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10月21日は「バック・トゥ・ザ・フューチャーの日」

10月21日は、バック・トゥ・ザ・フューチャー(以下BTTF)の日なんです。
ここでは、BTTFの日の由来や、映画「BTTF」シリーズの魅力などを語っていきたいと思います。



BTTFとは?基礎知識

BTTFは、1985年に公開されたユニバーサルの映画「Back to the Future」の略です。


まずは、ネタバレをしない程度にあらすじを紹介します。

ロック好きの高校生、マーティ・マクフライが、友人の科学者、“ドク” エメット・ブラウンが発明したタイムマシンのデロリアンで30年前にタイムスリップしてしまいます。

さらに、過去に足止めされることになったマーティは、まだ高校生の両親に出会ったことで歴史を改変し、自分の存在を危機にさらすことになってしまいます。

そこで、マーティは30年前を生きるドクの力を借りて、未来へ帰る手立てを考えることになります。

果たして、マーティの運転 運命は如何に!?


ここからは、作品について少し詳しく見ていきます。

スタッフ

まずは、スタッフを紹介します。

監督はロバート・ゼメキス、製作総指揮はスティーブン・スピルバーグ。かなり豪華な布陣ですよね。当時、スピルバーグは既に「E.T.」などで名を挙げていましたが、ゼメキスはこの映画が出世作となりました。ちなみに、「ロジャー・ラビット」や「フォレスト・ガンプ/一期一会」はBTTFよりも後に製作された作品です。

他には、ゼメキスと共同で脚本を書いたボブ・ゲイル、テーマ曲を作ったアラン・シルヴェストリらがいます。

↓このテーマ曲が、作品をより一層素晴らしいものにしています。


キャスト

次に、キャストを紹介します。

主演のマーティ役を務めたのは、当時テレビドラマ「ファミリー・タイズ」で注目を集めつつあったマイケル・J・フォックス。この映画で一気にブレイクを果たしました。しかし、90年代に入ってパーキンソン病を患い、1998年にそれを公表してからは、原因の解明や治療法の確立に向けて周知活動や支援を積極的に行なっています。

もう一人の主役といってもいいドクを演じたのは、クリストファー・ロイド。彼は、後に映画「ロジャー・ラビット」や映画「アダムス・ファミリー」シリーズに出演しました。10月22日(明日!)で84歳になる現在でも、元気に俳優活動を続けています。

マーティの母親・ロレイン役はリー・トンプソン、父親のジョージ役はクリスピン・グローバーがそれぞれ務めました。
宿敵のビフを演じたのは、トーマス・F・ウィルソンでした。彼は、日本公開時のポスターにトーマス・「E」・ウィルソンと間違って記載されていました。
また、ビフの手下の一人である「マッチ」役は、後に映画「タイタニック」で主人公の恋敵を演じたビリー・ゼインが務めました。

反響

演技派の俳優が揃い、公開された映画は瞬く間に人気が出て、アメリカでは「フューチャー現象」を巻き起こすほどの大ヒットを記録しました。
興行収入は、全世界で約3.8億ドル。日本円に換算すると、約60億9000万円でした。

そして、この大ヒットを受け、急遽続編が製作されることになりました。

続編

1作目の大反響を受け、続編となる「Back to the Future PARTⅡ」と「Back to the Future PARTⅢ」が製作されました。元々この二つは一本の映画になる予定でしたが、アイデアが出てきすぎて尺が2時間を大幅に超えてしまいそうになったため、二本に分割されました。
そして、「PARTⅡ」が1989年11月22日、「PARTⅢ」が1990年5月25日に公開されると、1作目ほどではないにせよ、たちまち大ヒットを記録しました。

BTTFの日

2015年10月21日

2015年の10月21日、「Back to the Future PARTⅡ」で、主人公のマーティと相棒のドク、そしてマーティの恋人であるジェニファーが1985年からやってきました。それを記念して、現実世界での2015年10月21日に、「10月21日はバック・トゥ・ザ・フューチャーの日」とされました。2015年のこの日には、これを記念するイベントが世界中で行われました。

日本のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは、マーティたちが2015年に到着した午後4時29分に合わせてファンが集まったり、アメリカではテレビ番組にキャストが出演するなど、世界各国で「未来の到来」が様々な形で祝福されました。

当時のオバマ大統領も、
「BTTFデー、おめでとう。あのころ夢見た未来に生きられるなんて思いもしなかった。本当にすごい」
とコメントを寄せています。

BTTFの魅力

魅力が多すぎて絞ることが難しいですが、やはり大きいのは伏線の巧妙さだと思います。これが、特に日本人受けが良い理由のひとつでしょう。

日本人の特徴として、「様々なことを論理的に考える」というものが挙げられます。すると、映画を見ていくうちに、「なんでこんなシーンがあるんだろう?」や「なぜこの人は○○が好きなんだろう?」などといった疑問が湧いてきます。(BTTFでいえば、「バンド・オーディションのシーン」や「時計台の保護運動をするおばさん」、「マーティのスケボー好き」など)
BTTFでは、これらの疑問がテンポよく解消されていくので、観ていて、とても気持ち良いと感じる人が多いのだと思います。

