2017年年末の「世界一のクリスマスツリー」について

これまで、Twitterでつぶやいてきましたが、記録として残しておこうかと思い、noteを始めました。

取り急ぎ、通称「 #世界一のクリスマスツリー 」とは・・・

自称「プラントハンター」、2017年の年末に実施された西畠清順氏による『めざせ!世界一のクリスマスツリーPROJECT ~輝け、いのちの樹。~』のことで、富山県氷見市の巨木(主催者側はいまだにアスナロの木と言い続けていますが、ヒノキアスナロの木です)を神戸港に「植樹」し、世界一高い(当初はそうだった)クリスマスツリーにするという企画でした。主催している西畠氏の会社、そら植物園は、この企画に「輝け、いのちの樹。」というキャッチコピーをつけ(トークイベントで西畠氏自らそのキャッチを考えたと名言)、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの被災地への鎮魂というコンセプトを掲げ、開催されました。

さらなる詳細は、イベント開始当初から、この企画について注視され、様々な点を指摘されていたいいなさんのサイトを見ると非常にわかりやすいです。

「世界一のクリスマスツリーがやばい」 http://iina-kobe.com/entry85/

Twitterのモーメントでもまとめたのですが、ここでは私の見解についてあらためて書きたいと思います(ほとんどモーメントのまま、転載をしますが、少し加筆します)。

「世界一のクリスマスツリー」について、疑問を呈してきている人たちはそれぞれの立場でそうされてきました。そして私は阪神・淡路大震災の被災者、神戸市民として、西畠氏および西畠氏をバックアップした人たちに疑問を呈し、批判をしてきました。私は西畠氏個人がやりたいこと(巨木を遠くに運んで、そしてクリスマスツリーとして立てること)、そして自身の自己顕示欲を満たすために、23年前の阪神・淡路大震災で神戸が被災したことが利用されたと認識し、そのことに対して最も許容しがたいと思い続けてきました。

同様に、想像力を働かせることなく西畠氏をバックアップした周辺に対しても許容しがたいと感じています。特に、疑問を投げかけられてもスルーし続け、理解しがたい言動をされた(阪神淡路大震災が起こった当日の1月17日に「人生最後の休みをゆっくりおたのしみください。などと言ってみた」など、いわゆる炎上中にも関わらず、そのようにおっしゃいました)糸井重里氏に対しても許容しがたいと今も感じています。

糸井重里氏主宰の「ほぼ日刊イトイ新聞」は「世界一のクリスマスツリー」の企画を下記のほぼ日サイト内にてコンテンツとして掲載し、応援していました。また、イベント期間中、ほぼ日のお店「TOBICHI」も出店していました。

https://www.1101.com/pl/171114christmas/?dt=20171114110000&ob

また、同様に西畠氏をバックアップしていた神戸市長の久元喜造氏は(神戸市が主催・後援という形もとっていました)震災当時は東京で官僚として働いていて、神戸にはいらっしゃらなかったということなので、被災した神戸市民がどうとらえるかなど、想像力が働かなかったのかと考えてしまってもいます。もし本当にそうなら、激甚災害を経験した自治体の長としてあり得ないことではないかとも思います。1.17追悼のつどいに出席したり、震災メモリアルウォークなどのイベントに参加したからといって、それはただ形式的なものであり、実際に久元氏があの震災に思いをはせたり、被災者の心情に寄りそってはいないのだということが明らかになったということではないかともとらえています。

結局、他の企業が運営するテーマパークで実施する予定が頓挫し、そして別の企業に持って行ってもかなわず、最終的に神戸で開催することになり「震災への鎮魂」「復興と再生のシンボル」という言葉をヒノキアスナロに後付けし、阪神・淡路大震災の被災者の「聖域」に西畠氏は土足で踏み込んできました。神戸市民にとっての「震災」の本当の意味を理解していないとしか思えない人物によって元あった場所から抜かれ、強引に「復興と再生のシンボル」にされたヒノキアスナロは、加工されて材木になって製品となるために伐採されたり間伐された木とは異なる意味を持っています。

ですが西畠清順氏は「木がかわいそうと言われまくった」とトークイベント等で話したり、SNS等でそのようににおわせたりもし、「木がかわいそう」ということを主点に批判をしていた人は皆無と言っていいにも関わらず、批判の内容をすり替え続けました。また西畠氏本人が事実ではない虚偽であること多数口にしながら、「ネット民にあることないこと言われた」と自らが被害者であるかのような発言を続けもしました。あることないことを言っているのはご自身であるにもかかわらずです(どのような虚偽のことを言っていたかも、先ほどのいいなさんのブログに詳細が記載されています)。

