んでみました。1枚の板から5枚の札が取れます。

元の札
刻んだ札

次にプラスチックの板に「識別子」を書きます。

今回私が採用したのは1から始まる「番号」を書きます。

本当は何でもいいのです。名前でも日付でも。
でもコンピュータを活用して管理したいと思うとき、とても大切なことが、一つあります。

絶対に同じ「識別子」を付けない。

ということです。このルールさえ守れれば、なんでもいいのです。
もし同じ「識別子」を付けてしまった場合でも、後から注意深く異なる「識別子」に変更すれば良いこととします。

今回数日にわたって盆栽や苗に対して、「識別票」を付けました。
もし間違って、数字を飛ばしてしまった場合は、そのまま放置です。穴埋めしません。
もし間違って、数字をダブらせてしまった場合、例えば、「123」、「123」となった場合、「123」、「123-2」とします。

ぐらいのルールにしておきます。
枝番の付け方や欠番の処理に対して細かなルールを設けても、あまり意味がありません。
あくまでも、「識別子」の役割に徹底させることがとても重要です。

今までの私の失敗は欲張って「識別子」にほかの意味も併せて持たせようとしたことです。
「樹種+序数」を使ったときは、序数が樹種ごとに必要になりました。これらを管理するだけでも大変です。
また、そもそも「樹種」が誤っていたことがあります。ずっと黒松だと思っていたものが赤松だった時です。

本当は赤松だったものが黒松という名前で識別されるのはつらい話です。

と思っていたら、盆友のまるこさんが投稿されていた内容

盆栽あるあるなんでしょうか。
でもこれはこれで味があります。

すこし脱線してしまいました。

2.「識別票」を管理したい盆栽鉢に置く。

写真に撮りやすいようによく見える場所に挿します。
今後の植え替えでなくならないように注意します。

3.写真に撮る。

識別のために写真を撮っておきます。

ここまでの作業を数日掛けて行いました。
草、苗木を合わせて約200鉢。作業量としては1日あればできる作業ですが、あまりに単調な作業のため、すぐ飽きてしまいます。無理やりすると、完全に飽きてしまうので、ほどほどにしながら作業を進めます。

4.スプレッドシートに記入する。

この結果をまずは何かに記録するため、Google SpreadSheetに写し取ることにしました。

簡単にデータ構造を考えておきます。

key(text):識別票に記入した識別子、文字や記号を書いてもいいようにtext型で管理します。
exists(boolean):存在フラグ。最初はtrueですが、枯れたり、譲ったりで、札が不要になる状況が発生するとfalseにします。
note(text):備考欄です。自由に何でも書いてよいことにします。今後データベースを発展させていく過程で、項目が必要になった時点で、都度整理することにします。

出来るだけ意味を持たせないように努力すると、とても味気ないリストになってしまいます。
いろんな情報は後からぶら下げることとして、基本を貫きます。

写真を見ながら、とりあえずnote欄に分かることを記入します。

今回はこのあたりまでの作業にいたします。

さいごに

盆栽の管理向上を目指してそのための装置作りを考えるとき、まずは手持ちの盆栽の管理から始まると思い、その管理方法について考え始めることにしました。

私の場合は、最初にあれこれ考える割には動かし始めるとだんだんと適当になってくるので、どこまで初志貫徹できるのか分かりませんが、とにかくやってみようと思います。

今回こだわった「徹底的にスリムなデータ管理」は気に入っています。
これならば続けられそうです。

Google Spreadsheetを使ったこともよかったと思います。今の時点では、無料で使えるので、もし今後この管理方法が使えそうであれば、他の方にも使ってもらえるものとなります。

おそらく読者の皆様には「こんな管理で何ができるのか?」と思われそうですが、リレーショナル・データベースが構築できると欲しいデータが欲しい形で手に入ります。それを夢見て、少しずつ、広げていこうと思います。
次回のテーマは写真データの活用方法について考えます。

スマホデータでもうすでに約1GBです。シェイプアップして、クラウドに置いておきたいと思いますが、さてどうなることやら。。。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。
今回もCanvaのマジック生成に挿絵をたくさん書いてもらいました。
大変助かっています。

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