 BTTFは、もともと一作で完結する予定だったため、PART1は、前半で伏線をたくさん張り、後半で一気に回収するという構造になっています。それに対して、PART2, 3は続けて製作されたため、PART2で伏線を張り、その後半やPART3で伏線を回収するというつくりになっています。

BTTFの小ネタ&豆知識

BTTFに隠された小ネタや豆知識を、10個に絞って紹介します。


バンド・オーディションの審査員役で、主題歌を歌ったヒューイ・ルイスがカメオ出演しています。

“冴えない男” 風のヒューイ・ルイス


冒頭のドクのガレージのシーンに、プルトニウムが!
後のシーンで登場することになるプルトニウムのケースが、オープニングのシーンにも登場しています。

怪しげな黄色いケースが…


時計にぶら下がるドク人形
これも、オープニングのシーンから。
実は、映画が始まって1分も経たないうちに、クライマックスで起こる出来事を観客に見せていたんです。

最初にして最大の伏線


序盤で実験を行った「TWIN PINES MALL」が、マーティが過去に行って松の木を1本倒してしまったせいで「LONE PINE MALL」に!


しっかり木のイラストも2本から1本に減っています!


「私の名前はダース・ベイダー」!?
マーティが宇宙人のフリをしてジョージを脅すシーンで、マーティは次のように言っています。
「私は、バルカン星から来たE.T.のダース・ベイダーだ」
この3つには元ネタがあり、「バルカン星」は映画「スター・トレック」から、「E.T.」は映画「E.T.」から、「ダース・ベイダー」は映画「スター・ウォーズ」から来ています。

この22年後に本物のダース・ベイダーを見た
ジョージが何を思ったのか気になります


ジョージの最初の小説はまさかの…
これが、ジョージの処女作「A Match Made In Space」の表紙です。
あれ?どこかで見た気が・・・

2人の間にいるのは?


タイムマシンは、もともとは車ではなかった!?
BTTFの初期の構想段階では、タイムマシンは車ではなく、なんと冷蔵庫だったとか。
しかし、「子供が真似すると危ない」という観点、そして何と言っても「カッコよさ」から、最終的にデロリアンが選ばれました。


1985年と1955年のジョージ、ロレイン、ビフの3人は、どちらの時代も同じ俳優によって演じられています。
30歳差を演じ分けるというのは、意外と難しいそうです。確かに、60歳差の方が、THEおじいさん・おばあさん風の演技をすれば良いですからね。20代の役者が中年の役をいかに演じるかということは、その役者の腕にかかっていると言えるでしょう。


BTTFには、編集の段階でカットされたシーンがいくつかあります。
この映像は、映画の本編を見たことがある人のみ見ることをオススメします。

↓カットされたシーン集(再生リスト)


↓NG集



主演はもともとマイケル・J・フォックスではなかった!?
この映画の主演俳優は、なかなか決まりませんでした。初めは、ゼメキスは、制作当時大人気を博していたテレビドラマ「ファミリー・タイズ」に出演していて、コメディセンスにも定評があった若手俳優、マイケル・J・フォックスを第一候補として挙げていましたが、「ファミリー・タイズ」のプロデューサーに、「ドラマの撮影が忙しい」という理由で断られてしまいました。そこで、オーディションを実施し、“上”の意向もあってエリック・ストルツという俳優を主演に抜擢しました。しかし、映画の3分の1を撮り終えても、ゼメキスは「演技が自分の理想とズレている」という違和感が拭えませんでした。

そこで、思い切ってスピルバーグに相談すると、スピルバーグもその違和感を認めました。そこで、ゼメキスは決断をしました。エリック・ストルツを降板させることにしたのです。そして、マイケルに再度オファーを出しました。すると、今度は、ドラマの撮影も落ち着いてきていたため、出演が条件付きで許可されることになりました。その条件は、「ドラマの撮影を最優先にすること」。これによって、マイケルは「平日の日中はドラマの撮影、平日の深夜・休日は映画の撮影」という過酷な生活を送ることになりました。


名作映画だけあって、この他にもたくさんの裏話があります。気になる方は他の豆知識なども調べてみてください。


まとめ

BTTFの1作目が1985年7月3日にアメリカで公開されてから、もう37年以上が経過しています。しかし、今年に入ってからも、土曜プレミアムで3週連続放映されるなど、その人気はとどまるところを知りません。

現在でも新たなファンを取り込み続けているBTTF。観たことがないという人も、もう何度も観ているという人も、BTTFの日に合わせて、ドキドキワクワクの2時間を楽しんでみませんか?

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