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『Beep21』真・セガハード列伝 Vol.5 ─セガブラックハードの系譜 第三夜 : ゲームギア、スーパー32X、そして...

当時のセガハード開発者が
それぞれのハードの開発者にいていく
企画「真・セガハード列伝」。

前回まではセガ・マスターシステムをはじめ
メガドライブ、メガCDなど
セガハードをブラックにした経緯けいい
当時のコンセプトなどを
初登場のソルクス・デザイン
高須社長らに語っていただきました。

セガブラックハード列伝もいよいよ最終回

今回はゲームギアからスーパー32X
そして現代に生きるデザインの系譜を
お届けしていきます。

どうぞ最後までお読みください。

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メガドライブで一番苦労したハードは意外にも...

──メガドライブにはメガCD以外にも、いろんな周辺機器が出てきましたが、あのへんも全部ソルクスさんのところで?
高須 そうです。意外かもしれないですが、もっとも苦労したのは(メガドライブの)ACアダプタでした。

今回の『Beep21』の記事でメディア初登場となったソルクス・デザイン社長高須安夫氏。セガ・マスターシステムをはじめ、メガドライブシリーズ、ゲームギアなど、ブラックを基調としたセガの一連のハードのデザインを担当。3回にわたってお届けした「ソルクス・デザイン編」はいよいよ今回で最終回となります。

──あの大きいやつですか?
松宮 上のケースと下のケースに指を引っけるところが3ヵ所あるんですが、形状的には逆テーパー(先太り構造)なんですよ。金型製作や成形で3社くらい試しましたが、この部分が大変難しくて。たかがACアダプタっていっても、ものすごい大変だった記憶があります。

(補足解説:戸崎健司)金型で成形品を作るときに、側面は90度ではなく斜めに3度程度傾いています。そうしないと抜けない、抜くときにキズがつくからです。ACアダプタの側面に指がかりの出っ張りがありますが、あの形状は抜けない角度(逆テーパー)がついてます。その部分だけ金型が横に広がるスライド型を使えば解決するのですが、コストが上がります。コストを上げず、形状を実現するのに苦労されていたのだと思います。

戸崎 そのへんもトータルでデザインされていたってことですね。

──この辺の細かい溝は、デザイン上のアクセントですか?

高須 溝っぽい形状になっていて、ルーバーみたいなものですね。”食い切り”っていうんですが、スリット状の隙間すきまが開いてます。

戸崎 この下にヒートシンク(放熱板)が入ってるんですよね。

戸崎健司(とさきけんじ)『Beep21』の「真・セガハード列伝」の企画兼ナビゲーター。セガでコンシューマゲーム機の開発部門に所属し、周辺機器などの開発を担当。セガ入社はメガドライブが発売された1988年。セガ退職はドリームキャスト撤退時の2001年。13年間セガのハード開発部門に在籍した当時の話はこちらの記事で掲載中。

高須 そうそう、基板上にね、トランジスタも付いてるし、熱が出るのを放熱させるための機構ですね。

ゲームギアが横型になった理由とライバル機の動向

戸崎 ゲームギアのデザインですが、セガから依頼があった時は、まだ横型にはなってなかったんですか?

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