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ヒメと明彦10、恵子・永福と久美子編、ヒメと明彦 XXXXIX、1977年7月22日(金)、後藤恵子 Ⅹ + フランク・ロイド の 音楽

よこはま物語
ヒメと明彦10、恵子・永福と久美子編
ヒメと明彦 XXXXIX
 1977年7月22日(金)
 ●後藤恵子 Ⅹ

Recuerdos de la Alhambra (F. Tárrega) - Isabel Martínez, guitar

 H飯店で電話をお借りして兵庫県警の斉藤慶子巡査に電話をかけた。幸い在籍していた。昨日、救出された4名の女の子の内、誘拐されてすぐの女の子のことで相談がしたいと慶子に言った。彼女は、今、神戸大学医学部附属病院に収監されているとのこと。強姦の有無、妊娠検査、ヘロインや覚醒剤の後遺症検査を受けているとのことだった。

 病院は神戸駅の近くで、新幹線で来るとすると、タクシーで15分くらいかしら?とのことだった。病院で落ち合う?彼女の管轄は、誘拐事件だから刑事課だけど、それが済めば私のところの交通・少年課の受け持ちになるわ、と言う。わかった、新幹線の時刻を調べて、石川町駅からまた電話するから待っていてと言うと、了解!と慶子が答えた。

 1970年代だ。ネットもスマホもない。新幹線の切符は駅に行って買うしかなかった。私は、みんなに言って、これからすぐ神戸に行きます、と慶子から聞いた佐藤久美子の居場所を説明した。永福、駅に行きましょう、新幹線の切符を買わないと、と永福を急き立てた。

 石川町駅の緑の窓口に駆けていった。新横浜発、10時半のひかりに間に合いそうだった。新神戸着は午後1時。永福の分とチケットを2枚買った。時間もないから、石川町からタクシーで新横浜に行くことにした。切符は新横浜発券にしてもらった。

 駅の公衆電話から慶子に電話した。新神戸駅、1時半着と伝えると、じゃあ、改札口で待ってるわ、と言う。幸い改札口はひとつだけだから行き違いになる心配はない。

 タクシーの車内で、永福にピッタリ寄り添う。火曜日からバタバタしていて、永福と二人きりになることはなかった。永福の右手に手を絡めて胸を押し付けた。右手を永福の腿に置いた。永福はモジモジしている。私の婚約者は、私と付き合った高校3年以来、女の子の経験が止まっているんだ。高校生の頃だったから、まだ、私たちウブだったわね。彼はまだウブだ。私はそれからビッチの道を邁進した。反省しないと。ビッチは止めよう。でも、お触りはいいでしょ?

 右手でイタズラしてやった。腿の付け根に手を動かす。ま!元気になった!ビッチを止めるって言ったけど、永福、可愛い。なぜか、25才の女が高校生の男の子をからかっているみたいになってる。永福は、ソッポを向いて車外を見るふりをしている。

 王さんがハネムーンと言っていたわね?今晩は、神戸のホテルに宿泊?ちょっと変態的なことしてもいいかも?どうせ、私、いろんな男から体を開発されちゃっているんだから、これからは、せっかくのテクニックを永福だけに使うのは悪いことじゃないわ、って、私、淫乱なんだなあ。アソコがジワっとなった。永福も触ってくれてもいいのに?何を遠慮してるのかしら?婚約者なんだから、触り放題じゃない!

 新横浜駅で駅弁を買い込んだ。またまた、シュウマイ弁当、シャケ弁、焼肉弁当を買う。ビールを6缶。良子とファンファンの癖が感染った。永福が、そんなに買うのか?と言う。ええ、昨日も同じ。良子とファンファンの影響です、と答えた。3号車の17E、Dの二人がけの席を選んでおいた。周りは空席だった。席の間の肘掛けを上げた。ベタベタできる!

 早速、駅弁をひろげる。H飯店で話ばかりしていて飲茶はあまりいただけなかった。お腹が空いた。これ、良子とファンファンの大食らいの大酒飲みが感染ったの?シュウマイを箸で取って、ア~ンと永福に食べさせようとする。永福が睨む。

「婚約者が、ア~ンをしようとしているのに、永福!睨んじゃダメ!お口をあけて!」
「俺はこういうのに慣れていないんだよ」
「じゃあ、これからは慣れましょ!私はこういう女なの。ベタベタするのが好きなの!7年間、こういうことができなかったんだから、これからはあなたにベタベタして取り戻すの!」
「レイニー、顔が近い!」
「周りに誰もいないでしょ?いいじゃない?でも、シュウマイ臭い口でキスは迫らないから安心して。ハイ、ア~ン」

