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創業 3 年目の IT スタートアップが、社内コミュニケーションの英語化に本気で取り組んだ話

こんにちは!Beatrust 広報担当の Shiori Umino です。
Beatrust は 2020 年 3 月に創業した 3 年目のアーリーステージなスタートアップですが、創業当初よりグローバル展開を見据えて事業に取り組んでおります。当社では、英語ベースでのコミュニケーションを推進しており、全社 MTG などの会話は全て英語で実施しています。社内のコミュニケーション英語化のために会社としてどのような取り組みを行っているのか、HR Manager の Yudai Watanabe / 渡部 雄大 へのインタビューを中心にご紹介します!


Beatrust は「本気で」グローバル展開を目指すスタートアップです

冒頭でもお話した通り、Beatrust は創業間もないアーリーステージの段階から事業のグローバル展開を見据えています。実際に前年 2022 年  4 月の資金調達以降、グローバルアクセラレータープログラムへの採択を通じたマーケットリサーチや、欧州最大級のスタートアップイベント「4YFN 2023」への出展など、海外ネットワークの構築にも力を入れて取り組んでいます。

また、外国籍メンバーの採用も積極的に実施しています。現在は、正社員 27 名のうち外国籍メンバーが 8 名(約 3 割)在籍しており、特にエンジニアチームではメンバーの過半数が非日本語母語話者という状況です。

このように、Beatrust は事業面と組織面の双方からグローバルへの展開に備えた取り組みを進めているスタートアップなのです。

Beatrust 正社員のメンバー構成 2023.2 月時点


そもそも Beatrust は「なぜ」グローバルを目指すのか?

では、そもそもなぜ Beatrust はグローバル展開を目指しているのでしょうか?
創業当初から抱く想いについて、Beatrust 共同創業者の Masato Kume / 久米 雅人 へインタビューしました。

ーー Beatrust がグローバル展開を目標に掲げている理由について、教えていただけますか?

🔵 共同創業者:Masato Kume :主に 2 つの理由があります。

ひとつ目に、解決したい課題がグローバル共通であるからです。私たちは、社内の人材情報を可視化し、相互検索と適切なマッチングを可能にする仕組み、”タレントコラボレーション・プラットフォーム” を開発提供しています。組織や部門を超えてつながりやすくなる仕組みを導入することで、よりイノベーションが生まれやすい企業風土へと変化することが可能になり、全ての人が「最高の自分」を実現できる。そんな世界を目指しているのです。Beatrust で解決したい組織課題は、日本に限らず世界中の企業で共通しており、そこに国境はないと思っています。これは多くの企業様へのヒアリングから実感したことです。企業という枠にとらわれず、個人がスキルや経験を活かして機動的に働く「個の時代」に向けて、世界中の国で利用されるサービスを目指して創業しました。

ふたつ目に、日本に限らず、同じビジョンを持つ世界中の人たちと共に事業に取り組んでいきたいと考えているからです。たしかに、言語・文化・習慣の壁というのは、歴然と存在します。しかし、Beatrust のメンバーはそうした壁を超えた先にある「成し遂げるべき最も大切なことは何か」を価値観として共有しています。Beatrust の掲げているビジョン / ミッションに共感していただける素晴らしい人々がボーダーレスに集い、一緒に事業を進めていくことは、何よりも価値のあることだと信じています。

2023 年 2 月に行われた、開発チーム合宿の様子


グローバル進出にあたり避けては通れない「社内コミュニケーションの英語化」

ここからは、創業 3 年目の後半に当社が決定した「社内コミュニケーションの英語化」にテーマを絞ってご紹介します!

先に触れた通り、Beatrust は既に人材面では多国籍化しつつあり、正社員の約 3 割が非日本語母語話者です。そのような環境の中で、昨年から社内のコミュニケーションを英語ベースにしていこうという取り組みを推進してきました。この取り組みは、当社 HR Manager の Yudai Watanabe / 渡部 雄大 が主導しています。取り組みの中でこだわったポイント・困難だった点などをインタビューしました。

ーー 社として主導した具体的な働きかけについて教えていただけますか?

🔴 HR Manager:Yudai Watanabe(以下、渡部) :大きくふたつの施策に取り組みました。

ひとつ目は、全社ミーティングを英語で行うようにしたことそして、社内の主要なコミュニケーションインフラである Slack 上の投稿を(なるべく)英語あるいは日英併記で書くようにしたことです。弊社は元々、 英語で週次の全社ミーティングを開催していました。そこに加えて、Slack でのやり取りや、特に非日本語母語話者の多い開発チーム内のコミュニケーションの英語化を進めました。

一方で、当時の Beatrust の状況として、英語が苦手な方も何人かいらっしゃいました。実は、私もそのうちの 1 人です。そこでふたつ目の施策として「英語研修制度」を作り、希望するメンバーの学習を社として支援できる仕組みを整えました。外部の英会話スクールの協力のもと、短期集中で英語力の向上に取り組むトレーニングを用意することで、最低限業務上のコミュニケーションは過不足なく対応できるだけの英語力を全員につけてもらうことを目指したのです。受講メンバーのレベル感と到達目標に合わせた理想的なプログラムを選定し、社内の希望者に対して、会社がその受講料の一部を負担するという形で設計しました。

ーー なるほど。その英語研修制度を導入する際に、こだわった点はありますか?

