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【日韓モヤモヤ本】モヤモヤは成長のタネ

『日韓のモヤモヤと大学生のわたし』が順調に売れているらしくて、他人事ながら嬉しい。noteの中でも何人もの方が素敵なレビューを書いておられるので、あちこち読みまわっては共感している。一応読み終えた私も何か一言感想をと思っているうちに時間が過ぎているのだが、この本で学んだことやおすすめポイントについて書く前に、とりあえず「モヤモヤ」という単語だけについて考えてみた。

それは、「モヤモヤし続けてこそ私たち成長するよね」ってことだ。

この本を読むと今まで閉じ込めていたモヤモヤがあふれ出してしまう。見ないようにして生きていくこともできたのに、知らなかった以前には戻れない。しかし、こんな大きなテーマに取り組もうと思ったらえらいことになりそうで、いっそのことそっと本棚に戻したい。

もしかしたら、モヤモヤ本は読者をそんな気分にさせるかもしれないなと思う。

でも、一つわかったらすぐにまた一つ疑問が出てくるのが学ぶってことだ。その疑問がすぐに解消しなくても、いつか答えを見つけられたらいい。疑問は疑問のままで大事に抱えてこそ私たちは成長する。若い人だけじゃなくて、大人になっても、モヤモヤは成長の種だ。

今、生きていくだけで精いっぱいでそれどころじゃない場合は、モヤモヤを捨てるんじゃなくていったん保留し、しかるべき時にまた取り出すというのでもいいと思う。とりあえず本を積んどくだけでも良し。問いを捨てて後退するよりはマシだろう。

私は最近めっきり本を読んでもすぐ忘れるし、知識があやふやだからちょっと議論したらすぐ負ける(議論に弱いのは昔からか)。それでも、いくつになっても学ぶことは楽しい。新たな知識を身に着けることが、というよりも、今まで知らぬ間にまとってきてしまった偏見や誤りを捨てることができたときの、心が軽くなるような学びが好きだ。

モヤモヤは「矛盾」と言い換えることもできる。矛盾があるから、人間も社会も発展してきた。現実に適応しようとして苦しむよりも、現実をより生きやすく変えるためにモヤモヤしながら何かをしよう。モヤモヤし続けられる大人でいたい。執筆した学生たちの意欲や勇気に触発され、やや大袈裟な決意を新たにしている。

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