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歯医者と医者

読者の中には、歯医者と医者は似たような者と考える人。全く違うと認識していると言う人。様々だろう。

まあ、大学に6年行ってその後国家試験に合格することとか、厚労省の管轄で医療行為を行う事。また、法律でも共通のこともあるので似ていることもある。

しかし、実際は別物である。と感じる事が多々ある。

他の歯医者と話をしていると、医者に対するコンプレックスがある者が結構いる。まあ、これは単に大学受の偏差値が背景にあると考えられる。

私には大学生の娘がいるので、数年前に大学受験と向き合ったのだが、やはり優秀な受験生は医学部を志望している。特に地方の進学校であれば優秀な受験生の受け皿は東京に行かないのであれば医学部しかないのが現状であろう。

今は私が受験生の時よりも、医学部の受験難易度は高まっているように感じる。反対に、歯学部はそこまで難易度は高くないのが実態だ。受験に受かるだけなら、比較的受かりやすい大学もあるようだ。

その為、医学部の受験を失敗して。或いは諦めて歯学部に入学した学生が一定の割合で存在するのだ。その他は、親が歯科医師や自営業、地方出身者だと公務員なんかが多いかな。ホント、私の親みたいに普通のサラリーマンというのは少数派だ。

この、医学部への受験の失敗いう背景から医者に対してのコンプレックスを持つ者が多い。これは、6年間大学の授業を受けることで殆どの学生は気にしなくなっていくのだが、親や親戚中が医者。なんていう環境の者は結構ひきづる事もあるみたいだ。大抵、口腔外科方面に進む。

この、口腔外科では結構医者に近い事を学び、入院患者を診たり麻酔の勉強もしたりするんで、自分が【医科の】外科医になった感覚になっている者もいるようだ。私達が日常行っている歯科の治療と違う領域だ。口腔癌など命に関わる病気を相手にすることもある。

その一方で、一般的な歯科では命に関わる治療をすることは普通はない。また、歯科医院に通ってくる患者さんの多くは健康な方である。日常生活が出来ないとか、会社を休むとかではないが快適な生活が送れないという感じ。

ある先輩歯科医師は、「歯医者は、医者と散髪屋の間みたいなもんだよ」と表現してくれた。医者ほどは深刻な場面に遭遇することはない。散髪屋さんのように気楽な感じで患者さんと世間話なんかすることもある。肩肘張らずに、患者さんの健康という大切なことに関わらせてもらっているが、自分が特別偉いとか凄いとか勘違いしないですむ程度の仕事と考えると丁度良いのではないだろうか。

国によっては歯科治療は贅沢品扱いで、公的保険の埒外としているところが多いのはその辺りにも関係するだろう。

憲法25条の生存権。「健康で文化的な生活」と歯科の関係。冷静に考えると線引きが難しい。

今回は、少し真面目な投稿であった。




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