🔴 渡部 :プログラムを選ぶ中で特に重要視した点は、受講者に短期間で成果を実感してもらえるような効率性かどうかです。そもそも業務のリソースに余力があるわけではない中で、 普段の業務と並行して 2,3 ヶ月集中して取り組める内容かどうかを大事に選定しました。さらには、各自のペースにあわせて “時間を柔軟に選択できるかどうか” も視野に入れていました。英語プログラムの中には毎日 2,3 時間のコミットを必須とするものもありますが、社員それぞれの学習ペースを継続的に保つことが重要と考え、社員の裁量で頻度や密度を選べるようなプログラムを用意しました。

それに加えて、「分かりやすい英語」を身につけられるかどうかも重視していました。なぜなら英語はあくまでもコミュニケーションの “ひとつの手段” であり、自身の意図を正しく相手に伝えられることこそが目的だからです。そのためには、決して難解な言葉を使わずに、端的に分かりやすく伝えることが円滑なコミュニケーションの肝だと考えています。そのため、中学 3 年生レベルの平易な表現を最大限使いこなしたコミュニケーションを目指すプログラムを採択しました。

社内の英語コミュニケーションを当たり前にするための「壁」とは

ーー 取り組みの中で、苦労したことはなんですか?

🔴 渡部 :多くの日本人にとっては、当然ながら日本語の方が楽に話せるので、いちいち英語に「置き換えて」話すことの価値をどう理解してもらうか。そして、その負荷を努力で乗り越えてもらうことが必要不可欠 でした。加えて、実際の業務の場面ともなると(レッスンや日常会話とは違って)やり取りのスピードが早くなるので、英語が苦手/得意な社員間で認識の齟齬が生まれることも実際にありました。社内での情報共有が難しくなったという側面においても、コミュニケーションを英語にするコストは大きかったです。

ただしこれは想定通りの事態でもあり、元より「誰ひとり置いてけぼりにしてはならない」と考えていたので、先ほどお話した英語研修制度を設けることで解決を図りました。英語初心者に教えるノウハウを持った講師陣による学習で、特に英語が苦手な方のレベル上げに徹しました。

この全体の取り組みを主導するにあたり、英語でのミーティングにおいても「言葉に詰まったら日本語で話しても良い」という方針としました。英語で話さなければいけないが故に「話せなくなってしまう」という状況は、絶対に避けるべきだと考えているからです。英語が壁になって言いたいことを伝えられない環境は、結果的にコミュニケーションを取るという本来の目的からズレてしまいます。英語で話せないときは日本語で一度話してみていいよ、と積極的に伝えていますし、私も実際そうしていました。

ーー 実際に、社員からの反応で不安の声などは無かったのですか?

🔴 渡部 :正直、ありました。
元より英語ができる社員はスムーズにシフトしていましたが、やはり苦手意識のある人は一時的に業務の生産性が落ちたことは否めません。社員の一人から「ちょっと心折れそうかも、、」と言われたこともありましたね。自分自身も心が折れそうな時がありました。

これまで誰一人とり残さずに英語化を進められているのは、本当にメンバーの優しさに救われた部分が大きいです。英語ネイティブの社員が「教えるよ〜」と言って英語ティーチングを自主的に開催してくれたり、分からないところは素直に伝えてみんなでサポートし合ったり。このお互いの協力体制があったからこそ、これまで続けてこられたと感じています。

我々がこれまで頑張ることが出来ている一因として、あらかじめ「こうなったらやるしかない!」という全員の合意・納得がとれていたことも大きいです。それは、Beatrust の全体方針としてグローバルを目指していることへの共通認識と、本当はご本人が一番不安だっただろう中で、非日本語母語話者が勇気を持って実際に入社してくださったことに対する仲間意識が全員にあったことによると思います。「グローバルで通用するプロダクトを作り上げるんだ!」という動機を全員が認識し、一丸となって取り組んだ結果ですね。

ーー 最後に、成果について教えてください。

🔴 渡部 :現段階でひとつ挙げるならば、採用の幅が広がったことです。特に今は、エンジニアの採用市場がレッドオーシャンな状況にも関わらず、優秀な外国籍(非日本語母語話者)の方に入社いただけたのは、1 つの大きな成果だと感じています。言語の壁を取り払えれば、ますます力強い組織を作ることが出来る。そこで得られた新たな価値観が、事業にも良い影響をもたらしてくれると期待しています。

しかしながら、本当の意味での成果が現れるのは “これから” だと思っています。この取り組みの本来の価値は、やはりグローバルに進出してから発揮されるものだからです。今後は、組織力を高めるために “社員の相互理解の促進” に取り組んでいきたいと考えています。また、Beatrust が何を目指すのかという、ビジョン / ミッション / バリューに対しての理解の解像度は維持したいです。自分達の原点さえ見失うことがなければ、世相や市場が変わったとしても、柔軟に戦略を変えながら進んでいくことができるからです。私たち自身が、言語や文化の壁を越えて「コラボレーション」できる組織の体現者でありたいですね。

📍 Yudai Watanabe の社員インタビュー記事はこちら!