 イヤイヤそうなフリをしてシュウマイを食べた。本当はうれしいんでしょ?思いっきり彼の耳元に口を寄せた。私の息が彼の耳にかかる。ビッチのテク。

「嫌な素振りして、本当はうれしいんでしょ?白状なさい!」と言って彼の耳たぶを噛む。
「レイニー、勘弁してくれ!」
「何言ってるの?あなたのあそこは正直に固くなっているでしょ?これ、今、欲しくなった!」
「レイニー、新幹線の車内で変なことを言うのは止めなさい!キミは婦人警官だろ?」
「いいわよ、いいわよ。今は我慢する。でも、今晩はホテルでいっぱい頂戴ね?水曜日からご無沙汰なんだから」
「・・・」

 ハネムーンみたい。新神戸まであっという間だった。駅弁を食べ終わって、ビールを飲んで眠くなった。富士山が見える。永福に無理矢理、私の肩を抱かせた。彼の胸に顔をつけて眠ってしまった。

 レイニー、新神戸に着いたと永福に起こされた。もったいない。寝ちゃったんだ。

 改札口に夏服の制服を着た斉藤慶子が待っていた。私が男連れなのに驚いた。婚約者の徐永福です、と紹介したらますます驚いていた。永福が慶子にペコリとお辞儀した。恵子(他人の前では『恵子』なのよね)、俺は南京町に行って人に会ってくるという。頭をかきながら「今晩は、ホテルは『神戸北野ホテル』を徐永福、徐恵子の名前で予約してある。夕方、ホテルで落ち合おう。斎藤さん、失礼いたします」と言って、手をヒラヒラさせて行ってしまった。

「婚約おめでとう。知らなかったわ」と慶子が言う。そりゃあ、2日前のことだもん。「誠実そうな人じゃない。いいなあ。恵子、『神戸北野ホテル』って高いのよ。赤レンガ建てのこじんまりしたホテルで、南京町から歩いて15分くらいの丘の上にあるの。ハネムーンみたいね?」
「あいつ、いつ予約したのかしら?私が寝ている間に新幹線の車内電話でしたのかしらね?赤レンガ建て!うれしい!」
「羨ましいわ」

 私たちはタクシーで、久美子の収監されている神戸大学医学部附属病院まで行った。タクシーの中で、冷凍倉庫で久美子から聞いたことを説明した。

 名前は佐藤久美子。秋田県の僻村の高校3年生。叔父に強姦されて、上野に家出したが、行き場がなく、途方に暮れていると、男性が家に泊めてくれると言ってくれた。男の部屋で酒を飲まされて、意識をなくし、気がついたら冷凍倉庫に誘拐されていた。荷物は上野の男の部屋にあるようで、身元証明をするものを持っていない。叔父に強姦されたのは、僻地の村ではよくあることで、家に連れ戻されたら、また叔父に犯されると懸念している。

「なるほど。恵子は彼女に面談してどうするつもり?」と慶子が聞く。
「本人次第だけど・・・」とH飯店でみんなに説明したアイデアを慶子に言った。
「赤の他人にどうしてそこまで肩入れするの?」
「私は高校3年生の時に高校のワルども5人に輪姦されたの。強姦なんて許せない。戻れば、そういう村なら、また強姦される、近親相姦されるイタチごっこになる可能性がある。だったら、横浜で引き取って、自分で働いて、高校を卒業して、自分の人生を切り開いてほしいと思ったのよ」
「ふ~ん。わかった。まあ、まだ説明してくれてないけど、東と西の集団人身売買も絡むのよね?」
「それは・・・今度、ゆっくり説明するわ」
「いいでしょう。来週とか、近いうちに横浜に遊びに行く。恵子の奢りで満漢全席でもいただくわ」
「了解!彼はH飯店で働いているの。H飯店で思いっきり接待します」
「H飯店?横浜の有名店ね?冷凍倉庫の犯人共は台湾系のマフィア。なんとなくつながってきたわ」
「今は説明は勘弁して。来週、横浜で泊まって、一晩中説明します。長い話なのよ」
「わかった」

 神戸大学医学部附属病院の受付で、私たちは警察バッジを見せて、佐藤久美子の病室を聞いた。病院は6塔屋あって、久美子の部屋は第一病棟5階の501号室の個室だと言う。5階に行って、ナースセンターでまたバッジを見せて面会の許可をもらった。

