見出し画像

スティーブ・ハンクスー水彩画家(1)

 日本人で #スティーブ・ハンクス という #水彩画家 を知っている人は少ないと思う。私の #小説 の中でよく使用している水彩画、それがスティーブ・ハンクスの作品である。私の小説の中で、さまざまな女性が出てくる。私は彼女らが実在の人物であったり、それに似ている人物であったりする。まったくの虚構の人物などは描写できないのだ。私の中で彼女らのイメージはある。しかし、それを読んでいる人に伝えるのは非常に難しい。

 例えば、加藤恵美、メグミという39才の女性/20才の女の子の登場人物を紹介するのはひどく難しい。キャンディーズの蘭ちゃんに似ている、などという描写では、彼女の一見軽々しい性格、しかし、肝の座った聡明で家庭的な女性をイメージできないだろう。
 それで、私は、スティーブ・ハンクスの描く女性を用いて、私の中の小説の登場人物の女性を読む人たちに伝える、そういう意味で、彼の作品を使ってみる。

画像1

 まず、島津洋子だが、この水彩画を見て欲しい。海辺の高台にある別荘のような一室。両腕はソファーの背に乗せて、もたれかかるでもなく、何かを待っているような肩の筋肉の張り。目を閉じ下を向いているが眠っているわけでもない、瞑想しているわけでもない。誰かを待っているオンナ。
 胸は、シャツを押し上げその乳首は存在感をましている。脚を床に下ろすでもなく、横座りの姿勢で、筋肉はいつでもその脚をおろせるようにでも、蹴上げられるようにでも緊張している。
 張り詰めた静の中の動の姿勢。
 彼女の左手は力を抜いているが、右手はいつでも誰かをひっかいてやる、ひっぱたいてやるかのように中指と薬指をはりつめて曲げている。
 スカートは、前がひどく開いた絹のロングスカート。
 髪は後ろで束ねてあり、知的な目元から鼻筋を見せているが、引き締めた唇は強靭な意志をみせ、引き締まった顎は誰にも依存はしないわよ、という独立心を見せている。
 これが、私の島津洋子のイメージである。たしかに、メグミが「おっぱいお化け」と嫉妬混じりで揶揄するのもわかるような気がする。

画像2

 あるいは、島津洋子はこうでもある。詫びれた駅構内を喪服のような黒のワンピース、色合いのない男物の黒のこうもり傘。しかし、傘を握りしめる手は力強く歩みはしっかりしている。あたかも、この葬列は私が仕切る、とでも思っているかのように。

●フランク・ロイドのエッセイ集ー記事一覧
https://note.com/beaty/m/m2927b9ba7a08
●A piece of rum raisin(note)
 目次ー小説一覧
https://note.com/beaty/m/mc0c2a486fc74

サポートしていただき、感謝、感激!