実際、日本籍社員は英語化についてどう感じているの?

では、実際に Beatrust で働く日本籍の社員は、英語化についてどのように感じているのでしょうか?営業・マーケティング・エンジニア・コーポレートそれぞれのチームから、4 人のホンネをご紹介します。

質問① 普段の英語利用率はどれくらいですか?
質問② コミュニケーションの英語化に対して、どう感じますか?
質問③ 創業初期からグローバルを目指しているという点について、どう感じますか?

🟠 営業(AM):Akiko Miyazaki さん
① だいたい社内外を合わせて 10% くらいです。社外との会話が多くほとんど日本語なのですが、一部外国籍のエンジニアが多く所属されているお客様との会話では、円滑なコミュニケーションのために英語を利用することもあります。
② 前々職ではよく英語で話していたので、あまり苦ではなかったです。むしろ、今後海外のお客様なども担当していきたく、個人的に英語のレベルを上げていきたいと考えているため、いい機会だと感じています。
③ 日本の国内市場だけでは企業としての成長は限られると考えているので、グローバル化は必須になるだろうと思っています。それは入社前から感じていたことです。むしろ、グローバルにベンチマークされるように、Beatrust があると企業がこう変わる、という素晴らしい事例を早く作っていかなきゃなーと最近さらに焦っています笑。

🟡 マーケティング(PMM):Atsushi Tsukada さん
① 30-40% くらいだと思います。開発チームとのコミュニケーションは 100% 英語ですが、PR や Marketing の仕事で外部のパートナー(個人や協力会社様)と仕事する時は基本的に日本語です。
② 前職から英語ネイティブな環境だったため、違和感はほとんどないです。一方で、ポジション上、セールスと開発の両方の接点として仕事をする機会が多いので、ドキュメントを日英両方で用意しなければならないことも多く、大変ではあります。Go-To-Market の視点から海外の事例を調べることも多い職種ですから、英語は必須だと思っています。
③ すごく魅力的に感じています。元より大きな市場でインパクトあるサービスを作りたいと思っていましたから、入社を決めた理由の 1 つがグローバルを目指していることです。

🟢 エンジニア(SRE):Yuta Nakagawa さん
① 90% くらいです。開発チーム内ではほぼ 100% 英語で会話しています。
② 日本の大手企業だけを狙うのではなくて、初めから会社全体としてグローバルを目指すからこそ、英語でコミュニケーションをとるというのは必然だと感じます。前職の経験からも、ユーザーに応じて話す言語も柔軟に変えるのが最適だと考えています。
③ 元々「より多くの人の課題を解決できるプロダクトを少数精鋭のチームで作りたい」という想いがあり、その実現のために世界中で共通している課題に取り組みたいと考えていました。なので、グローバル市場を目指すことは自分のモチベーションの原点とも重なっていて、納得感を持ってチャレンジできています。

🟣 コーポレート(Finance):Haruka Matsuo さん
① およそ 2 割くらいです。全社の MTG やアナウンスなどで使うことが多いですね。
② Beatrust では、英語で会話することが一種の “当たり前” という空気ができているのが特徴的だなと感じています。大変な部分はありますが、全員で英語コミュニケーションをすることによって、「英語が話せるからあなたはグローバル担当ね」などと分断をせず、”一緒に取り組んでいく意識” を持てる点が魅力だと感じています。
③ コーポレートルールや運用の設計段階からグローバル展開を視野に入れられているので、非常に助かっています。会計・経営管理などの仕組みづくりにおいても、今の段階からグローバル SaaS 企業の開示資料などを参考にしながら、グローバルマーケット・投資家も意識して取り組むようにしています。英語はもちろん、制度や管理の仕組みそのものもグローバル基準に育てていきたいと思っています!

インタビューに答えてくれた社員のみなさん



いかがでしたでしょうか? Beatrust は、2020 年の創業当初からグローバル展開を見据えており、その一環として社内コミュニケーションの英語化を決定しました。今回の note を通して、Beatrust の持つ企業風土や具体的な取り組みを知っていただけたら幸いです。
これからも多様なバックグラウンドを持つメンバーや、Beatrust についての様々な記事を更新していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。ぜひぜひ、次回の投稿もお楽しみに!

おまけ・インタビュー中にいい笑顔を見せる Yudai さん

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