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『Beep21』セガ・アーケード メモリーズ by 元『ゲーメスト』ライター 豊臣和孝-memory09- 適度なテンポとロジカルさ 局面を打開していく快感 「ボナンザ ブラザーズ」


1980年代から1990年代を中心に、セガのアーケードゲームについてゲームセンターで稼働していた当時の雰囲気、ゲーマーの間でどのように盛り上がったのかなどをつづった『Beep21』の好評連載『セガ・アーケード メモリーズ』。これまでは元『ゲーメスト』編集長の石井ぜんじ氏に執筆していただいてきましたが、ここからはさまざまな方によるリレー形式でお届けしていきます。

というわけで、今回は元『ゲーメスト』ライターの豊臣和孝氏が「ボナンザ ブラザーズ」についてのメモリーを執筆!

▼石井ぜんじ氏による過去のコラムは以下からご覧ください

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今回の執筆者 : 豊臣和孝氏(元『ゲーメスト』ライター)

豊臣和孝(とよとみ かずたか):1970年生まれ。元『ゲーメスト』ライター。ゲーム雑誌やWeb媒体編集などを経て現在はフリー。都内デパート屋上やおもちゃ売り場、ボウリング場遊戯コーナーなどの幼少期ホビー体験がライター稼業の原点。'90年前後までの玩具、ボード(ウォー)ゲーム、PC関連も得意。初セガ体験は'70年代に出会った各種エレメカ。

各ハードへ移植されてきた「ボナンザブラザーズ」

今回紹介するのは、1990年にリリースされたアーケード版が初出となるアクションゲーム「ボナンザ ブラザーズ」。ゲームの舞台は、市民をおびやかす悪人たちがはびこるバッドタウン。プレイヤーは正義のギャング「ボナンザ ブラザーズ」を操作して、大富豪の邸宅やカジノなど悪いやつらの施設に忍び込み、悪事の証拠となるお宝を盗んでくるのが目的。

本作は際立った大ヒット作というわけではありませんでしたが、ビデオゲームらしいコンパクトかつ丁寧ていねいな作りが幅広い層に受け入れられ、アーケード版稼動から約1年後にメガドライブ版とホビーPCのX68000版、さらに1年後にはPCエンジン版がリリースされ、いずれも好評を博しています。Atariアタリ STやAmigaアミガCommodoreコモドール 64など当時北米や欧州で主流だったパソコンにも軒並み移植されており、国内外で幅広く認知されていた点も特徴といえるでしょう。

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