悪い意味で、人を勘違いさせるかのように、ヒノキアスナロの木を根を付けたまま運んで「植樹」すると見せかけながら、「生きたまま運びたかった」とNHKの生放送(あさイチ)の中継中に言いながら、イベント後に木を生かすつもりなど全くなかったことがほどなく判明し、フェリシモからヒノキアスナロを使ったバングルが発売されると発表されたことで確定)批判はさらに大きいものとなりました(フェリシモは批判の声を受け、バングルの発売を中止)。

報道のせいもあってか、あの木が富山から神戸に「移植」されると勘違いしていた人がかなり見受けられました。イベント終了後の2018年8月に実施された講演会でも「あの木は毎年毎年生き続けるのか」と質問があった程です。今も勘違いしている人が存在する可能性も高いと思います。同じ講演会において「樹齢150年の木を切ることなど、別に珍しくもないのに色々言われたと」と自ら「山火事で唯一生き残った奇跡の木」(嘘と判明)と、特別な木だと以前には強調していたにも関わらず、ほかの木と別に変らないのにと言いたげな言動をしていました。とにかく西畠氏の言動には虚偽および矛盾点が多すぎます。イベント直前、期間中にも次々と嘘や矛盾点が明らかになっていき、さらに批判は大きいものとなりました。

私の立場とはまた違ったお立場から、西畠氏に疑問を呈し、批判をされている方もいらっしゃいます。植物を扱うお仕事をされている方、園芸の世界にいらっしゃる方のお立場、高所での作業をする際にヘルメットを被らない、安全帯をつけないなど、安全を軽視した作業方法に対して疑問を呈し指摘していらっしゃる方、企業人として、社会人として果たすべき責任、説明責任を果たしていないということ、当たり前のことを当たり前に果たすことのない西畠氏およびそら植物園の姿勢に対して、疑問及び批判を呈している方も当然ながらいらっしゃいます。

私自身においては被災者としての立場以外に、メディアに近い位置で長年仕事をしてきたこともあり、テレビおよび新聞報道の仕方に対しても疑問を呈して来ました(西畠氏自身もそうでしたが、批判に対して「木がかわいそう」という批判がメインであるかのような報道の仕方に対して不審に思いました)。また不祥事発生時の対応についても業務として経験してきたことから、とにかく西畠氏及びその周辺が普通では考えられない対応をし続けているということも指摘してきました。

事実と違うことが記載されたパンフレット、サイトを製作し、クラウドファンディングの出資を募ったことも問題視しています。コンプライアンスの概念が明らかに欠如していると思います。企業が社会的信用を守るという視点に立てば、法令を遵守するのは当然のことです。そしてそれに加えて消費者や一般市民の要請に応え、信頼を獲得するには、企業およびその構成員が適切な行動をとるための行動規範、さらに倫理規範へと範囲を広げた取り組みが求められているはずです。西畠氏およびそら植物園、そして西畠氏の周辺はその意識が甚だしく欠如しています。法令遵守という観点からもグレーゾーンだとも思いますし、それ以外の観点からもやはりモラル違反も甚だしいと思っています。これまでの西畠氏の言動を見ていると、西畠氏自身が虚偽であることをたびたび発言したりしたことを謝罪したり、考えを改めるということは0%に近いと思っています。だから、私はこう言いたいのです。

彼の周辺及び、彼のクライアントが、彼が今のような状況のままだと、仕事を共にしたり仕事を依頼したりすることが、非常にリスキーであることを認識するべきではないかと思うのです。度重なるモラル違反、コンプライアンスの観点からも怪しいことを平気で行うような人物が経営する企業をパートナーにして、共に仕事をするのですか?と問いたいのです。

世界一のクリスマスツリー の件では神戸市、フェリシモ、ほぼ日、TOOTH TOOTHを経営するポトマックなど、率直に申し上げて自治体やそれらの企業にも様々なよくない影響を与えました。「パートナー」にある種の損害を与えたといっても過言ではないと思います。

#銀座ソニーパークださい というタグを生むきっかけになり、ソニーに対する評判を落とすことに繋がったと言える、星の王子さまとの「コラボ」バオバブの販売の件に象徴されるように、西畠氏およびそら植物園に足をひっぱられることが「パートナー」となった企業にはこれまであったということ、それらを理解したうえで、それでも組織として西畠氏と仕事をするのか?明らかにモラルやコンプライアンスの意識が欠如した人物と仕事をするのですか?と私は問いかけたいと思います。

そして、何よりも、自身の欲望の実現のために、溢れる自己顕示欲をみたすために、6434人の犠牲者を出した激甚災害を利用したこと、圧死した人、窒息死した人、生きながら焼かれた人、そんな悲惨な最後を遂げた人々がいた阪神・淡路大震災を、今なお身体的におよび精神的に苦しむ人が多数いる阪神・淡路大震災を利用したといっても過言ではないことを、悪気も何もなくやってのけた西畠氏に共感し、共に仕事をするのですか?あなた方のモラルやコンプライアンス意識も西畠氏と同様のものですか?とも問いかけたいです。

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