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2週間でFP2級に合格した勉強法


はじめに

 2級FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定の受験記です。

 実質的に2週間の勉強で合格できたので、取り組んだ内容や個人的に感じた勉強のコツなどをシェアしてみたいと思います。

 臨場感を重視して、受験直後に自分用に作成したメモをほぼそのまま掲載しています。読みにくい点はご容赦ください。

FP2級受験にあたって

 個人的に感じたFP勉強のメリットは、基本的なマネーリテラシーを身につけるキッカケとしてかなり良い材料であること。投資などの自分の興味分野だけではなく年金、保険、不動産も強制的に学習することができる。相続、自宅購入、万が一の保険利用の場面で、専門家やセールスの言いなりにならずに自分の財産を自己防衛できるメリットもある。

 FP検定では出題分野が定まっているので、この範囲を押さえておけばファイナンシャルの基本としては大丈夫というお墨付きが与えられているようなもの。特別な資産を持っているわけではない自分のような一般人のライフプランでは、この範囲を逸脱したものが大きく関わってくることはないと考えてよい。

 自立して生きていくうえで、おカネについて自分で判断できるというのは大きな力になる。自分で判断するためには知識が必要である。マネーリテラシーの知識とはほとんどが「日本の法律」あるいは「日本の法律で規制された事業」に関する知識である。法律に関しては「人間がつくったルール」なので結局は文字で読んで学習するしかないのである。

試験1ヶ月前

 試験日が1か月後にせまり、そろそろ準備しなければと思うようになり書店で買った問題集を開くが、あまりのボリュームに気が進まず、学習も進まなかった。
 2、3週間前から問題を少しずつ解き始めた。第1章から第3章あたりまで何とか進めたがとても苦労した。まず、問題文が長くて読むのが大変だった。解説も少ないし。2週間くらいは取り組もうと努力したが結局挫折してしまった。

 学科は4択なので、選択肢一つ一つ何が正しくて何が間違っているのかを吟味しなければならないが大変すぎた。問題集を繰り返そうとすると4択を毎回解かなければいけないし、だいたい選択肢の並びで正誤を覚えてしまい2周目以降に正解が分かってしまうことにも不都合に感じていた。
 それでも重要そうなポイントは情報カード等にまとめたりしていたけど、今思えばそのやり方は非効率だった。

 勉強時間の確保も課題で、学習効率化のためにどうにかスキマ時間を活用する方法を考えていた。

 時間活用の観点から紙(のテキスト)では無理と思うようになっていた。 紙テキストの欠点は、進捗管理が面倒、反復学習がやりにくい、解説が不十分、持ち歩きにくくスキマ時間が使えない、などがあった。

 そんな状態で、気づいたら試験1週間前になっていた。

試験1週間前〜前日

 結局、FP3級のときに効果的だった「過去問道場」と、フラッシュカードアプリ「Anki」の活用を考えた。

 今思えば、FP2級の問題群をどうやって「Anki化」するかがポイントだった。

 具体的にやったことは、「過去問道場」の問題の各選択肢の一つ一つを個別のマルバツ問題と考えて一問一答式に「Anki」に打ち込んでいった

 このやり方を発案したのが試験1週間前の土曜日だった。

 そこからはひたすら学科の過去問→「Anki」に入力→「Anki」で反復学習を高速で回していった。
 仕事の合間、テレビを見ながら、電車の中、エレベータの中 30秒でもあれば1,2枚めくれるというのは超強力で時間のフル活用ができた。それでもだいたい1日に回せる問題数は200〜300枚くらいが限度だった。

 最終的に打ち込んだ問題数は866問だった。全て反復できたわけではないが、問題作成時にポイントをまとめたり、頻出問題をあぶり出す意味ではかなり効果があったし、これ以外の方法ではこの短時間でこの量を頭に詰め込むことはできなかっただろうと思う。

 FP検定は出題範囲が決まっているため、出題できる内容も無限というわけではない。試験回ごとに各ジャンルの重要度が変わるわけではないので必然毎回似たような問題が出題されることになる。
 問題のベースは法律なので、前述したように知識として覚える、暗記するしかないのである。ある言葉の定義がなんなのか?ある制度はどのようなルールか?すべて明文化されているものなので、それを図表等を駆使しながら情報を頭に刷り込んでいくのが常道。

 試験勉強は、「問われる形で覚える」のが効率的だと聞いたことがある。それは、問題の形式で知識を暗記していくことに他ならない。

 なので、問題を解く前に参考書を読んで情報をノートにまとめるという作業は、試験対策としては効率がよくないということになる。
 まず先に問題を解いて、問われる部分を理解して、繰り返して、覚えきれない部分、情報が混乱している部分を整理するためにまとめのメモを自分で作成する。この順番でなければならない。

