出会ってしまうまえに

論理的な文章ばっかり書いてるんだもの、感性でものを書けなくなってしまった。なんてのは言い訳で、人に評価されることを意識してしか書けなくなってしまった。だから今日は久しぶりに書きたいことを書こう。書きたいと自分が思ってる誰かの欲望を。

けど、それで良いのだと思う。誰かの欲望を生きることも誰かの愛を生きることも。でも自分だけの欲望っていい響きだよね。

私は、いつも相手に合わせて何かを選ぶ。嫌われたくないだけで、愛されたいわけではない。自分が大好きで自分の価値を下げたくないから、嫌われたくない。嫌われた私の価値はちっともないんだと思ってしまう。愛されたいんじゃない、愛してみたかったんだ自分のことを。でもまあいいんじゃない。そんな人生のこと。

私小説が出ると聞いた時、人生を小説にするその人の一字一句を見たいと思った。文字に滲むその人の人生を見てみたいと思ってしまった。まだまだ彼女のことを知らないし、知らずに終わって忘れてしまうかもしれないけれど、私には彼女の言葉が、生き様が今必要な気がしたのだ。

誰かの欲望を生きることも自分の欲望を生きることも苦しい。私の人生は今そんな感じです。君に出会ってしまうまえの記録。5月27日が待ち遠しい。

戸田真琴『そっちにいかないで』太田出版

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