「いらっしゃいませ、木村様。弊社はお客様に最上のご安心を提供することをモットーとしております」

「実はまだ家族には秘密なんだ」

「本日は貸切となり、個人情報は厳重に管理されております」

「そ、そうか」

「まだ少し緊張されているご様子。マッサージで少しリラックスされてください」

「ありがとう、この雰囲気と香りでだいぶリラックスできたよ」

「恐れ入ります」

「実はストレスで体調を崩しやすくて」

「ご安心ください。将来がご不安ならこちらの保険をどうぞ。大病を患った時、万が一の時に安心の備えです」

「僕だけでなくて家族のことも」

「もちろんです。家族丸ごとプランをお薦めいたします。またこの機に災害に強い住宅を購入いただければさらに割安プランがございます」

「だけどこんなお金は持っていないので」

「ご安心ください。今なら〇〇ファイナンスでお借入れができます。こちらの重要事項を読んだの欄にチェックを入れていただければ、木村様の将来はバラ色です」

（４１０字）

前回に引き続き、たらはかに（田原にか）様の企画に乗っかっています。

今回のテーマは「伝説の」「安心感」。
伝説どころか普通にある安心感でした🦆すみません。

伝説の安心感と言って思い出したのは、るろうに剣心の比古清十郎。
「いいぜ小僧、よく吠えた！　この勝負、最後まで俺のバカ弟子を信じ抜いた、お前の勝ちだ」
弥彦がボロボロになりながら強敵を相手にひるむことなく立ち上がるシーン。もうダメだ、と言うところで現れる最強の男の台詞です。この時誰もが安心感を得たかと思います。ですが冷静になって考えると「話聞いてたんなら、もっと早よ助けろや」ですね。