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ペットロス

マロンが亡くなってからの日々はフッと寂しさを感じることがありましたが、マロンがいなくなった実感があるような・ないようなフワフワと不思議な感覚で過ごしてきました。

パパは未だにペットロス中で、マロンが亡くなる前にスタジオ撮りした写真を選びにいかなくてはならないのにあの場所には行きたくないと言います。
撮影前トイレをさせようとした時、マロンが路上で突然倒れ呼吸があがって失禁してしまいました。
その時はもうだめなんじゃないかと思いました。そんな記憶が蘇るからあの場所へは行きたくないそうです。
それでも、もう皆で撮ることはできないんだから一緒に写真を選びに行こうと話すと……早く済ませよう。の一言でした。
パパは何も話さない日があったり、急に苛々したり、やるせない気持ちがあるのではないかと思います。

リズムは食欲はあるし、散歩も楽しみにしてくれています。
後追いも少なくなってきたように思いますが、夜はだめです。
寝ていても私が動くとどこまでもついてきます。足腰が弱いのでついてこないように扉を閉めるとその前に張り付いて戻るのを待っています。

私はその二人に囲まれて、なんだかわからないフワフワした感情の中で毎日を過ごしてきましたがもうだめみたいです。
心が疲れてしまいました。フワフワした気持ちの中には心配させないように振る舞おうとしている自分、パパとリズムを見守らなければという責任感のようなものがあったのかもしれません。

ここ数日はなんのやる気もおきません。それでも家事など必要な事はこなしています。ゆっくり寝ていてもいいのに、それでもちゃんとやらなければと思う自分にも疲れてしまっているのかもしれません。

マロンは小さい頃から抱っこが嫌いな娘でした。
抱っこしようものならダッシュで逃げる自由奔放な娘でした。
大きくなってからは16kg前後ある娘を抱くのはこちらが大変でしたし、抱く場面自体がそれ程ありませんでした。

亡くなってから葬儀までの二日間たくさん抱っこしました。
死後硬直が始まり硬くなってしまった体も抱きました。死後硬直が解けて体がグニャグニャになった娘を抱きました。葬儀に連れていく直前まで抱っこをしていました。

ここ数日、その抱いている感覚が蘇っています。
グニャグニャに脱力してしまっていたけど、とても穏やかな表情の娘を抱けた喜びと悲しさ。

私よりも深い悲しみを感じているパパにはこの気持ちを言えません。だからといって家族や友達などリアルにマロンを知っている人と話すのは私が辛すぎて気がすすみません。

ペットロスが始まったのかな。ちょっと心が疲れてしまいました。