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だから国際交流はやめられない〜すしピーポー編〜

私がアメリカへ留学した時、「JAP」とよく言われました。これは日本人への差別の言葉です。
イギリスに滞在していた頃、子どもたちが現地の中学校へ行く時もこういう差別的な言葉を言われるだろうなと覚悟していました。
そしてある時、息子が「すしピーポーって言われたんだけど、何のこと?」と聞いてきました。まさか、これが日本人に対しての差別の言葉とは。。。全く結びつかなくて、家族みんなで笑い転げたのを覚えています。もうちょっとマシなんないん?って笑

聞こえは可愛いんですが、でも差別的な言葉には変わりありません。息子がこれを言われたのはラグビースクールの対外試合の時でした。

当時ほとんど英語が話せなかった息子にも「すしピーポー」は聞き取れたようです。でも言い返すことも、そのことをチームメイトとシェアすることもできませんでした。ラグビーだけはできたので、会話はできなくてもなんとかチームの中には入っていけました。

スクラムを組んだときに、相手のチームの選手に言われたみたいです。そしてタックルやモール(密集戦の一つで、両チームがスクラムしたり、立ちながら押し合い、ボールを奪い合うこと)の中で噛みつかれたり蹴られたりと卑劣なプレーをされました。
ラグビーは紳士のスポーツなので、そういう卑劣なプレーは子どもでもあまりありません。とても激しいスポーツですが、だからこそそういう規律はしっかりと教えます。
そこまでされると「すしピーポー」ももう笑えません。

息子はなんとか我慢したのですが、周りのチームメイトが黙っていませんでした。ある子は相手チームの子に殴りかかり(これも良くありませんが笑)、ある子は息子にかけ寄りハグをしてくれ、「大丈夫だよ。」と声をかけてくれたり、試合は一時中断、チームメイトみんなが息子を守ってくれたのです。

英語が話せないから、チームメイトとあまり打ち解けてなかったのですが、これを機に息子も心を開くようになりました。チームメイトはとっくに息子を受け入れてくれていたようです。

またある日のこと。練習中に息子が怪我をしてしまいました。チームメイトのミスプレーで息子が足を痛めてしまったのです。故意ではないので仕方がありませんが、そのチームメイトが私に「Sorryって日本語でなんていうの?」と聞いてきました。教えてあげると息子のところに飛んでいって「ごめんね」と覚えたての日本語で謝ってくれたのです。

「すしピーポー」だろうがなかろうが、同じ言語を話してなくても、こんなに心と心を通わせることができるんだと、今思い出しても心が温かくなります。
息子もそれから、「もっと英語ができるようになりたい!」と言って、頑張って会話できるようになりました。
この経験は息子にとっても私にとっても一生の宝物になりました。
この経験を息子は「海外子女作文コンクール」にかいて、ちゃっかり賞をもらってました笑。題名はもちろん「すしピーポー」です笑

それにしても、この「すしピーポー」
世界的に使われているのでしょうか??誰か言われたことがある方はぜひ教えてください笑 


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