 試験まで1週間であったが、Ankiに打ち込んで前述の反復作業をやりはじめるとスキマ時間も有効活用しながらかなり効率的に詰め込みが進み、このやり方であれば試験日までに間に合いそうという手応えを感じていた。

 同時に机に向かえる時間は「過去問道場」で過去問を解いた
 目標ラインは75%に設定した。コンスタントに75%以上(実質8割前後)が確保できれば、ケアレスミス、本番の傾向の変化、ヤマの張り違いも余裕を持って吸収できるだろうと考えた。
 逆にそれ以上の得点を狙おうとするとかなり重箱の隅までカバーしなければならなくなり、学習効率が指数関数的に悪くなるので重箱問題は割り切って捨てることにした。 

 過去問を一度解いてみて得点率の低い分野が「不動産」と「相続」だったので、「不動産」と「相続」だけ抽出して数回分の過去問を集中的に解く→Ankiに入力、という作業をを行った。これによってわずか1〜2日でこの分野も7〜8割取れるようになった。全分野で平均が7割程度になったのでそれ以降は過去問を1回分づつ解いていった。解いて間違えた問題はすぐにAnkiに入力という作業も継続して行った。

 実技対策は1週間前の日曜から始めた。最初は全体を通して解いて問題形式を把握した。
 月曜、火曜で別の年の過去問をやり、出題バリエーションを掴んでいった。土地の価格、ライフプラン、保険などパターン化されているのでその解法を覚えた。問われる内容のパターンが異なるので複数年に跨いでバリエーションを押さえていく必要があった。

 実技の計算問題は、解法を知らないと正解できないので、問われ方を押さえることは重要だった。
 Anki化しにくい図表問題はGoogleスライドにコピペしてまとめを作り、直前に解法のおさらいをした。
 計算問題は、ひたすら過去問で練習をした。練習を繰り返すことでどの情報を押さえるべきかクリアに認識でき、自信をもって問題に向かえるようになった。この問題だったらこのパターンで、みたいに。
 実技の穴埋め、マルバツは学科対策でカバーできるので、実質計算対策だけで十分だった。
 実技はAnki化(問題の要素化)しずらいし、手計算が必要なので、机に向かってやる必要があった。この部分が一番勉強らしい勉強だったと思う。

 試験前日に、直前回の過去問を解いた。学科の傾向が変わっていて難易度が高く感じられた。出題傾向がけっこう変わることもあると事前に分かったおかげで本番でも慌てずに済んだ。
 また、全問正解を目指すというよりも6割取るための正解の積み方も意識した。解ける問題を確実に拾い、知らない問題は割り切って諦める。解けなくても焦らないこと。むしろ3割は積極的に間違えることを意識すると気持ち的に楽になれた。意識的にそこを調整して最後は8割弱の得点だった。

 直前は、Ankiに入れた問題をブラウザモードで順番に眺めていって高速で復習。とにかく頻出かつ記憶が曖昧な部分をクリアにしていくことに集中した。
 Ankiはランダムに出題されるため体系的な知識の整理が弱点だった。そこはある程度、知識のベースが出来た段階で知識を整理し直すとクリアになっていく感じがあった。

試験当日

 試験の必要品は前日に揃えて準備しておいた。
 Googleマップで当日の移動手段や、昼食・休憩の段取りも事前に考えておいた。
 試験に関して言えば記憶曖昧な部分は結構あるし、正解はできるけど自分で説明しろと言われたら全く出来ないようなことも多々あるというような完成度ではあったが、合否に対する不安はそれほどなく、会場に行って分かることを紙に書いて出すだけ、という心境になっていた。

 会場到着。学校ではなくホテルの大ホールだった。テーブルの天面がソフトで書きづらかった。広すぎて説明の声が大きくて反響して気が散った。これは試験中も同じで、退出誘導などがうるさかった。

 学科試験。前半から知らないワードが連続してやや動揺するが、前回の難易度変更や3割間違いルールを意識して落ち着いて粘り強く進めていった。周りの人の振る舞い仕草は微妙に気が散って集中力を下げる要因になる。こういうマイナス要素も加味して事前目標点は高めに設定しておく必要があった。

 20問を30分でという時間配分でやっていく。あまり選択肢をじっくり解読して吟味する余裕はなかった。練習がなければ選択肢を読むことだけでも難儀しただろう。その意味ではAnkiで高速に問題を読んで意図を把握する練習は役立った。
 練習どおりに、「適正」を答えさせる問いにはマル印、「不適正」の問いにはバツ印を付けて、各選択肢の文の横にもマルバツを書いていき、どちらを選ぶか間違えないようにした。解いているうちに混乱して逆を選んでしまうことが本番でも起こりそうになった。
 この方法を取ることで分からない問題でも2択くらいまで絞り込んでいけた。

