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『Beep21』セガ・アーケード メモリーズby 元『ゲーメスト』編集長 石井ぜんじ -memory08- いち早く3Dの格闘アクションを実現!時代を先取りしすぎた名作「スパイクアウト」


石井ぜんじ氏のコラム第8回は「スパイクアウト」

『Beep21』のコラムとして元『ゲーメスト』編集長が連載しているこのシリーズも、いよいよ今回で8回目。

過去の記事については以下からご覧ください。

▼第1回「ハングオン」

▼第2回「ファンタジーゾーン」

▼第3回「アウトラン」

第4回「ゲイングランド」

▼第5回「テトリス」

▼第6回「ボーダーブレイク」

▼第7回「クレイジータクシー」

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石井ぜんじ:1964年生まれ。元『ゲーメスト』編集長。現在はフリーのゲームライター。ゲーム制作の仕事にも関わる。主な著書は、『ゲームセンタークロニクル』『石井ぜんじを右に!』『セガ・アーケードヒストリー』『シュタインズ・ゲート公式資料集』など。ゲーム関連ほか、SF、ミステリ、アニメなどエンタメ全般に興味あり。

ライターの石井ぜんじです。ここではセガのアーケードゲームを中心に、作品の魅力や発売された当時の状況、個人的な思い入れなどを書いていきたいと思う。

8回目となる連載で取り上げるのは、「スパイクアウト」(セガ・1998年9月)である。

「スパイクアウト」は筐体きょうたい間通信により、4人同時協力プレイが可能な格闘アクションゲーム。パンチ、キックなどの近接攻撃を駆使して敵を倒し、先に進んでいく。

このタイプのアクションは1980年代にも存在したが、本作はそれを3Dポリゴンで実現したのが画期的だった。またインターネットが一般に普及していないこの時期に、(ゲームセンター内での通信プレイとはいえ)各自の視点で協力プレイができたところも新しかった。

アーケードで最初に発売された初代の正式名称は「スパイクアウト・デジタルバトルオンライン」である。その後1999年1月に「スパイクアウト・ファイナルエディション」にバージョンアップされた。ほとんどがこのバージョンに変更されたため、「スパイクアウト」と呼ぶときには「ファイナルエディション」のことを指すことが多い。本稿もそれにならって進めていくことにする。
家庭用への移植は、Xboxで発売された「スパイクアウト・バトルストリート」(2005年)がある。この作品はアーケード版の10年後という設定の作品だが、内容はアーケード版とそれほど変わらない。

また、2001年には「スパイクアウト」のキャラクターを使った「スパイカーズバトル」がアーケードで稼働した。この作品は対戦バトルロイヤルの形式であり、内容は「スパイクアウト」とは別物と思っていいだろう。

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