 久美子の部屋をノックした。ハァイと元気のない声が聞こえた。まず、慶子が入室。私が続いた。バッジを見せる。慶子が兵庫県警の少年課の斎藤巡査です、と久美子に言った。

 久美子は、慶子の制服姿を見てちょっと怯えた。それから私を見て首を傾げた。倉庫で出会った時はハンカチでマスクをしていたが、私が誰か気づいたようだ。昨日の今日だものね。両手を口に当てて驚いている。私は、倉庫でやったように、唇に指をあてて、シィ~と言った。

「初めまして。神奈川県警少年課の後藤慶子巡査です」と久美子に敬礼した。久美子はキョトンとしている。昨晩、自分を救出した正体不明の女性3人の一人が婦人警官なんて思いもしなかっただろう。
「・・・佐藤久美子です・・・」慶子は彼女が錯乱しているフリをして、自分の名前もまだ言っていないとタクシーの中で説明してくれた。私の言った通り、できるだけ、身元をシラを切って言わないでおいてを守ってくれていたんだ。
「久美子ちゃん、斎藤巡査は兵庫県警で、私の警察の同期なの。彼女と私は信用していいわ。警察内部でも、この会話の中の内緒の話は黙っているから」と言った。ホッとしたようだ。

 私はポケットからハンカチを取り出した。口にマスクをした。「ほら?私でしょ?」と言う。久美子が微笑んだ。

「久美子ちゃん、倉庫で聞いた話、もっと詳しく知りたいの。言いにくいことだろうけど、あなたと叔父さんにあったこと、叔父さんが言ったことを思い出す限り私たちに説明してみて」
「わ、わかりました。もう、なんだか、遠い昔のようですけど、昨日のことなんですよね。私は、秋田の自宅で勉強机に座ってマンガを読んでいました・・・」

・・・久美子は、秋田の僻地の村を逃げ出してきた。叔父に強姦された。家族が家を留守にしていて、久美子は自室に居た。そこへ、父親の若い弟が急に部屋に入ってきた。勉強机に座ってマンガを読んでいた久美子を叔父が襲った。椅子から畳に寝転された。

「叔父さん!何をするの?」と久美子は叫んだ。隣家まで数百メートル離れている。誰も彼女の声など耳にしない。
「久美子、やらせろ!俺はお前の血の繋がった叔父だが、この村じゃみんなやってる。叔父と姪っ子なんてよくある話だ。お前の父親だって隣家の娘とやっているからな。お前の同級生の佳子だって父親とやっている。郵便局の息子は叔母とやっている。昔から、こんな農村は、親戚や隣同士でやっているんだ」と酒臭い息を久美子に吹きかけて叔父が耳元で囁く。その間に服を剥ぎ取られた。手早くパンツを脱がされてしまう。叔父は、ズボンをおろして、毛むくじゃらのあそこを出した。

 とてつもなく痛かった。乾ききった久美子の陰部に叔父は陽根をねじ込んだ。下半身が張り裂けるかと思った。久美子は仰向けにされていたが、叔父の顔を引っ掻いた。叔父は久美子の顔を叩いた。すぐ終わる、大人しくしていよう、と久美子は諦めた。ホッペタがヒリヒリ痛んだ。

 何時間も突っ込まれていたかと思われたが、十数分だったのだろう。叔父は久美子の中に射精してはてた。久美子の体の上で荒い息をしながら「久美子、これでお前は俺の女だ。たまに可愛がってやるからな」と言った。ズボンを慌ただしく上げて部屋を出ていった・・・

ヒメと明彦 XXXXIX に続く。


+ フランク・ロイド の 音楽

VOCES8: Jesus bleibet meine Freude - JS Bach
主よ、人の望みの喜びよ

'Bach, Jesu Joy of Man's Desiring'. Trumpet and Organ
主よ、人の望みの喜びよ

Jesu, Joy of Man's Desiring - Bach (Cello-Guitar Duo)
主よ、人の望みの喜びよ

St. Matthew Passion, BWV 244, Part II: No. 39. Aria: Erbarme dich
バッハ マタイ受難曲 No 39 「憐れみたまえ、我が神よ」 BWV244

Bach - Liebster Jesu, wir sind hier BWV 731 - Wiersinga | Netherlands Bach Society
バッハ:最愛のイエスよ、我らここに集いて

Per-Olov Kindgren - Liebster Jesu, Wir Sind Hier BWV 731 by J. S. Bach

Bach - Cantata Wachet auf, ruft uns die Stimme BWV 140 - Van Veldhoven | Netherlands Bach Society
目覚めよとわれらに呼ばわる物見らの声

Bach - Cantata Herz und Mund und Tat und Leben BWV 147 - Creed | Netherlands Bach Society
心と口と行いと生き方もて


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