 今回の問題では、自信のある正誤は不正解の選択肢に出現することが多く 消去法で正解を選ばざるをえない問題がいくつかあった。
 自信の無い問題には問題番号にチェック印をしていく、そして試験後の自己採点のためにどの解答を選んだかは問題用紙に確実に記入しておいた。
 1時間経過後に途中退出する人が多く驚いた。最後までいたのは半分以下ではなかったろうか。自信があっての退出か諦めての退出か、不明であった。

 80分で一周終えて、チェックした問題(自信のない問題)の数をカウントすると、23個くらいあり合否ラインギリギリだった。
 最初から全問見直しをかけていく。選んだ選択肢を読み確実に正解かを確かめる。不確定なところはもう一度細かく読み変な部分や、言い回しなども確認「すべて」「にかかわらず」などのワードは判断のヒントになる。考え直していくつかの解答を修正した。
 いくら考えても取り付く島がないような問題もあったが それよりも分かる問題が確実に正解できているかをよく確認した。

 朝食は少しとったが学科試験後半は空腹を感じた。昼食は軽く取った。近くのカフェで午後の実技の準備を軽く行った。まとめのスライドを眺めて解法を確認した。学科が思ったほど余裕じゃなかったので、ちょっとガッカリした気分だった。午後の実技も難化していたらと思うと少し憂鬱になった。

 午後実技試験。マルバツ問題が簡単だった。事前に対策していた内容の問題が続きかなりハイペースで進めていけた。30分かからずに20問終わりこれは行けたなという手応えを掴んだ。後半は新問が少しあり、分からない問題は飛ばして最後まで到達した。
 多少時間がかかっても計算過程は問題用紙に綺麗に書くこと。解答用紙の単位(万円、円)を間違えないことなどを注意した。
 60分掛からずに全問終わりさすがに7割はクリアできたという手応えがあった。特に正誤問題、穴埋め問題が簡単に感じた。
 最初から見直し、勘違いなどがないかをチェックしていく。保険問題で入院給付を0.5万円と勘違いするミス発見。過去問ではだいたい5千円だったからうっかりしていた。2問拾い直した。
 相続税問題では、相続税額から控除を引くかどうか悩んだ。過去問のパターンから類推して引かない方を答えとして書き直した。これも正解だった。 
 練習で使っていなかった電卓なので操作が微妙に慣れず、この辺の準備にもまだ改善の余地はあった。
 時間いっぱいまで見直しを行った。実技は途中退出1,2割くらいしかいなかったのが不思議だった。

 とりあえず終わり、合格の手応えありつつ、17時に模範解答が発表されて早速答え合わせをした。自信のある実技から。予想配点で73〜75点でセーフ。
 学科は恐る恐るだったが、自信なしとチェックした問題も正解が多く 48/60点という望外なスコアだった。
 運も味方したが、終わってみればそれほど楽勝というわけでもなく、やはり事前の目標ライン75%というのは妥当なところだと感じた。

勉強の方法

 振り返って試験用の対策としてはAnkiが絶大な効果があったと言えるし、この方法ではなかったら1週間で合格レベルまで知識を詰め込めたとはとても思えない。

 今後なにかの試験があった場合も、「どうやってAnki化できるか」=「一問一答形式に落とし込めるか」を考えるのがよいのではないかと思った。

FP2級を受験しての感想

 まず単純に試験に合格する爽快感があった。目標を決めてクリアすると、何となく自信にもなった。
 それと、試験を対策ねって攻略するのは楽しいことでもある。ノウハウを蓄積して他のことにも活用してみたい。

 あとは勉強するのがいかに精神的に大変か、怠惰な気持ちとの戦い、どう面白く工夫するかとか、実際リアルな試験勉強をすることでの学びも多かった。

 FPの内容面では相続の節税はすぐにでも活用したい知識が多かった。あとは年金関連はルールを押さえて行動することが重要といったところ。

おわりに

 長々と読んでいただきありがとうございました。Ankiアプリの説明は入れませんでしたが、興味があれば調べてみて下さい。

 終わってみて、つくづく書籍の問題集・テキストは要らなかったなと実感。現代のテスト勉強はいかに紙を使わずに、デジタル機器を活用して効率的・効果的に学習するか。そのやり方次第で学習効率に大きな差がつくと思い知らされた一件でもありました。


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