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大きな夢、ちいさな歩み

次男が今週末の試合をもって、3年間お世話になったサッカーのチームから新たに別のチームへ移ることになりました。

少年サッカーのチーム移籍なんてよくあることだし、別段思い入れを持つ必要もないのかもしれないけれど、忘れたくないなという気持ちの動きがあったので備忘録も兼ねて。

サッカーを始めてから、とにかくサッカーが楽しくて大好きで、リフティングやドリブルのような基礎練習は苦手だけど(ちゃんとやりなさいよ、そこ大事だから笑)、持ち前のガッツと情熱でボールに食らいつくプレーでチーム内で重宝してもらっていた次男。

そんなに好きなら、本当にもっと上手になりたいなら、通っている小学校の休日クラブにあたるいまのチームでなく、クラブチームを検討してはどうかと1年ほど前から本人に話すも、最初はその気を持つことなく。
いまのチームのメンバーが好きだから、みんなともっとサッカーしたいから。人情に厚い次男らしい理由でチームを変わることは良しとしていませんでした。

でも先日、1学年上のサッカー仲間でほかのチームに移籍した男の子が、自分たちがボコボコにされたチームを相手に大活躍して勝利をおさめる姿を目の当たりにしたのをきっかけに目が覚めたそう。

これまでずっと言われていた、環境って大事だっていうのがよく分かった。
僕は将来、プロのサッカー選手になりたくて、そのためには高校はサッカーが強いところに行きたい。サッカーの強い高校に行こうと思ったら、中学では強いクラブチームに入りたい。中学で強いクラブチームに入るためにいま、もっともっとサッカーが上手になれるチームに行きたい。
だから、チームを変えることを考えたい。

サッカーの練習から帰宅した次男が、少し照れながら、でも真っすぐな目線でそう話してくれた。

将来の夢はとてつもなく大きいけれど、自分は叶えられると信じてやまない様子のきらきらとした瞳で、その夢に向かって逆算していま必要なことを自分なりに考えて出した答えを聞いていたら、わたしはとても胸が熱くなってただそんな話を聞いただけなのに泣きそうだった。

ひょっとしたら、そんな果てしない夢みるなんて!と周囲から笑われるような内容かもしれないけれど、親バカ要素を抜いたとしてもわたしは笑えなかった。だってわたし自身、そんなビッグでファンシーな夢を見たことすら、これまでなかったもの。逆にその好きだからこそ湧いてくる情熱や大きな夢に、羨ましさすら感じた。

その夢がどうなるか以上に、そうして自分がやりたいことなりたい姿を真っすぐ見据えて、そこに向かうための道筋を自分なりに考えたり導くことができるって素晴らしい、息子ブラーヴォ!と、思った。(傍から聞いてたらどうしようもない親バカかもしれませんが、そう思ったので仕方ない。ご勘弁ください。)

そうして、自分で行きたいと決めたチームに体験に行かせてもらい、その間に自分の予感を確信に変えてチームの移籍を決意し、これまでのチームへの礼儀を果たす準備を整え、彼は粛々と前に進もうとしています。

同じ学年のメンバーはもちろん、1学年上の子たちにも試合や合宿でたくさん教えてもらったから、そう言って全員に彼がいちばん喜んでもらえるんじゃないかと考え抜いたプレゼントに、夜な夜な書いたメッセージを添えた次男。

わたしは彼の、そういう自分に関わってくれたひとびとに対し、くまなく目と心を配れる細やかさがとても好きだ。
これからも、彼がそんな心意気でどんな場所でもひとと繋がり、幸せな気持ちを循環してほしいなと、と母は願ってる。そして、それができるだけの器が彼にはあると、母は信じてる。

10日ほど前に、明日の試合を最後に退団することを決めたときから、わたしはひとり散歩しながら最終試合を想ってはすでに泣けてきて仕方ないのです。
決して明日の試合が彼の最後のサッカー姿とかでもないのに。
何ならすぐに新しいチームでの練習も試合も控えているのに。

小学2年生で、次男が初めてサッカーを知って、サッカーの面白さを知った場所。
大好きなチームメイトができて、プレーの中でもプライベートでも多くの交流や学びを得た場所。
優等生キャラの長男に対し、マイペースな次男にいつもイラついていたわたしが、サッカーの試合や練習を通してはじめて次男に向き合えるようになった場所。

やはりいまのチームには、母子ともにたくさんの思い出も思い入れもあるから。

明日の最後の試合、いつも以上に思い切り頑張りたいからサポートお願いします。寝る前にそう言ってくれた次男を思ったら、わたし涙なしに明日の試合見られるのかまるで自信がありません。

が、彼の夢へ向かう歩みの一つひとつを、しかと目に焼き付けてきたいと思います。(大袈裟か)

明日は雪予報、涙が凍らないように防寒対策しっかりして臨みたいと思います。

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