ムカデと戦った


朝5時20分。目が覚めた。
いつも通り起き上がり、トイレへ向かう。

立ち上がり水を流そうと振り向いた瞬間、「カサカサ」とトイレの後ろで黒い物体が動くのが見えた。
ザワっとして一瞬で目が冴えた。
しばらくそいつと睨めっこ。
私の頭の中では
「どうしよう。このままここを去ったら次どこから出てくるかわからなくなる…彼はまだ寝てるし…起こすのも可哀想だ。こんなことで起こされたら嫌に決まってる。虫くらい自分で退治できるようにならなきゃ…でもティッシュで潰すのは無理だ。ホウキはあるけどそんなんじゃ一発で潰せるわけがない。潰したところでまだ動くかもしれない。」
そんなことをぐるぐるぐるぐる考えていた。
水が流れ切るまでそいつと睨めっこしていた。
動きは止まった、電気がついたから動いただけなのか?

……そうだ!キンチョール!

私はキンチョールでムカデくんとお別れすることを決めた。
ところでキンチョールってなんの虫にも効くんだろうか、とも考えたけど、今はそんなこと言ってる暇はない。
とにかく、彼が起きるまでは動かないようにだけでもしておかないと安心して生活できないじゃないか!

そんなこんなで、玄関の物置からキンチョールを持ってきてムカデさんにブシャーーーっとかけた。
最初は「ササササササッ」ってね、動くよそりゃ。わかってた、でも「うぁっ」と声は出てしまう。

しばらく、目を細めながらかけてたらくねくね〜っとなって明らかに弱っていった。
なんて残酷なことしてるんだろう、と思いながらその最後まで見届けた。

朝から、ムカデくんと戦った私は今日一日無敵だ。
そんな気がした。

その後彼が起きてからその一部始終を話して寝ぼけ眼で始末してもらいました。

女の子の一人暮らしは“虫問題”があるよね。
何も悪いことはしないのになぜか嫌われてしまう虫達に、ちょっとばかり同情してしまう。

虫にとっちゃ、虫嫌いに同情なんて、まっぴらごめんだよな。

なんて、くだらないことをまた考えてる。

ムカデとの戦いから始まった、9/27でした。

あ〜あ、なんだか急に日が暮れるのが早くなったね。

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