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vol.14_「理念経営」は正しいのか

2023.02.13

経営において
確固とした「理念」を掲げて貫くことは
必要なことなのか、そうじゃないのか

これには賛否両論あるのではと思っています。
正直、大した理念などなくても
国内上位1%に入るような大きな収入、資産を持つ
いわゆる「成功者」の人も大勢います。

ちなみに私は
どっちかと言うと賛成派です。

【理念が浸透した組織の真価】


学生時代、私の趣味は「バイト」でした。

引越屋、大型トラックの配送助手、建設
K-1選手の案内役、家庭教師、キャバ嬢の運転手など

頭使う系からガテン系まで、結構色々やりました。

その中でも一番好きだったのが「飲食店」でした。

接客も調理も、仕事終わりに先輩に連れて行ってもらった遊びも含めて
当時自分の知らない色んな世界を拡げてくれた経験でした。
それはもう、学校の友達と遊ぶのなんかより
何倍も楽しく、熱中したものです。

そんな飲食店の仕事で
私の人生に特に大きく影響を与えてくれたのが
地元のラーメン屋
でした。

駅から徒歩5分ほど、カウンター11席の小さめな店でしたが
最高月商で700万ほど売る、ちょっとした繁盛店でした
(雑誌の取材なんかも何回かある店でした)。

なんでこんな話をしているかというと
実は私、このラーメン屋さんの経営理念を
今でも暗唱できるくらい覚えている
のです。

【理念は体現されてなんぼ】

そのラーメン屋で働いてたのは
もう15年くらい前のこと。
しかも、私は只のバイトの一人でした。

それが今でも経営理念を一字一句覚えているって、
すごくないですか?

これは「私の記憶力が」ではなく
それだけ浸透させた会社や教育体制がすごいのです。
(多分私以外の当時のバイトメンバーも暗唱できる人いると思います)

「クレド」のようなツールはありませんでした
(社員さんは持ってたかもしれませんが、
 バイトにはそんなのはありませんでした)

それでも何故そこまで染み渡らせることができていたのか?
その答えは毎営業前の「朝礼」でした。

昼営業開始前と夜営業開始前の10分間(15分?)
毎回、必ずそのシフトメンバー全員で朝礼を行い
毎回、理念や行動指針を全員大声で暗唱していました。

かつ、その理念暗唱後に
これから始まる営業の中で自分はその理念を踏まえて
どんな行動を心がけるか?「何」のNo.1になるか?

バイトも社員も含めて、一人ずつ発表するんです。

今思えばすごい仕組みでした。

事実、それが10年以上経った今でも頭に残っている訳ですし
そういったセットアップを事前に済ませることで
常にその「指針」に基づいた行動がとれるのです。

事実、たかが一バイトだった私も
営業中その「指針」が頭をよぎって思考・行動変化するような体験が
多々ありました。

メディアにも度々掲載され、11席で月700万売る
という高いパフォーマンスの裏では
確実にそういった「理念浸透」が機能していたと思います。

世の中にはもっとすごい年商規模や、坪単価を誇る
すごい繁盛店は、数多くあると思います。
でもあの時の店の仲間は「最高」だったと
今でも胸を張って言えるくらいのチーム
でした。

理念を掲げ、クレドを作っている会社は数多くあると思います。
ですが、言葉にして終わり、クレドを作って完成
ではなく、末端まで浸透してなんぼ。
それが行動に現れ、結果に結びついてこそなんぼ

と思っています。

【それでもまだ「理念経営が是」かはわからない】

と、そんな昔エピソードをつらつら言いつつも
正直「理念経営が本当に正しいのかどうか?」
の答えは、自分の中ではまだハッキリと持っている訳ではありません

というのは、
まだ自分の中で、本当の意味で何かを「達成した」経験がないから。
何を以て「本当の達成」なのかは難しい所ですが。

「だから理念経営は絶対に正しいんだ!」
と力強く言い切れるにはまだ至ってないのが本音なのです。
だから「どちらかというと」賛成 程度です。

私の今の仕事はポスティング。
素晴らしい社長と仲間が沢山います。

まだ創業1年に満たない弱小零細企業ですが
今必死に、理念をブラッシュアップし、
一つ一つの言葉について議論し、形作っていってます。

「ポスティング事業をやってます」というと
ちょっと小馬鹿にされるっぽいリアクションをとられることも
0ではありません。

1枚4円、5円といった地道な小銭で
数円、数銭の粗利を地道に積み上げる商売
です。

1発数千万円の不動産や
事業売却で一気に数億、数十億といった金額を手にするような方からしたら
「何やってんの?」という感じ
にみられるのも、
ある意味当然です。

紙媒体の市場なんてこの先泥舟じゃない?と。

ですがそんな逆境と思われる市場の中で
他の誰もがやったことのないような戦略を描き
誰もやってないようなマーケティングを仕掛けて
誰もが認めざるを得ない圧倒的な成果を出していったら
それってめちゃカッコいいんじゃない?と思ってます。

高みの見物をかましてくる”小金持ち”たちを
「まさか?!」と驚かせることができたなら

やっぱり理念経営は正しいんだと
その時私は自信を持って人に言えるようになるんだと思います。

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